不登校の悩み | 不登校サポート | 家庭と子どもの再スタートを応援します

不登校の悩み

学校に登校しない、または休みがちの子どもにどう向き合うかを考える記事をまとめています。

【新学期の不安を和らげる】親子で整える“ルーティン”の力

【新学期の不安を和らげる】親子で整える“ルーティン”の力 春、新しいスタートが始まるとき

新学期を迎える中学生にとって、クラス替えや担任の先生、友達との関係など、目には見えにくい緊張や不安がつきものです。そんな子どもの心を、毎日の“ちょっとした習慣”がそっと支えてくれることをご存知ですか?この記事では、家庭でできる「ルーティン」の大切さと、その具体的な取り入れ方をご紹介します。特別なことをしなくても大丈夫。親子で安心して新学期を迎えるためのヒントを、ぜひご一読ください。

― 親子で整える、心と暮らしのリズム ―

春は出会いと始まりの季節。中学生にとって、新しいクラス、担任の先生、教室の雰囲気…小さな変化の積み重ねが、意外と大きなストレスになることがあります。

親としては、「ちゃんとやっていけるかな?」「無理してないかな?」と心配になりますよね。そんなとき、子どもの心をそっと支えてくれるのが、“家庭でのルーティン”です。

なぜ、ルーティンが大切なの?

心理学では、「ルーティン(習慣的な行動)」は人の心に安心と安定をもたらすと言われています。特に、外の世界で緊張やストレスを感じている子どもにとって、家の中での“いつもの流れ”は「自分をリセットできる場所」になります。

 

これは、脳が「予測できること」に安心する性質を持っているためです。毎日同じように過ごす時間があることで、心は自然と落ち着きを取り戻すのです。

どんなルーティンが子どもにとって安心になる?

朝:一緒に朝食をとる「いってらっしゃい」の前に、10分でも同じ時間を過ごすことで、心にエネルギーが蓄えられます。

帰宅後:お茶を入れて話す時間をもつたわいもない会話でかまいません。「今日はどうだった?」ではなく、「疲れてない?」という声かけのほうが、子どもは話しやすく感じます。

 

寝る前:一言だけ声をかける「おやすみ」「今日もありがとう」。短い言葉の中に、“ちゃんと見てるよ”というまなざしをこめましょう。

ルーティンは、完璧である必要はありません。朝食がバラバラでも、「寝る前の一言」だけでもいいのです。大切なのは、“毎日同じ”という安心感が、子どもにとっての心の支えになるということ。

 

子どもが学校でがんばってきた分、家では「頑張らなくていい」場所であること。それを伝える最もやさしい方法が、日々のルーティンなのです。

日々のくり返しが、子どもを支える力になる

新学期は、子どもも親も肩に力が入りがちな時期。けれど、あたたかいごはん、笑顔のあいさつ、そして「いつも通り」のひとときが、何よりも子どもの心を守ります。

“特別なこと”をしようとしなくて大丈夫。「続けられることを、続ける」――それが、子どもにとって最大のサポートです。

「家庭は子どもにとっての安全基地である」―メアリー・エインズワース(愛着理論の研究者)

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不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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もっと読む 2025年4月22日 勉強・進路と将来の不安 親として、どこまで関わるべき?春の“ちょうどいい距離”の話 親として、どこまで関わるべき?春の“ちょうどいい距離”の話

2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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新学期、わが子が不登校にならないために背伸びをさせないために親ができる2つのこと

新学期、わが子が不登校にならないために背伸びをさせないために親ができる2つのこと 新学期の張り切りにご用心

春は出会いと変化の季節。新しいクラス、新しい先生、新しい時間割…。子どもたちは、知らず知らずのうちに多くの刺激を受け、適応を迫られる時期でもあります。中学生、高校生の思春期の子どもたちは、自分の気持ちをうまく言葉にできない一方で、「ちゃんとしなきゃ」「まわりに合わせなきゃ」と、自分を追い込んでしまうことがあります。そんな中で“背伸び”をして、頑張りすぎた結果、心が疲れて学校に足が向かなくなる…そんなケースは少なくありません。今回は、子どもが「背伸び」しすぎず、自分らしく新学期を過ごせるように、親として心がけたい2つのことをご紹介します。

① 「気持ち」を中心に声をかける

新しい環境に入ると、つい親としては「クラスはどうだった?」「授業ちゃんとついていけた?」と聞きたくなりますよね。でも、このような“報告型”の質問は、すでに緊張の中にいる子どもにとって、さらにプレッシャーになってしまうことがあります。特に、進学して学校が変わった中学1年生、高校1年生は大人が思っている以上に緊張をしています。

もちろん何があったか?を尋ねることは大事です。その一方で、「今日、疲れなかった?」「ちょっと緊張したかな?」「どんな気分だった?」と、“気持ち”に寄り添う声かけが、子どもにとっては何よりもホッとできる関わりになります。

心理学には「情動調律(エモーショナル・チューニング)」という考え方があります。これは、子どもが感じている感情を、親が言葉にして代弁したり、表情や態度で受けとめたりすることで、子ども自身が自分の気持ちを理解し、安心できるようになるというものです。

「気持ちをわかってもらえている」という実感は、子どもにとって心の安全基地となり、無理して背伸びする必要のない環境づくりに繋がります。何をしたか、よりも、どう感じたか。そこに目を向けることが、子どもが“等身大の自分”でいられる第一歩です。

② 「頑張らなくてもいい場所」を家庭に

学校という社会の中では、どうしても「いい子でいよう」「ミスをしないようにしよう」と、自分をよく見せようとする意識が働きます。特に真面目な子ほど、無意識のうちに頑張りすぎてしまう傾向があります。

そのため、家庭では“緊張をゆるめられる場所”を意識的につくっていくことがとても大切です。

たとえば、「たぶん、自分が思っている以上に疲れているはずだから、早めに休もうか」「ごはん食べたら、好きなことでもしてのんびり過ごしたらどう」など、親から“がんばらなくていいサイン”を出すことで、子どもはホッと安心できます。ただし、ここでいきなり「がんばらなくていい」と直接伝えることは、子どもの前向きな気持ちに水を差す恐れがあるので、あくまでも「休んでいい」「気を抜いていい」ということが暗に伝わるような言葉がけが大事になります。

発達心理学者のジョン・ボウルビィは、「安全基地(secure base)」という言葉を使って、子どもが挑戦したり外の世界と関わるためには、“安心して戻ってこられる場所”の存在が不可欠だと述べています。

学校でがんばった子どもが、家で「何もしなくても受け入れてもらえる」感覚を持てること。それが、次の日の心の回復につながり、「また明日も行ってみようかな」という気持ちを育てていきます。

家は、子どもにとって“頑張る場所”ではなく、“力を抜ける場所”であること。そのバランスが、長く安定して学校と関われる土台になるのです。

子どもが安心して戻れる“HOME”を

親として、わが子が学校に行けなくなるのはとても不安なことです。でも、大切なのは「行かせる」ことではなく、「行けるようになる準備を支える」こと。背伸びをして疲れ果ててしまう前に、子どもが“等身大”でいられる家庭環境を整えておくことが、もっとも大切な予防策になります。

新学期は、子どもも親も緊張する時期。焦らず、比べず、「うちの子のペースでいい」と思える余裕を、親自身がもつことが肝要にもなります。

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吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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子どもが不登校になったら、 親は何をしてあげればよいか?

