不登校している中学生2年生に春だからやってほしい進路の話合い – 不登校解決のためのカウンセリング

不登校している中学生2年生に
春だからやってほしい進路の話合い

春という季節に感じる進路のプレッシャー

年度が変わるこの「春」という季節。世間一般は新入生、新学期、新学年など「新○○」という言葉があふれます。特に不登校している中学2年生にしてみれば、何もしていないのに学年が上がる、という妙な気分を味わう時期でもあります。とりわけ強いのが「取り残された感じ」です。学校に行っていないことで、自分だけが成長から取り残されているということからくる気後れがあります。そして中学2年生から3年生になるということで、「次」を考えないといけないちおうプレッシャーが一層強くなります。このプレッシャーから生活が乱れたり、言葉がとげとげしくなります。いままで一緒に取っていた食事をしなくなるかもしれません。外出に誘っても来ないかもしれません。様子が違ってくることは大いに予想できます。しかし、これは順調な反応とも言えます。プレッシャーを感じているので、これまでと同じようにふるまえないのは当然です。とはいえ、進路については、対応の仕方が難しい状況は変わりません。親としてどう対応することが良いのか?そのことについての提案です。

進路の話には真摯に向き合うこと

子どもがプレッシャーを感じているというのが分かってしまうと、あえてその話をしにくくなります。下手に言葉をかけて機嫌を損ねてしまったら余計に厄介になります。ただ、何も話し合わないでいる、子どもが何を考えているか分からないという状況は親自身も不安です。区切りの季節でもあることを機に一度話しあうということをされると良いです。大事なのはきちんと場を設けることです。なんとなく「どうするの?」と聞くと子どもにしてみれば不意打ちでしかなく、その場しのぎの答えを言ったり、「別に」とか適当にはぐらかされてその場を去ってしまうかもしれません。何気なくではなく「今日の夜、仕事から帰ってきたら進路の話をします。お義父さんとお母さんはあなたを応援したいから、現時点のあなたの考えを聞かせてほしい」と言い切ってしまうことです。ポイントは「現時点」のものであるということ、そして今日の話が決定ではないということです。対話の場をつくることで進路の話をしてもよい環境を整えていくことです。区切りの季節だからこそ提案してみることが大事です。ただし、その場に来ないかもしれません。その場合は、咎めないで、子どもさんに次の日時を設定させてみてください。大切なのは親はあなたの考えをいつでも聞きますよ、という姿勢を持つことです。

子どもの話をさえぎらない

子どもが進路の話合いのテーブルについた場合、まずは子どもの考えを聴きます。ここで傾聴できるかどうかで、今後の話合いが変わってきます。子どもが話し終えるまで、言葉を挟まずに聴きます。もしかしたらとんでもない絵空事を語るかもしれません。これまであったのが、プロゲーマーになる、Youtuberになる、海外に住む、起業する、世界一周旅行に行く、などです。などなど親からすれば「ろくに中学でも勉強していないのに・・・」って突っ込みたくなります。そこをグッとこらえて話を聴きます。そして、子どもが話し終えたら、親の意見を言う前に「なんでそれをしたいのか?」という理由を尋ねます。そして「それを実現するためにどういう手順を踏めばよいのか?」さらには「親として協力できることは何か?」などを尋ねてみます。理由までは話せるかもしれませんが、手順当たりはかなりいい加減になります。そこが語れないことを責めるのではなく、それは「次」の話し合いまでに調べたり考えたりしておいてもらうことにします。ここまで話を聴いたうえで、今度は親の意見を伝えます。これはあくまで「指示や命令」ではなく「提案」として伝えます。不登校しているお子さんは進路の話についてはかなり情報が希薄です。話し合いの場までに親の方でも、高校にどんな選択肢があるのかを調べます。ここは学校に協力を仰いで、どんな進路が考えられるかを整理した資料などを提供してもらうと良いかもしれません。

進路の話合いの主役は子ども

言うまでもなく、中学卒業後、どんな進路をとるかは子どもが決めるものです。そして、子どもが願う進路をできるだけ実現させてあげるようなサポートが親には求められます。初めは絵空事を言います。しかし、その絵空事を応援してあげてほしいのです。頭ごなしに親の意見を言うのは禁物です。絵空事が絵空事であるということは本人もうすうす分かっています。その分かっていることをお親が応援してくれるという経験が重要です。この経験が親を始めとした大人への信頼回復につながります。そして、進路の話がしやすくなると、子どもはプレッシャーから少しだけ解放されて行きます。中にはその絵空事に本気で取り組むお子さんもいます。それは本人の自立を促しています。もちろん一筋縄ではいかないところがありますから、うまくいかなくて落ち込んだり、途中で投げ出したりもします。こういったトライ&エラーの経験をするから、より精神的にも自立をしていくということがあります。

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