「不登校をする子は将来、大物になるぞ!」
かつて不登校した青年が今は海外で活躍!
「不登校」という言葉が使われる前は「登校拒否」という言葉が使われていました。
彼が不登校し始めたのはちょうどその言葉が置き換わるころです。だいたい25年くらい前でした。
3人兄妹の真ん中で生まれた彼は、親の言うことをよく聞く真面目な青年でした。自分で決めたことはきっちりこなす。
しかし、急な変更には対応できずオロオロすることもありました。
小学校、中学校と順調に育っていきましたが、高校生になった時に彼は自信を失う出来事に出会いました。
自分が考えた計画通りに勉強しても成績が取れない。バスケ部だった彼は真面目にクラブに励みますが、周りの生徒はそこまで真剣ではありません。
ちょうどスラムダンクが流行っていた時期でバスケ部は人気クラブでしたが、彼が通った学校ではクラブは「楽しむもの」でしかありませんでした。先生もそれほど熱心ではなく、彼はクラブのなかで孤立していきます。
勉強もクラブも楽しくない彼は、学校に面白みを見いだせず、だんだん無気力になっていきます。そして高校2年生の1学期にぱったりと学校に行けなくなりました。
それからしばらく、彼は家に引きこもります。母親は理解をしてくれましたが、父親の方は「息子はサボっている」といって厳しい態度を取ります。
兄も妹も普通に学校に行っており、彼だけが不登校をしています。兄妹は状況を察して、特に彼に声をかけることがなく、そのことがまた彼の気持ちを辛くさせました。
彼は「生きていても意味がない」と考えるようになり自殺を思い立ちます。
昼間に山中に出かけて行ったり、首をつるためのロープをさがしにホームセンターに出かけたり、散歩と称して飛び降りれる場所をさがしてる気回りました。
しかし、歩き回っているうちに、なんだかばかばかしくなって家に帰るのです。そしてまた翌日「生きていても意味がない」という気持ちが強くなり外に出ます。
これを繰り返して過ごしていました。
学校の先生からは「このまま出席できないと留年するか退学するかの選択を迫ることになります」ということを電話で言われ、そのことでますます学校に行きたくなくなります。スクールカウンセラーとの面談も学校で行われるため、2,3回で途絶えてしまいます。病院も進められるが「自分は病気ではない」と言い張って、生きませんでした。
家に居ても何もする気にならないで、過ごしているとある日、母親がカウンセラーの勉強会で買ってきた講演録のCDを聴いていました。隣の部屋から漏れてくるその声を聴くともなく聞いていると、その先生が「不登校する子は将来、大物になります!」と言っているのを耳にして、彼は隣の部屋から聞こえてくる講演CDに積極的に耳を傾けます。
そして、母親に「この先生に会いたい」というのです。母親はびっくりしたと同時に、嬉しそうに「じゃあ連絡とって見ましょう」と言って、その先生との面談を決めました。
全国を飛び回っている先生でしたが、幸いにも翌月に彼が住む町から車で1時間くらいの場所での講演があるというので、その講演の後に会うことになりました。
そしてそこで、彼はその先生から直接「君は特別大物になりそうだね」と声をかけられて、とても気分がよくなります。
その後彼は、通信制の高校を卒業し、アルバイトや福祉施設のボランティアなどを通じて社会とのつながりを回復させます。人懐っこいけど、繊細な彼を大事にする周りの大人たちの支援を受けて、留学もすることができました。
その出会いから20年が経ち、彼は今はフィリピンやブラジルといった国で、他人の助けになる仕事をすると慣れない英語を駆使しながら働いています。
もちろん、一足飛びにかれが元気になったわけではありません。
その後も、講演してくれた先生のカウンセリングや、その先生の教え子のカウンセリングなどを通じて、元気になったり、引っ込んだりを繰り返しました。
一度は就職して教育現場で働いたりもしました。しかし、彼の中にはもっと多くの人を助けたい、自分のように生き方に苦しんでいる人を助けたいという思いがあり、日本を飛び出すことになりました。
海外に行ったからえらくて、国内にとどまっているからダメだということではありません。同時に不登校したから人生が終わるということでもないです。彼はのちに「不登校したところから人生が始まったようなところがある」と、語ってくれました。
今日も世界のどこかで彼は明るい笑顔と、優しい気持ちとちょっとした好奇心を使って人を助けているんだと思います。
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不登校やキャリア教育に関するコラム
子どもを信じるって、どういうこと?