子どもが不登校になったら、親は何をしてあげればよいか? 「どうしてあげればよいですか?」

不登校になった、またはなりそうだという方からのお問合せをいただくことがしばしばあります。

皆さん、悩まれているのは、親として何ができるか?ということです。子どもが困っているので、何かしてあげたい。でも何をしてよいのか?ということが明確ではありません。「病気」とちがって、医者や薬といった、頼り先もあいまいです。

そこで、不登校になったら最初に何をすべきなのか?ということを考えてみました。

不登校のお子さんが最初にしてほしいこと

子どもが真っ先に求めているものは、休息です。とにかく休むことです。不登校を発熱だと考えてみてください。発熱したお子さんに必要なのは休息です。同じです。心の不調であろうと、身体の不調であろうと、必要なのは休息です。

では、どれくらいの休息が必要なのか?と言われると、これも発熱と同じで症状によります。微熱であれば1~2日で回復しますが、高熱であれば数日、病状によっては入院も必要になります。不登校で入院というのはあまりありませんが、調子が整うまで休息が必要になります。

休息の条件

休息が必要といっても気を付けないといけません。休息するにしても、登校するプレッシャーをゼロにするということが必要になります。具体的に見ていきます。

・登校を促さない。学校に行くかどうかを尋ねることが子どもにとってはプレッシャーになります。これ以上、問われたくないから「明日は行くよ」と言ったりしますが、それはその場しのぎの答えで、まず行くことはありません。「学校に行こうかな」と言い出したら、多くの場合は背伸びです。「もうちょっと休んだら」というくらい言ってあげてもよいです。ちなみに登校しだす場合は、多くは何事もなかったかのように普通に準備していくことが多いようです。

・学校との連絡を極力減らすこと。熱心な先生ほど、毎日電話をかけてきて「調子はどうだ」と尋ねてきます。先生には、「学校にきなさい」という意図はなくても、学校から連絡があれば子どもは、そういう風に意図をくみ取ってしまい、プレッシャーになります。しばらく連絡しない、連絡があれば親が間に入って対応します。

・自分で自分を責めたり、焦りの気持ちを極力和らげる。「学校に行かねば」「勉強が遅れてしまう」という焦りを、親や学校からのプレッシャーがなくても自分で自分にプレッシャーをかけている場合があります。そのプレッシャーからの逃避で、一時的にネットやゲーム依存になることもあります。自分でかけているプレッシャーを緩めるには、勉強は後から取り戻せるということ、不登校をした多くの人が、大人になり、社会に出ていけているという事実をお伝えすることで軽減できます。

休息の先にあるもの

どれくらいの期間の休息が必要なのかは誰にもわかりません。本人も分かっていないです。しかし、この休息期間を経ると、家で日常を取り戻します。ときどき「学校に行かないこと以外は普通なんです。」とお話しくださるお母さまがいらっしゃいますが、ここまでくれば、次に進むことができます。日常を取り戻すところが、不登校から脱していく一つの目安になります。

その時、子どもは「しんどい」ということばよりも「ひま」「やることない」「退屈」と言ったりします。そこで「それなら学校行きなさい」と言わずに、「あーそうなの」と子どもが言ったことを足しも引きもしないでそのまま受け止めてあげることが肝要です。

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こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

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不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

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「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

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“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

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近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

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まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

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不登校・ひきこもりが峠を越えるとき

不登校・ひきこもり状態が峠を越えるとき 意思表示ができるかどうか

学校で不登校対応をしているときに「君はどうしたいんだ?」と尋ねても「わからない」と答える人が少なからずいます。

学校に行きたいのか行きたくないのか、行きたいけどいけないのか、行きたくないけど来ているのか、行きたくないからこないのか・・・子どもの意思によって対応のしかたは変わります。

しかし、意思表示ができる状態になっていないうちにこれからどうしたいのかを尋ねられるのは子どもにとって結構つらいことです。

自分のことなのに自分でも決められない・・・学校に行けていないだけでも落ち込みがあるのに、ましてや自分自身のことも決められないとなると、余計に落ち込んでしまいます。

 

子どもが意思表示をするまえにすること

子どもが明確な意思表示をする前は、部屋にこもったり、家族と口を利かなかったりします。生活習慣も乱れ、どう接してよいかわからない、という状態に陥ります。親としては一番心配な状態がこれです。

「この状態がいつまで続くのか」、「このまま何年も引きこもってしまうのではないか?」ということが頭をよぎり親自身が震えるときでもあります。

この引きこもっているときには子どもさん自身はとても葛藤を覚えています。これまでは親に対して従順に従っていた自分が、親に反発を覚えている。

しかし、自身がないから「自分の意思」というものを示せない。だからといって親の言いなりにもなりたくないし、自分の意思に反して生きていくことはもっとやりたくない。この葛藤状態が不機嫌さにも、疲れにもつながりさえない表情の日々を過ごします。

自分の意思を表明する覚悟と、どういう言葉で表現するのかの言葉を紡ぐときでもあります。

 

こもっているときは自分に集中したいとき

中高生が差し掛かる思春期とは生まれ変わる時期ともいわれます。子どもから大人になり、自我、アイデンティティの確立が起きるときです。引きこもっているときというのは、本人は生みの苦しみのただなかにいます。外に出たい意思と、このままこもっていたい意思が葛藤して苦しんでいます。そこには恐怖や不安もあります。

そういう葛藤状態にあるときに「あーしろ、こーしろ」と言われたり、たびたび「どうするの?」と尋ねられることは余計に混乱することになります。「自分で決めたい」「自分で考えたいときです」

この状況をお子さん本人が理解して「何も言わないでほしい」と言える場合もありますが、多くの場合はそれはできません。本人もなんでこんなに苦しまないといけないのかわかっていない場合がほとんどです。

ですから、周りにいる人間は見守るしかありません。

しかし、ある日、「私」「僕」「おれ」などを主語として語れるようになったら一つ山を越えているとも言えます。

はじめは自信がなく、中身としては突拍子もない浅はかな考えかもしれません。しかし、この時に葛藤を乗り越えて表明した勇気にたいして賞賛と感謝を述べられると、子どもの状態は落ち込んでいる、暗い状況から抜け出します。

お子さんを信頼する

不登校のお子さんだけではなく、思春期の中高生世代は、危なっかしくて、心配なことが多いと思います。偉そうなことを言う割には大したことはできないというのもあります。心配な面はたくさんあります。

親がその心配を抱えたままかかわるとお子さんには心配が伝わります。この「ぱ」を「ら」に変える、つまり心配を信頼に変えると、普段の接し方、言葉がけが変わってきます。

信頼に足る要素はたくさんあります。しかしながら、目の前の問題に向き合っているときには、視野も狭まり、普段よりも冷静でなくなっています。「どうしたらいいんだ」という焦る気持ちが先立ちます。そういう時に、カウンセリングで話をする。

すると知っているけど見えていない要素に気づき、親の心配が信頼に変えられていきます。お子さんのカウンセリングができない場合は親御さんにカウンセリングすすめています。

それは私たちカウンセラーが子どもに安心を伝えるのではなく、親御さんが安心すればその安心がそのままお子さんに伝わるからです。

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不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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不登校になりはじめの中学生の苦しみの根っこにあることとは?

不登校になりはじめの中学生の苦しみの根っこにあることとは? 不登校する中学生は根が真面目なお子さんが多い

これまで、10年以上不登校になってしまった中学生、高校生にカウンセラーとして関わってきました。その多くは真面目なお子さんが多いです。それゆえにうまくいかないこと、できないことが許せないでストレスをため込んでしまいます。しかも、他人のせいにするのではなく、自分のせいでうまくいかないから、自分を責めることも多く、かなり心は傷ついています。

特に中学生になったばかりの頃は、小学校とのギャップに苦しむことが多いようです。勉強も難しくなり、クラブ活動や塾などやらないといけないことが一気に増えます。また、別の学校からやってくる子どもたちとの関係づくりにも悩んでしまいます。公立中学校の場合、近隣の小学校2~3校が一つの中学にまとめられます。もし、もともと通ってた小学校が小規模で先生の目が行き届くような学校であれば、中学になった途端、突然大人数の中に与まれてしまい、面倒を見てくれる先生もおらず頼る相手がいないことから不安になったりもします。また、他の小学校からきたちょっとやんちゃな生徒たちとの距離の取り方がつかめなかったり、まじめさゆえに、「ちゃんとやろうよ」なんて声をかけて、「なに真面目にやってるの?」なんて言い返されて、そこでも傷つきます。もともと同じ小学校だった仲間も、そういうやんちゃな生徒に流されてしまって、付き合いづらくなります。

真面目な中学生が抱える二つの苦しみ

真面目でいい人の苦しさは二つあります。一つが完璧主義です。

完璧主義はできない自分を責めます。周りから見てもう十分頑張っているのに、本人が納得する基準が高いので苦しい思いをします。小学生の時には、自分の納得できるレベルまで持っていくことはできても、中学の勉強や課題はそうとはいきません。要領のいいお子さんであれば適当にごまかしたり、ある程度のところでケリをつけますが、完璧主義のお子さんはやりきるまで、やめません。そのがんばりが続いているうちは良いのですが、いずれエネルギーが切れてしまいます。完璧主義の人の最大の弱点は「完璧にできないことはやらない」と言うことです。これは認知行動療法の認知の歪みの一つである「全か無か思考」とも呼ばれるもので、やるなら100、100できないならゼロという思考パターンです。また、完璧主義の人に置きがちなのは、他人にも完璧を求めてしまうところもあります。完璧にできていない人を非難して人間関係がこじれることもあります。

もう一つの苦しみが「いい人でなければならない」ということです。真面目な人は、他人に対していい人であろうとします。他人にたいしていい人をやり続けるのは、大人子ども関係なく至難の業です。自分にとって苦手な相手に対してもいい人であろうとすると、気を遣って、相手の機嫌を損ねないようにして、「好かれよう」とします。小学校と中学校とが決定的に違ってくるのは人間関係において、うまくいかないことが増えるということです。異性を意識しだすこともそうですし、お互いに自立の道を歩み始めるので、「みんな一緒に」という枠組みに入りたがらない人も出てきます。小学生の時に培った「いい人」戦略は「みんな一緒に」が前提になっているので、無理が生じます。また、他人にたいしていい人としてふるまうことは、自分の気持ちや意思を抑圧して犠牲にするので、エネルギーを使い果たして破綻します。そして「いい人」としてふるまえない自分を責めると同時に、「いい人」ではない自分を見せられないから、外に出ることをやめて学校に行きづらくなります。

 

真面目な中学生が不登校になったらどう言葉をかけると良いのか?

