子どもの「いいところ」が見えないとき、親はどう関わればいい?──親子コミュニケーションで大切な“まなざし”
子どもの良さを見つけたいのに、できていないところばかりが目に入ってしまう…。
そんな悩みを持つ親御さんへ。
親子コミュニケーションを見直し、“まなざし”を変えるヒントをお届けします。

がんばってるのに見えない…子どもの“いいところ”
「この子のいいところを見つけてあげたい」
そう思えば思うほど、うまくいかない。
「また忘れてる…」「集中力がない…」
親として気になるところばかりが目につくこと、ありますよね。
でもそれは、よく見ようとしているからこそ。
親子コミュニケーションの中で、子どもの良さが見えなくなるとき、実は“見る視点”にヒントがあります。
子どもを「行動」ではなく「意味」で見るということ
困った行動の裏にある“光”を見つける
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落ち着きがない=好奇心が強い
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頑固=芯がある
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感情的=気持ちに正直
といったように、「問題」に見える行動は、見方を変えると「個性」や「力」にもなります。
親の“まなざし”が、子どもの自己イメージをつくる
子どもは、「自分がどう見られているか」にとても敏感です。
「あなたには良いところがある」と言葉で伝えるよりも、
“そう見ている”という親の空気・まなざしこそが、子どもの心に届きます。
親子コミュニケーションの出発点は、親自身の余裕から
親が余裕をなくすと、どうしても「見つける」ことがプレッシャーになってしまいます。
でも実は、子どもの良さに気づく力は、親が自分にやさしくできたときに湧いてくるもの。
「今日もよくやったな、私」と自分をねぎらうことが、まなざしの余裕につながります。
「子どもにとって最も大切なのは、自分が大切にされていると感じることだ。」
― トマス・ゴードン(臨床心理学者、『親業』の提唱者)
― トマス・ゴードン(臨床心理学者、『親業』の提唱者)
文・大久保智弘
公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。
不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。