子どもを信じるって、どういうこと?
◆子どもを「信じる」とはどういうこと?
― 信用と信頼のちがいから考える
新学期が始まるこの時期、朝起きられない子どもの姿を見て、「またダメだった」とがっかりしたり、焦ったりしている親御さんもいるかもしれません。一方で、「信じてるよ」と言いながらも、本当にこのままでいいのだろうかと、不安になることもあるでしょう。
このコラムシリーズでは、不登校の子どもと日々を過ごすなかで、親の心が揺れるのは当たり前であることを前提にしながら、それでも子どもを“信じる”とはどういうことなのかを、6つのまなざしから考えていきます。
◆「信じてる」の奥にあるもの
「この子なら大丈夫」「きっと動き出せる」――
吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。そんな思いで、心の中で「信じてる」と言い聞かせながら日々を過ごしている方も多いかもしれません。
けれど、ふと気づくと、それが「こうなってほしい」という“期待”になっていたり、過去の行動に基づいた“信用”になっていたりすることがあります。
たとえば、こんなやりとりはどうでしょう。
――ある朝、「今日は行けるかも」と本人がつぶやいた。親としては内心ドキドキしながら、「うん、わかった」と返す。子どもが自分で考えて動いてくれることを信じて、そっと背中を押すような気持ちで応じた。
けれど結局、その日は布団から出られなかった――。
そんなとき、親の中にはがっかりした気持ちとともに、「せっかく本人が“行けるかも”と言っていたのに…」という思いが湧いてくるかもしれません。この“がっかり”はとても自然な感情です。けれど、もしその「信じてる」が「やれるよね?」という“期待”や、「前も行けたから今日もきっと」という“信用”だったとしたら、その落胆も無理はありません。
では、これが「信頼」だったとしたら――。
同じように「今日は行けるかも」と聞いたときに、親はこう思うかもしれません。
「この子の中に“行こう”とする気持ちが芽生えてきたんだな」「たとえ今日は行けなかったとしても、その気持ちが出てきたことが、この子の歩みの一部なんだな」
そして、布団から出られなかったとしても、「行けなかったこと」よりも、「行こうと感じたその瞬間」に目を向け続ける。そんなまなざしが、“信頼”なのだと思います。
信頼は、「今日できるか」「明日動けるか」を判断するものではありません。今すぐ変わらなくても、この子にはこの子のリズムがある――そう見守る、深く静かなまなざしです。
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吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。
◆「期待・信用・信頼」の違いを整理してみましょう
言葉
意味
子どもとの関係での例
期待
未来に望むこと
「新学期には行けるようになるはず」
信用
過去の実績で判断する
「前に行けたから、今日も行けるはず」
信頼
存在そのものを認める
「今できなくても大丈夫。この子はこの子のペースで歩いている」
信頼は、結果に左右されない安心感を与えます。「信じてる」という言葉が、子どもを変えるためのものではなく、「あなたはあなたのままでいい」と伝える言葉になるとしたら――それは、子どもにとって何よりの支えになるかもしれません。
◆信じるとは、ただ待つことではない
信じることは、「待つ」こととも少し違います。コントロールせずに、でも放っておくのでもなく。不安や焦りがあっても、安心できる空気を整えていくこと。それが、子どもに向ける「信頼」のかたちです。
「信じるとは、見えない芽が地面の下で育っていると信じて、水をあげ続けること。」― 作者不詳
文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。
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