真面目な中学生が不登校になると、自分を責めて余計に気持ちが沈みがちになります。学校に行かないといけないのに行けない自分、みんなができていることをできない自分、また親の期待を裏切った(という思い込み)から親に対してもどう接して良いか分からないままの生活をします。初めは心配かけまいと、気丈にふるまいますが、それも長く続かない可能性もあります。もともと元気がなくて学校に行けていないのです。しかし、「ゆっくり休みたい」ということも言えないでいます。

お子さんがこういう状態になったら親は何と声をかけるべきか相当に迷うところです。頑張れとは言いづらいです。すでに頑張っているし、無理していることが透けて見えます。かといって「頑張りたい」と思っている相手に「休んでいい」というのも何か違う気がします。下手すると「休む」ことを後押しする言葉がけは、落ち込んでいる状態の時にかけると「学校にいくな」とも受け取りかねません。

私がおすすめするのは、黙って一緒にいるということです。否定も肯定もしない、そして大人の常識や親の価値観をいったん脇において、お子さんがどういう気持ちだろうか、どういう苦しみを持っているだろうか?と言うところに焦点をあてて、言葉を発せずに寄り添うことです。お子さんが話しかけてきたら、話の腰を折らずに聴く、と言うことです。とはいえ、親からは何も話さないというわけではありません。「食べたいものはある?」とか「掃除するから手伝ってほしい」とか、ごくごく普通のことは話してもらってよいです。あいさつももちろん大切です。というのは、学校に行かなくても親から普通に扱ってもらえるというのが子どもにとって一番エネルギーになることだからです。

真面目な中学生が不登校から脱するために必要なこと

不登校しているお子さんが不登校の状態から脱するために必要なことは、完璧主義といい人をやめさせることです。正確に言うと、その考え方を緩める必要があります。特に完璧主義が残っていると、仮に学校に行くようになっても、完璧にできない自分に幻滅して余計にダメージを追う可能性があります。

完璧主義といい人をやめるためには、自分の本音を言葉にする力が必要です。この場合の本音はネガティブな言葉であることが多いです。「あいつが嫌いだ」とか「あのことにたいして腹が立っている」とかです。ただ、こういうことを言ってはいけないという思い込みが強いので、その緊張を緩めるところから始めなければなりません。だからこそカウンセリングをはじめとした言葉を用いるケアが必要になります。親にたいして言えればよいのですが、中学生や高校生のお子さんが親に本音を言うということは珍しいです。第三者の介入が必要な理由は、親ではない、信頼できる大人がいることで、自分の本音を少しずつ語り、お子さん自身の緊張感を緩めることができるようになります。完璧主義といい人から脱していくことは、不登校から脱する以上に、その先の人生にとってもストレスをためにくくしたり、人間関係のトラブルを回避したりすることに大いに役立ちます。

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不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

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不登校の初期対応に必要なことは?

不登校の初期対応に必要なことは? 不登校になった理由を尋ねると

不登校の初期対応に必要なことは、まずは見立てです。特に5月のゴールデンウイーク明けや、夏休み明けなどの時期に起こりやすい不登校についてはいろいろな可能性を考える必要があります。多くの場合は本人のメンタルに意識が向きがちで、そのケアをしようとしますが、実はそれだけではうまくいかないこともあります。

不登校になった子どもに学校に行きたくない理由を尋ねると、「疲れている」「お腹が痛い」「頭痛がする」と言った身体的な理由を挙げることが多いです。また、「嫌な友達がいる」「クラス替えで仲の良いことは慣れてしまった」「先生がきらい」という人間関係に起因することも比較的上がりやすいです。こういった話を聴くと、精神的なストレスから学校に行きたくないんだろうということなんとなく察しがつきます。さらに踏み込んで疲れている理由などを尋ねると、「宿題が終わらない」「勉強が大変」という学習面に関することも出てきます。いずれにしてもメンタルケアをすることが、求められていると感じられますが、実はそれだけが理由ではない場合もあります。

家にこもるのは本能的な防御である

水族館などで飼育されていて、ショーなどの練習をするイルカが、時々、エサを食ないで、練習用のプールに来ないことがあるそうです。それは、過度にストレスを与えられる(練習の頻度が多い、難しい技を練習するなど)と、拒食や引きこもりが起こるというのは珍しいことではないそうです。ストレスから距離を置くための行為です。イルカと人間は言葉のやりとりができないので、拒食や引きこもることを「本能的なこと」と捉え、しばらく休ませます。

不登校も本能的なところでストレスから身を守るために、家にいるということを選びます。ただ、その際に学校と言う多くの場合毎日登校を求められるという社会システムがあるために「不登校」とならざるを得ないというのがあります。学校に行かないことは、親としては心配ではありますが、身を守るために必要なことでもあります。言葉があることで、本人にその理由を尋ねて答えを聴こうとします。実は、本人も不登校になった理由はよくわからず、問いただされることが面倒だから、ありそうなことを応えているだけ、ということもあります。

身体的な疾患なのか、それとも生活習慣なのか?

朝起きることが難しいお子さんは、血圧が低かったり、起立性調節障害であったりすることもあります。一方で単に夜更かしをしていて寝不足のお子さんもいます。朝起きることだけでも身体的なものなのか、生活習慣なのかの可能性が考えられます。ここの見立てが間違っていたら、いくら努力しても功を奏しないばかりか、努力しても効果が出ないことで、自己肯定感が低下して、より学校に行けなくなるということさえ起きてしまいます。

何によってお子さんが困っているのかの特定には、心理面だけではなく、身体面や生活習慣といった環境面にも目を向けて考察する必要があります。

あえて書いておきますが決して「根性がない」とか「やる気がない」というメンタルの弱さに原因を求めることは、親の無理解から信頼関係を失い、お子さん自身が誰にも助けを求められず、不登校が長びく恐れさえ出てきてしまいます。

不登校の初期対応は不安を取り除くこと

不登校の初期対応に必要なのは、その原因を探ることと同時に不安を取り除くことです。これは不登校している本人だけでなく、不登校のお子さんの家族に取っても必要です。この不安を抱えたまま、見立てをしようとしても、ネガティブなものしか出てきません。もし、間違った見立てに基づいて対応すると、家族も本人もその成果のでないところから自己肯定感が下がります。そしてネガティブな状態が続くと、視野が狭くなり、解決の糸口となるプラスの要素を見落とすこともあります。不安を取り除き、広い視野で物を見ることが大事です。

不登校になってもすぐに将来がダメになることもないし、不登校を経験することで得られることもあります。いきなり前向きになる必要はないですが、不安を取り除くことで自然と前を向く力がお子さん自身にも、親御さんにも備わり、解決に向けて動いていくことができるようになります。

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こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

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まとめとひとこと

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「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

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距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

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まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

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“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

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近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

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まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

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学校に行き渋る中学生が強く感じる新年度の「疲れ」の正体

学校に行き渋る中学生が強く感じる新年度の「疲れ」の正体 子どもたちは何に疲れるのか?

新年度が始まって、疲れが出てくるのが、この4月の下旬です。この疲れですが、一体何か?ということです。体力的な疲れはありますが、若い中学生ですから、しっかり休めばそれは回復します。新しい環境への疲れが大きいです。これは、大きく、人間関係と環境に分かれます。人間関係は小学校とは違う人と出会い、「この人と仲良くして良いのだろうか?」とか、それまで仲の良かった友達が別の人と仲良くなってなんとなく一緒に居づらくなったので、別の友達と一緒にいないといけなくなったり、単純に、自分のことを知ってもらいつつ、相手のことも知ってもらう、そのためのやり取り、というのにも苦労しています。もう一つの環境と言うのは、生活時間、通学経路の違い、持ち物、朝の支度の仕方の違いなどです。慣れている行動を繰り返すことは脳への負荷はそこまでではないですが、新しいものが一気に増えるこの時期の負荷はかなり大きいものと思われます。こういったいろんなものが「疲れ」という言葉で表現されます。

終わらない人間関係

新しい環境に身を置くことで、疲れるを感じるということは大人でも分かると思います。しかし、思春期世代の子どもの場合は特に人間関係がもたらす「緊張感」に晒されます。特に、最近は中学生でもSNSでつながり、学校にいない時間もネット上でコミュニケーションが取れてしまいます。返事が遅れたり、見ていなかったりすると相手に嫌われるかもしれないという不安からスマホを手放せなくなるお子さんさえいます。

宿題や部活はそれぞれ区切りがあり「終わり」があります。しかし人間関係には「終わり」がなくずっと続きます。その緊張感が続くと、結果として体調を崩す、朝起きられない、と言うことになります。この緊張感を感じるセンスには個人差があります。ただ、これまで接してきた不登校のお子さん、学校に行き渋るお子さんの場合は人一倍、この緊張感を感じて(時に過度に)しまうようで、辛い思いをしています。

緊張感の正体

SNSが良くないからと、スマホの利用時間を定めておくことをします。確かに、夜は何時までと決めておくことで、それ以降は友達のメッセージを目にしなくて済みます。しかし、この方法だと、メッセージ見られないから、最後に送ったメッセージにたいして「何か応答が来ているかもしれない」と結果としてソワソワしてしまい、緊張感が続いてしまいます。そもそもSNSにおけるに人間関係の疲れがテキストのみのやり取りで相手がどんな顔をして、どんな思いでその文字を打ったのかが分からないところにあります。分からないからこそ、それを適当に想像してしまいます。特に人間関係ができて日が浅い場合は「嫌われないように」という思いが強いので、その分「嫌な思いさせていないかな」が気になります。このネガティブな想像が実は緊張感のもとになっています。

緊張感からの解放のために

緊張感から疲れを取るには、友達と距離を取ることが大事です。そのための休みということがどうしても必要な場面が出てきます。4月末から始まるゴールデンウイークは心を休めるための休みとして良い時期にあります。また、緊張感からの解放に必要なのは、日々自分のメンタルをケアする力です。これに有効なのがメタ認知です。自分の感情を外に出すことによって、客観的に見ることです。そうすると、中学生であっても自分が抱えている悩みが思ったほど大きなものではなと言うことや、どういう対処をすれば自分が苦しまないで済むかを考えることが出来ます。

メタ認知することを早いうちから覚えておくと、自分のことをよく観察できるようになるので、精神的に参ってしまう前に、休んだり、距離をとったり、場合によっては自分の思いを伝えたりすることができるようになります。

 

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不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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もっと読む 2025年4月22日 勉強・進路と将来の不安 親として、どこまで関わるべき?春の“ちょうどいい距離”の話 親として、どこまで関わるべき?春の“ちょうどいい距離”の話

2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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学校に行き渋る中学生が強く感じる新年度の「疲れ」の正体 Read More »

不登校生が抱える3学期のプレッシャー

不登校生が抱える3学期のプレッシャーとは? 3学期は思った以上に早く過ぎ去ってしまう

3学期は授業日数が実は少ないです。祝日があるのと、入試関係で学校が休みになります。私立の中高一貫校であれば、中学入試と高校入試があり、そこに卒業式も入ってきて、「また休みか」と思っているうちに年度末の定期考査が迫ってきます。そして、学校でよく言われるのが「来年は●年生」「あと2か月したら学年が上がる」ということです。これがプレッシャーになります。学校に行っていても行っていなくても学年が挙げられてしまいます。そして、次の進路選択の準備が迫られるからです。

前倒しになる進路選択

20年前に比べて、進路選択はかなり早期から子どもたちに迫られます。理由は二つあり、一つはキャリア教育にどの学校も力を入れるようになり、単に「受験」を意識したものではなく、「生き方」を意識した教育が施されるからです。もう一つは大学入試です。総合型選抜や学校推薦型選抜は夏休みあけたら出願があり、年内に合否が出ます。3年生になった時点でもう残り出願まで4ヶ月となり、その時点では受験校をある程度絞り込んでおく必要があります。前倒しされればされるほどプレッシャーを感じてしまい、余計にふさぎ込んでしまう可能性もあります。

学校のペースについていけない場合

進路選択へのプレッシャーは不登校しているしていないにかかわらずかなりのプレッシャーです。その理由として挙げられるのは「自分で考えなさい」と丸投げしておきながら、自分のキャリアや進路を決めていく上で必要になる、情報収集と整理、自己理解、そして意思決定の方法については特に指導がないからです。丸投げされたまま進路希望調査の「提出日」がデッドゾーンになり、とりあえず適当に書いている、という中高生は珍しくありません。

学校のペースについていけない場合は、「保留」することも覚えておくと良いと思います。そして1度決めたらかと言って、無理にそこに固執する必要はありません。

子どもが進路について何も言わなくても

進路に関して何も考えていないということはありません。これまで出会った中高生たちは、自分たちなりに将来について思いを巡らせています。しかし、その思いを言葉にすることに抵抗を感じています。「学校に行っていないのにこんなことできるはずがない」とか「不登校しているんだからまずは遅れたところをやらないと」と自分自身でブレーキをかけている場合もあります。このブレーキを外させることも大事です。「不登校しているけど可能性はある」ということはいろんな形で伝えることができます。

一方で子どもの方は、親に話すべきかどうかはかなり慎重に子どもの方が見極めようとしています。「自分の考えを言ってよいものかどうか」思案している間は、何も言わなかったり、不機嫌だったりします。しかし、これは一つ「言いたいことが言えない」歯がゆさからきている怒りかもしれません。

無理に言葉を引き出すことをする必要はありません。もし子どもの考えを引き出した蹴れば、親御さん自身が中学生や高校生の時にどんな風に考えていたかを話すというのも一つの方法です。「なんだ、お母さんも悩んでいたんだ」とか「お父さんも決めるのに時間がかかったんだ」と思ってもらえれば、しめたもんです。

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中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

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カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

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まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

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ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

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不登校生にとっての冬休み

不登校生にとっての冬休み 冬休みは家族イベントが多い

冬休みはクリスマス、大晦日、お正月・・・と何かと家族で過ごす時間が増えます。夏休みと違って、家族全員がお休みということもあり、ご家族によっては普段は単身赴任していたり、別のところで暮らしている兄弟姉妹が帰省してきて久しぶりに会うという機会もあります。お正月は親戚と集うというご家庭や、旅行に行く予定があるご家族もいると思います。さて、そんななか、不登校しているお子さんはどういう心持なのか、考えてみたいと思います。

家族や親せきとは距離を置きたい・・・

これまでカウンセリングで関わってきた、中高生の方は家族や親せきと距離を置きたいというのが本音のようです。理由は「学校はどうだ?」とか「受験だね」などと学校の話題を軸にした話を振られることが多く、「行ってない」「考えていない」ということを言葉にするのは本人にとっては言葉にしづらいところだからです。

仮に「今は学校には行っていない」と応えると、「どうして」「なんかあったの?」って自分でもどう答えてよいか分からない質問を何の配慮もなく発してきます。そうなるとその場にいたくなくなります。

もちろん、家族の前で堂々と振舞えるお子さんもいるので、一概にはすべてのお子さんがこういう状況になるとは言えません。しかし、不登校の中で辛い状況にあるお子さん、特に不登校し始めて日が浅いお子さんにとっては事情を知っている家族も少ないので、配慮のない言葉に傷つくことになります。

どういう対応が必要か?

必要な対応は主に二つあります。一つは、お子さんの意志を確認することです。親戚で集まるけど出かけるかどうかを本人の意志に任せてください。本人が行かないとなるとその気持ちを尊重する。可能であれば家においていくことにもなります。ただ、遠方に帰省する場合には考えものです。中学生くらいであれば2日くらいは何とか家で一人で過ごせます。現にそういう対応をされたご家庭もあります。食べ物を得られる準備さえしておけば十分です。ただ、精神的にお子さんが不安定な場合は家族の誰かが寄り添って差し上げる必要もあります。

もう一つの対応は、一番の理解者である両親が事情を家族に説明することです。理由は分からないこと、本人も何とか努力をしていることなどを伝えることですね。これもどこまで話すかはお子さんに了解を得てということになります。本人が「何も言わなくていい」とか「自分で説明する」というのであればそれもそのまま本人の意志を尊重して差し上げてください。

普段とは違う雰囲気はチャンスでもある

不登校しているお子さんの日常は傍から見ていると退屈そうに見えます。そういう時にお正月などの場はイレギュラーな場面となります。傷つかないように対策を練ることは大事ですが、何が起きるかは分かりません。実際に家に親せきがいて楽しそうにしていると、「誰にも会わない」と部屋にいた息子さんが下りてきて一緒に食事をすることや、親せきのおじさんの心ない一言が傷にはなりつつも、奮起するきっかけになることもあります。

大切なのは、どういう状況に晒されたとしても、うちの子は大丈夫だ、と親御さんご自身がお子さんの成長にたいして信頼を持っておくことです。

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変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

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だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

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“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

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まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

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ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

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不登校する子どもが持っている1つの共通点

不登校する子どもが持っている1つの共通点 不登校の共通点とは?

これまで不登校に関しては1000に近いケース関わってきました。不登校になったきっかけや原因、

そしてそれまでにどんな対処をされてきたなど、状況は様々なケースがありました。すべてのお子さんに通じるある共通点があります。

一つの共通点をあげるとすると、それは「完璧主義」です。

  完璧主義がもたらす緊張感に苦しめられる

完璧さを求める度合いは人それぞれですが、完璧にできないと次に進めない。完璧じゃないと認められない。こういった考えのもとに

勉強、クラブ、学校行事、習い事、塾 などをこなしていかないといけないという緊張感にあると、

毎日を楽しく過ごせるでしょうか?

むしろ、あれもやらないと、これもやらないと という焦りや自責が募り、結果としてキャパオーバーになる。完璧主義が強ければ強いほど、緊張感も強く、苦しい思いをしている可能性が高いです。

大切なことはありのままの自分を取り戻すこと

私がカウンセリングを通じて行っているのは完璧主義からくる緊張感を緩めることです。

これは結果として、本来の自分、等身大の自分を取り戻す手続きになります。背伸びをやめて、ありのままの自分で生きること。これが生きる力の本質です。

この力をつかむことができると、現状がどんな状況であっても、自分らしく生きていく道を切り開いていくことができます。

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不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

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ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

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雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

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「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

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「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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もっと読む 2025年4月22日 勉強・進路と将来の不安 親として、どこまで関わるべき?春の“ちょうどいい距離”の話 親として、どこまで関わるべき?春の“ちょうどいい距離”の話

2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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不登校する子どもが持っている1つの共通点 Read More »

不登校の日常に希望を見いだす

不登校の日常に希望を見いだす 毎日一緒にいると、悪いところばかりに目が行ってしまう

朝は起きてこない、昼間は部屋にこもって何をしているか分からない。

でも、たぶん勉強はしていないだろう・・・話しかけてもそっけない。

普段一緒に生活していると悪いところばかり目につきます。そして、たいして変わり映えしない日々に「いつまでこの状態が続くのか?」と不安になることと思います。

そのような状況において前向きに動くことは難しく、手を尽くしているけど、成果が上がらないことに絶望感を覚えることさえあるかと思います。

お子さんの変化を見つけていく

確かに、日々の生活のなかでのお子さんの成長は見つけにくいです。

しかし、遡って考えてみてください。不登校になり始めたころと、今を比べるとどうでしょうか?

感情の起伏がへり落ち着いたたわいもない会話を交わすようになった外出するようになった進路のことを口に出すようになった

何かしらの変化を見ることができないでしょうか?もし、全く変化がないというのであればそれは、評価する視点が厳しすぎると思われます。

部屋に引きこもっていた息子が網戸の修理を!

高校生の息子さんが不登校となり部屋から全く出てきませんでした。家族との会話も少なく、食事も部屋で食べていました。しかし、徐々にリビングで過ごす時間が増え、母親だけでなく、父親とも兄妹とも話をするようになりました。

昼間に一人で散歩に行くこともあり、表情も明るくなってきました。そんなある日、網戸の網戸が外れてきていることに息子さんが気づきました。彼は「直すための材料を買ってくるからお金がほしい」と親に求めてきたので、お金を渡して様子を見ました。彼は近くのホームセンターに行って変えるための網と接着剤を買ってきて、網戸の網を変えました。外れていたところだけでなく、外れかけそうな網戸も修理しました。

彼は家に居て外を眺めることが多く、網戸のことが気になっていたこと、一人での散歩ルートにホームセンターが入っており、どうやって網戸を修理したらいいかを店員に尋ねて材料を買ってきたことなどを自らやってのけました。

希望の種をさがす

この家庭が特別何かをしたわけではありません。このお母さまもカウンセリングで「全然だめだ」ということばかりを話す方でした。しかし、少しずつ子どもの変化に目が行くようになり、そのことを嬉しく思っておられたようです。

時間の経過とともに子どもは確実に変容していきます。その違いを日常に中で見つけていくことで、親自身前向きな気持ちを保つことができます。

また、その変化を子どもにフィードバックできれば、なお自身がつきます。もちろん、思春期世代ですから、素直に受け止めずに「別に」とか「そんなことない」としか返ってこないと思いますが、伝えることは大事です。

何気ない日常かもしれませんが、その中にこそ、不登校から脱していくための解決の種がたくさん落ちています。お子さんの小さな変化からも、成長を見いだしていくことができると、親自身もお子さん本人も希望をもって歩むことができるようになります。

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不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

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新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

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ゴールデンウイーク明けの不登校・行き渋り

ゴールデンウイーク明けの学校への行き渋り・不登校 4月は頑張れたけど・・・

ゴールデンウイーク(大型連休)があけると、学校に行くことを渋ったり、不登校になったりする生徒さんが増えます。4月は新しい環境になんとか適応しようと頑張りますが、その疲れが出るのがこの連休です。

これは中学生や高校生に限らず、大人でも起きてきます。4月の無理が5月の連休明けに出る。その連休中に学校や職場と離れてホッとした時に自分が無理していることに気が付いて、「あ~もう頑張れない」という思いに気づくときです。五月病というのがこれです。

自分の無理に気づくことは大切なメタ認知力

自分が無理しているなと気づけるというのは、とても大切な力です。この無理に気づけない人が、心の病になります。むしろ、そのほうが、多いのかもしれません。

連休明けの登校渋り・不登校は学校への適応の第一歩とも言えます。無理をしている自分に気づく、つまり、自分じゃない自分で学校生活を送ることは、学校に行くだけで疲れます。疲れ続けるという状況です。ずっとつま先立ちして、お面をかぶったままありき続ける。つま先立ちをやめることも、お面を外すことも許されない(と本人は思っている)という状況です。

自分の無理に気づいたら、その無理を辞められる良い機会なのです。

なにが無理なのかを突き止める

無理を辞める=キャラを変える ということになります。この切り替えにはちょっと時間がかかります。自分がなぜ無理をしていたか。無理を辞めるということは何をやらないで良いのか?を考える必要があります。

具体的には、友達に話を合わせる、勉強ができると周りに思ってもらう、リーダーシップをとらないといけない、面白いことを言わないといけない、かっこよく(かわいく)見せないといけないと思っている。などです。こういったことが背伸びになって負担になります。本人と話せばもっと具体的なことが分かります。

無理をしないで、学校に行けるようにするためのメンタルを整える時間が必要になります。

無理を辞めることは自立への第一歩

自分が無理をしていることに気づくというのは、自身の主体性があるから見えてくることです。逆に無理をし続ける人というのは、相手への合わせ方、自分の見せ方をいりいろと研究し始めます。後者は相手軸で自分を変えていますが、前者は自分軸で自分を変えようとします。

つまり、無理に気づいた瞬間、相手軸(他者からの評価軸)から自分軸にシフトしているのです。一時的に学校に行かないという状況は生まれるかもしれませんが、子どもの自立にとっては自分の軸を取り戻して、それを確立していくことは極めて重要なポイントなのです。この春の時期にお子さんの状況に何らかの異変があることに気づいたら、自立につ向けて自問が始まっているときととらえて、お子さんの考えや言葉に耳を傾けてさしあげてください。

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こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

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文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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不登校解決に必要な二つの要素

不登校解決に必要な二つの要素 不登校の原因に決定的なものはない

不登校の原因を知りたい、どうしてそうなったのかが分かれば対応の仕方が分かります。しかし、「原因はこれだ!」と決定的なものが見つかることは珍しいです。実際には複数の要因が重なっているということが多いです。学業不振、友人関係、クラスへの不適応、教員との相性などです。高校や私立の中学校の場合は通学時間なんていうのも関係したりします。いくつかの要因はありますが、どれも決定的ではないし、簡単に取り除けるものではありません。

決定的な原因が分からないとしたらどうするか?

決定的な原因は分からないけど、いくつかの要因は分かったとします。しかし、人間関係や学校の環境などの、外部の要因を変化させるのは実際に難しいです。学年が変わると変化する場合もありますが、一年間はクラスも担任も基本的に変わりません。かといって、何もしないわけにはいきません。そこで次の対策として、不登校しているお子さんに行動するエネルギーと思考を持ってもらう必要があります。不登校している生徒さんは自己否定感が強いです。そして思考に偏りがあることもあります。そこへの介入をします。

行動するエネルギーを得るために

行動するエネルギーを得るための方法として休むことが挙げられます。これは初期対応として必要です。ただ、3~6か月もすればこれはもう不要です。体力的な面は回復します。重要なのは精神面のエネルギーです。これは自分を肯定してもらうことで得られます。

学校に行っていない、家で何もしていない自分を肯定することはなかなかできません。親や先生に言われたとしてもそこには何か勉強させようとか、学校に行かせようという意図があるのではないかと勘繰って素直になれません。(実際にそういう意図がなくても)そこでカウンセラーやフリースクールの先生など外部の大人の力が必要になるわけです。「今は学校に行っていないけど、将来は大丈夫だよ」という思いを持った大人が接していくわけです。今の状態を分かろうとしてくれる存在が、生徒さん本人の心の支えとなり、徐々に力を得ていき自信を回復させます。

思考の偏りを取り除くために

思考の偏りとして多いのが「完璧主義」です。学校に行っていない自分はもっと勉強しないといけない、人一倍頑張らないといけないという思い込みがあります。ただ、現実的にはそれはなかなか難しいです。大事なのは今の状況が自分の成長過程だととらえることです。自分自身が大人になるには不登校するという手段をとらないといけなかったんだということ、そしてこの状況は必ず終わりが来るということを思えるかどうかです。

行動するエネルギーを得ることと、思考の偏りを外すことは不登校から抜けだすための両輪です。これを得ていくと、自分を肯定でき前向きな気持ちになり、そして将来に対しての考えを具体的にすることができます。そうなると自然と行動が生まれます。

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不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

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不登校は甘えである

不登校は甘えである 不登校の初期は強い態度で対処しようとしてしまう

不登校を「甘え」と捉えて、学校に行くように強要される親御さんがおられます(特に父親に多い傾向)不登校の初期段階ではそういう解釈になって仕方ありません。身体も元気だし、学校生活にも気になることも見当たらない。なんでうちの子がと思ってしまうわけです。

病気じゃないから、やる気がない、根性がない、わがまま、などと甘えと捉えて、強い態度で臨んで、矯正しようとします。

この対応が間違いだと言い切ることはできませんが、あまり効果的な方法ではありません。

 

甘え=矯正するという考え方が誤り

「甘え」に対して、強い態度で出るのは良くないですが、

不登校は「甘え」なのです。それは、幼少期の子が駄々っ子をこねるような甘えとは違います。

中高生世代の甘えの奥にあるのは「存在の承認」です。

これは幼少期の甘えとは決定的に違います。幼少期の甘えは親にかわいがられることで信頼関係を築くため、その信頼がないと生きていけないところからきています。

中高生世代の甘えは、親の言うことを聞かない自分でも受け入れてくれるか?という自立を前提とした承認欲求からくる甘えです。

思春期の甘えとは?

ちょっと難しいので解説を入れます。中高生世代、思春期は反抗期です。親に反抗することで、自己を確立(自分をみつめる)ということをします。

不登校をしてもしなくても精神的には不安定ですし、身の丈に合わないでかいことを偉そうに語ったりもします。これはある意味、見栄を張っているという見方もできます。

自分自身という存在がこれから人生を歩んでいく上で、自己を確立していって良いか?と反旗を翻しているようなものです。

一方で、自信はありません。だから承認がほしい、その承認を素直にほしいとは親に言えない。

その結果、親に悪態をついて、親を困らせるような行動をします。その一形態が不登校という形をとっています。

不登校にはどんな対応が必要か?

「学校に行きたくない」ということをお子さんが意思表示したら、まずはその理由を尋ねることが大事です。

最初は表面的な理由を言います。対して困っていない人間関係のトラブル気に食わない先生の悪口クラスの雰囲気 などなど

これは本人がその理由をうまく言語化できないために、とりあえずその場しのぎで言っていることが多いです。しかし、その奥には言葉には言い表せないほどの親への承認欲求があります。それをダイレクトに言葉で認めても良いですが、見守りつつ、本人の口から親への感謝や日々の生活のありがたさを言葉にできると良いなと思います。

ただ、不登校している子どもを見守るのはとても忍耐がいる作業です。そういうこともあり、不登校している本人だけでなく、親御さん(特にお母さま)のカウンセリングを私はお勧めしております。

カウンセリングは随時受けつけております。初回は無料です。オンライン、電話、対面など方法も日時も選ぶことができます。ご要望の方このページの一番下の「お問合せ」からご連絡ください。

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不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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不登校生が3学期が苦手な理由

不登校している人が3学期が苦手な理由 冬休みが終わって3学期がスタート

3学期は短く、今の学年の集大成と言うべき時期で、学年末テストや合唱コンクールや球技大会などの行事があります。一方で入試があって高校などは学校が休みも増えます。イレギュラーなシーズンです。不規則なスケジュールは不登校していなくても結構ペースをつかむのが大変です。もし、お子さんに発達の課題がありASD傾向が強ければこういうイレギュラーなスケジュールへの対応は難しいと思います。

3学期のプレッシャー

3学期を終えると新学年になります。そうすると、次の進路のことを具体的に考えていかないといけない思いが強くなります。そしてそれに応えようとすればするほど、自分自身が何もしていない人間に見えて自己肯定感が下がります。

また、スケジュールがイレギュラーなので、たまに登校しようとしても学校行事をしていて会いたくないクラスメイトに会ったり、無理に行事に誘われたりして不安が強まることもあります。3学期に不登校が改善するというのは正直考えにくいです。

学校に行かなくても次の学年に備える

まずは、勉強の遅れを取り戻したいというのが正直なところかもしれません。高校の場合は単位認定や原級留置などとの兼ね合いで補習・補講を受ける必要が出てくると思います。必要であれば通信制高校への転校も考える必要が出てきます。

そして、もう一つの大きな課題が進路です。不登校生の困りごとの大きなものの一つが進路です。これについて考える機会と時間を創ることが必要です。

学校の先生と保護者だけでなく、スクールカウンセラーやフリースクールの先生などといろんな大人と話をすることが大事です。不登校している生徒本人も気づいていないプレッシャーを言語化してそこを緩めることです。

私はここ2~3年は中学3年生、高校3年生のカウンセリングをする機会が増えました。そういう子たちが口にするのは「もっと早くから相談しておけばよかった」ということです。1人で抱えている進路の課題とプレッシャーを支援する人と一緒に考えて軽くしていくことが大事になります。

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不登校とお正月

不登校とお正月 冬休みは不登校しているお子さんにとってどんな季節なのか?

冬休みは、クリスマス、大晦日、お正月と何かとにぎやかな時期です。不登校しているお子さんが苦手な時期でもあります。不登校は学校に行っていない「普通とは違う」状態です。その状態を、親せきなんかに知られることや、そのことで気を遣われることはかなりの負担になります。とくにお正月の親戚のあつまりは辛いものになります。

親せきには会いたくない

お正月に親せきと会いたがらない不登校のお子さんは多いです。事情を知らない親せきから「学校はどうだ?」とか「高校どうするんだ?」なんて聞かれるのが辛いです。

また、同世代のいとこなんかがいると、「同い年の○○ちゃんは、クラブで全国大会に出た」とか「○○大学に合格した」とか、聴いているだけで自分がみじめになるような話題が飛び交います。その場に居たくないというのが正直なところですし、そもそもそういう集まりの場には顔を出さないです。

お年玉もうれしくない?

実際に親せきに会わなかったとしてもお年玉をもらうことはかなり微妙な気持ちになります。お金をもらえること自体はうれしいものの、自分と言う存在を忘れておいてほしいという思い、この1年学校をさぼっていたのにお年玉をもらうような存在ではないという自己否定感もあります。

真面目であればあるほどこういう気持ちが強いです。

不登校生の心の中でおきていること

世間の盛り上がりの外にいる自分を感じます。年末年始の、「この一年も良い一年だった」と言う雰囲気と「新たな一年への希望」もないのです。この一年を振り返ってもとくに何もしていない、そして次の一年についても特にこういうことがしたいという希望を持つことが難しいです。そういう雰囲気とは無関係な状態でいたいというのが本音です。

できれば放っておいてほしい。ただし、ちょっとだけ気にかけてほしいので、「たぶん、親せきの集まりにはいかないだろうな」と思っていても、声をかける。そして「いかない」という応答をもらうというところが肝要です。

普段家で一人で暮らすことが平安な状態なのです。心理的にはその状態がベストです。本人の意思を尊重したうえで、親せきの集まりや家族での旅行や外出に無理に連れて行かないことが大切になります。

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不登校をしている中高生が得ていること

不登校している中高生が得ていること 不登校で得ているものはたくさんある

1自分という存在の確立

2精神的な強さ

3これからの生き方への真剣な問い

4自分と向き合う力です。

学校に行きながらこれらを考えることもできますが、正直いまの中学生や高校生が置かれている状況はとっても忙しいです。宿題やクラブに追われています。友達との付き合いもあります。定期テストもあれば学校の行事もあります。課されていることが多すぎるのです。自分のことを考えるまもなく、次から次へのタスクをこなしているだけで、自分と向き合う暇がありません。

そして卒業が近づいてくると、突然、進路について考えるように言われます。そこで指標となるのが学力です。ただこれは試験をパスするための一つの要素にすぎません。大切なのは何のための進路選択なのか。自分にとってどういう意味があるのか?を明確にしておくことです。ここがあいまいな考えのまま、学力、偏差値だけをみて進路を選ぶことは、不登校するよりもリスクが高いと私は考えております。

1つずつを見ていきます。

1 自分という存在の確立

これが何を意味するかというと、他人の評価を気にしない、顔色を窺わないとうことです。自分の判断で自分の行く先を決めていくことが大事になります。そのためには、自分が自分であっていいという肯定感が必要です。

「自己肯定感」という言葉が最近よく用いられますが、不登校は自己肯定感が下がっているように見えますが、よくよく話を伺うとこれは違います。学校に行かない選択をした自分を認めたい気持ちが強いのです。その一方で学校に行かないことで自分が否定されているのではないか?という思いをもっています。そして、何よりも自分自身が自分を責めています。この自責はとても辛いです。ここを通らずに不登校をすることはほぼありません。ただ、このプロセスが自分が自分であっていいという自分の存在に対する肯定感をもたらしてくれます。この辺りは丁寧に話を聴くことで解きほぐすことができます。解きほぐされた先にあるのは、自分を認めたいという強い自己肯定に対する願望です。ここに気づけたらネガティブな雰囲気を払しょくすることができます。

2 精神的な強さ

上記の項目にも書きましたが、不登校しているお子さんは自責の念が強いです。まじめで、本当は学校に行くべきなのに、それができない自分、みんなが当たり前にできていることができていない自分を無能な人間だと勘違いしています。

決してそんなことはないのですが、他人の言うこと以上に、学校に行っていないという事実が自信を責めさせます。これを毎日やっています。学校に行くと、忙しさにかまけてこんなに自分を責めることはありません。

毎日自分を責めてはへこみ、疲れるという日々を過ごします。時に死にたい気持ちにもなります。そういうことを夢想しだすとより暗い気持ちになってしまいます。

ここに他人の視点を加えます。医者や学校の先生、カウンセラーなどが入ってきて、全く違う考え方をすると目が開かれたように責めることを辞めてしまうことさえあります。または、卒業する、退学するなど「不登校」という状況を何らかの形で終えるとこの日々は終わります。この自責の日々を通り抜けたお子さんの精神力は強く、タフなメンタルを創ります。同時に、自責をもたらしそうな状況を回避する知恵も身につきます。自責はいつか終わります。その時に鍛えられた精神力を得ています。

3 これからの生き方への真剣な問い

不登校して得られる最大のプラス要因がこれです。自分の人生を問うのです。

生きている意味、自分の存在価値、これからの生き方・・・答えの出ないこの問いは誰も答えてくれず、一人で悩むしかない。そして、一人で答えを出すにはあまりにも材料が少なすぎる。そういう中で自責のサイクルに入っていきます。

ただ、生き方を考えているとその問いに対して考える機会が増えるので、アンテナが張られます。結果として自分の興味関心や生き方に影響する情報をキャッチする力が鋭くなります。逆に「これは違う」と棄却できる力も身につきます。自己が確立され、精神的にタフになるとこの真剣な問いにも向き合うことができます。

不登校のお子さんの最大の悩みは進路のことだというのは私の経験から出ていることです。ここさえ解決する、つまり本人が進みたい道を見いだしてくれれば、学力も受験も頑張れます。1人で見いだすことができる場合もありますが、ここでの寄り添いこそ、必要なことでカウンセラーの力が必要になるところであると確信しています。

4 自分と向き合う力

不登校していると話し相手がいません。声には出さなくても人は会話をしています。それが自分自身です。話し相手がいないと自ずと自分と会話する時間が増えます。これが自分と向かう力です。上述の1~3を経ることで意図せずに身につくる力です。

自分と向き合う力は自分をメタ化してとらえる力となります。これはリフレクションする力とも言い換えられます。リフレクションは自分の良いところ、悪いところを改めて見直すことで、次の成長に活かすことができます。この力は客観的で、理性的なものの見方を育みます。特に不登校しているお子さんは感受性が強く、このあたりの感性がするどく、大人が驚くような本質的な話をすることもあります。

ただ、不登校しているお子さんが一人で考えているとネガティブな面にばかり目が行きます。これが過ぎると、うつ病になる恐れもあります。ですから、別の視点を入れて、思考の方向性を変えていく作用が必要になります。

不登校は損ばかりしているわけではない

不登校で得ているものは、社会に出て働く際に、求められる精神力につながるものばかりです。同時に、学校での勉強だけでは得難い、人に対する視点を多用に持つ機会でもあります。不登校しないとこれらが得られないわけではありません。ただ、不登校しているお子さんに関わってきた結果、こういう力をもって、私のもとを巣立っているということを感じています。ここで必要なのは、第三者の介入です。詳しい事情を知らない第三者が話をすることで、今の自分が置かれている状況を冷静に見つめることから始まります。親御さんでもできますが、多くの場合は一緒にネガティブになっている場合がおおく、子どもに関わる心のゆとりがないという場合も珍しくありません。

不登校を親御さんだけで解決するのは荷が重いことであると思います。人の手を借りることで解決に向かうことはたくさんあります。親御さんが抱えている重荷を引き受けるのが私の仕事だと考えております。

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不登校で得られなくなる4つの経験

不登校で得られなくなる4つの経験 不登校をすることで何ができなくなってしまうのか?

子どもさんが学校に行かないという選択をしたことで得られなくなってしまうことがあります。1.勉強 2.友達との交流 3.行事等の共有体験 4.外出しないこと。

この4つです。これら一つずつについて考えていきたいと思います。

1 勉強

多くの保護者の方が一番心配するのがここです。学校に行かないことで遅れてしまいます。中学生、高校生が進路選択をするうえで、一番必要になるのが学力です。その学力を身につける機会が減ることは確かに心配です。ただ、4つの課題点のうち、個人の力で一番何とかなるのが学力です。また、進路選択をすることができれば明確な目標ができます。すると、それまで何もしなかった子どもが、徐々に勉強し始めます。ペースもつかめてきます。もちろん、傍で見ていると全然足りないということも親御さんは感じられるかもしれません。そこをグッとこらえて、本人のペースを守ってあげることができれば、遅れを取り戻す、または受験に必要な学力を備えるための行動がとれるようになります。

2 友達との交流

学校に行かないと友達と会いません。クラブにも行きづらくなります。そうすると友達と会う機会が減ります。特に、不登校を恥ずかしいこと、やってはいけないことという自覚強い生徒さんは交流をしたがりません。SNSやオンラインゲームで連絡とり合うことはあっても、なかなか対面で人に会うというのは不登校しているお子さんにとってはハードルが高い。一方で、友達との関係(時に恋愛)が原因で学校に行かないという選択をしているのであれば、友達付き合いがなくなることで心の調子が整ってきます。これに関しては無理にすすめたり、質問したりしないことが良いです。勉強については実際に取り組むかどうかは別として「やらないといけない」というのは分かっていますが、友達付き合いに関しては、どうしてよいか分からないことも多く、悩んでいるケースが見受けられます。不登校していなくても、中高生にとっては勉強以上に触れてほしくないところでもあります。

3 行事等の共有体験

不登校で失うものとして大きなものがこの共有体験です。これはあとからもう一回というわけにはいきません。運動会、文化祭、郊外研修、修学旅行などです。この経験をしないことは学校での思い出を棄てているといっても過言ではありません。しかし、これは学校に行かせたい側の人間の想いです。実際に不登校しているお子さんにとっては学校行事は面倒臭いものでしかありません。通信制高校などはこれらの行事が任意での参加(参加しない人は別途課題がだされる)などもあります。実際に私が関わっている高校生はコロナで修学旅行がなくなって喜んでさえいました。

同級生との共有体験がないというのは大人から見ればさみしいことではありますが、本人にしてみれば、周りと合わせるストレスから解放されていて意外とスッキリしていることもあります。

不登校しているお子さんの多くは感受性が強く、他人の気持ちが分かります。学校行事は子どもたちだけで企画・準備を進めます。そこでの取り組み方の差に辟易している可能性もあります。行事後に不登校になる生徒さんもいらっしゃるくらいです。本人が出たいという気持ちがあれば良いですが、そうでなければ無理強いする必要はありません。

不登校生が嫌う言葉の一つに「みんなやっているんだから」というのがあります。すでに「みんな」がやっている学校に行くということをしていないお子さんにとっては心に刺さる辛い言葉になります。この点はお気をつけていただきたい点です。

4 外出

不登校をすると、不登校していることを見られたくないので外出が減ります。

親せきや近所の人にも会いたがりません。散髪や歯医者なども行きたがらない。自分の部屋から出てくることも少なくなったりもします。特に不登校の初期段階では人に見られるのが恥ずかしい、学校に行っていないことがばれたら嫌だという思いから外出したがりません。

最近の学校には教室に入りづらい生徒さん向けの教室なども用意されていたりもしますが、登校する時間が違ったり、クラスメイトに会うのが嫌だからなかなか登校しません。ただ、徐々に外出ができるようになってきます。それは本人が自分は不登校であるということを受け入れてきた結果です。もちろん、勉強しないといけない、学校に行くべきだという思いはあるかもしれませんが、「不登校している自分、それでいい」となると外出を厭わなくなります。外出できるかどうかが、不登校の回復の一つのバロメーターになります。

不登校の中では失っているばかりではない

ここまで4つについて考えてきました。ちょっと暗い話になってしまいました。失っているばかりではありません。不登校しているお子さんはこれら4つを棄てでも自分を守ろうと思ったのです。そして、得ているものが確実にあります。

それは1自分という存在の確立、2精神的な強さ、3これからの生き方への真剣な問い、4自分と向き合う力です。学校に行きながらこれらを考えることもできますが、正直いまの中学生や高校生が置かれている状況はとっても忙しいです。宿題やクラブに追われています。友達との付き合いもあります。定期テストもあれば学校の行事もあります。課されていることが多すぎるのです。自分のことを考えるまもなく、進路を突き付けられるのです。あいまいな考えのもとの進路選択の方が不登校よりもリスクが高いと私は考えております。

この4つは今の世界を生きていく上でとても重要な力です。この4つについては別のコラムで解説します。

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不登校は数日休むと回復する?

不登校する中高生がカウンセリングを受ける最適なタイミング 1 不登校の多くはメンタル不調

不登校の多くはメンタル不調が原因です。学校の人間関係トラブル、成績不振や宿題・テストの忌避、自己肯定感の低さなどです。もちろん、体力的疲れているから休むというのもあると思います。

不登校の初期は原因が何か分かりません。数日休んで、気持ちを切り替えて学校に行けるお子さんもいます。休むことも効果的です。しかし、これがいつまでも続くとなると、対処が必要です。初期の対応としては学校に行くように促すのはやっても良いと思います。その時にどう反応するのかで、その後の対応が分かれます。

不登校の対応としてカウンセリングをすすめられることは多いと思いますが、実は最適なタイミングがあります。

2 「学校に行きたくないと」言葉で言えるか?

不登校しているお子さんの表情はさえない表情をしています。中学生や高校生のハツラツとした印象とは程遠く、どんよりしていて、目にも力がない感じです。それでも学校に行こうと準備をするお子さんはいます。遅刻してでも、教室に入れなくても登校しようという意志を持って行動するのです。本人がそうしたいのであれば、親としてはそれをサポートしてあげたほうが良いでしょう。

ただ、注意点としては、「学校に行きたくない」と言葉で伝えてきた場合は、登校の促しは控えた方が良いです。それは、言いにくいことを伝えること自体に勇気がいるのに、それを否定されてしまっては、心の中にエネルギーがまったくなくなってしまうからです。

3 学校に行きたくないと言ってからの対応が分かれ目

「学校に行きたくない」という言葉は意思表示です。その意思を尊重することは、お子さんの人格を肯定することにつながります。

初期の対応の分かれ目はここにあります。学校に行きたくないという意思表示をしたあとにも学校に行くように促すのか、その意思を尊重して登校にはふれず休ませるのか。後者をとってもらうと、登校するしないは別として、表情が明るくなるのは早いです。

行きたくないと言ったのに行くように促すと、反発を生み、結果として家族とも話さず引きこもる可能性が高まります。

4 意思表示があってからの対応でも遅くはない

不登校の初期対応としては、休ませること、そして登校の意思確認が重要です。行きたいのに行けないのか、行きたくないのか、よくわからないのか。いずれにしても、学校に行かない現実はおなじですが、本人が何か意思表示をしてからでも対応を考えてよいと思います。

特に私のような外部のカウンセラーに引き合わせるのは、本人にも相当な覚悟が必要です。「カウンセラーに会わせる」という言い方で親御さんや学校の先生から依頼を受けますが、そういう場合はなかなか心を開いてくれません。本人が意思表示をしたら、「じゃあ対応を考えようか」ということが可能になります。

本人の登校への意思表示があった場合はカウンセリングを受けることで有効にメンタル不調を回復することができます。

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不登校の相談をしたのに「様子を見ましょう」と言われてしまったら・・・

子どもが不登校になったら初めに相談するのは担任の初めとした学校の先生。そしてそこで登場するのがスクールカウンセラー。

多くの学校ではスクールカウンセラー(以下SC)は非常勤です。いつでも相談ができるわけではなく日時を伝えて学校に行きます。

おそらく、担任の先生から前情報が伝わっていますが、詳しいことは親御さんが話すことになります。

学校の時程に合わせて枠が設けられるので1回50分程度の時間での相談となります。

問題はそのSCが話を聴いてどう応答するかです。

たいていの場合は「様子を見ましょう」となります。

スクールカウンセラーに話を聴いてもらって親御さんとしてもんか心が軽くなります。そして、話をしているうちに、「何とかなるかな」と前向きな気持ちも出てきたりします。

そういうタイミングで「様子を見ましょう」と言われるとなんとなくそれでよいのかな、とも思ってしまいます。

様子を見るという対応で、生徒自身がなんか変化して学校に戻るケースもあります。

しかし、中には「様子を見る」という対応は、学校に相談に行く前の段階でずっとやってきていて、親御さんや担任の先生の対応だけではうまくいかないから相談に来ているわけです。

「様子を見る」は間違いではないですが、不登校の状況を改善する選択肢の一つでしかありません。

むしろ、すでにやってきているとなると、何かしら具体的なアクションが欲しいところです。

言葉のかかけたや接し方、時間の使い方に対してどう注意して、どこは許容するのか、勉強についてはなにもしなくていいのか、何らかのフォローアップが必要なのか。そしてそもそも、こんなに長いこと学校を休んでいて、今後の進路をどう考えていけばよいのか。

そんなことが思い浮かぶはずです。

学校に相談して「様子を見ましょう」と言われて、状況がよくならないとか、もっと具体的な行動を起こしたいとかお考えの方はぜひとも無料相談にお問合せください。

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