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カウンセリング

もうすぐ中学3年生になる不登校している息子さんにどう声をかけたらよいか?

受験を控える不登校の息子さんへの声かけ 受験の不安は親も感じて当然

「もうすぐ中学3年生なのに、このままで大丈夫だろうか」「受験のこと、どう考えているんだろう」と、不安な気持ちでいっぱいかもしれませんね。お母さまがそう感じるのは、息子さんのことを心から大切に思っているからこそ。今日は、そんなお母さまに向けて、「受験を控える不登校の息子さんへの声かけ」についてお伝えしたいと思います。

「受験」がプレッシャーであるという前提で話をする

不登校のお子さんにとって、「受験」という言葉自体が大きなプレッシャーになることがあります。お母さまとしては「少しでも将来のために準備を…」と思われるかもしれませんが、息子さんの今の気持ちがそこに向いていない場合、焦らせる言葉は逆効果になってしまうことも。

まずは、お子さんが今どんな気持ちでいるのかを知ることが大切です。こんなふうに声をかけてみてはいかがでしょうか?

「最近、どんなことを考えている?」「受験のこと、もし何か気になっていることがあれば聞かせてくれる?」

このとき、大切なのは「答えを求めすぎないこと」です。話してくれたらラッキーくらいの気持ちで、まずはお子さんが「話しても大丈夫なんだ」と思える雰囲気をつくることを意識してみてくださいね。

受験をプレッシャーにしないための伝え方

もし、お子さんが受験に対して不安を口にしたり、少し興味を示したりしたら、それを受け止めつつ、こう伝えてあげてください。

「どんな道を選んでも、大丈夫だよ」「お母さんは、〇〇の味方だからね」

受験というのは、「どこかの学校に合格すること」だけがゴールではありません。むしろ、「自分のこれからをどうしたいかを考える機会」でもあります。不登校のお子さんにとっては特に、「今すぐ進路を決めなければいけない」と思うだけで気持ちが押しつぶされてしまうこともあります。

ですから、お母さまが「どんな道を選んでも大丈夫だよ」と伝えることで、お子さんは「今のままでもいいんだ」と安心し、自分なりの一歩を踏み出しやすくなるのです。

お母さまご自身のお気持ちも大切に

お子さんのことを考えれば考えるほど、不安になってしまうこともありますよね。「このままではいけないのでは?」「もっと何かしてあげるべきでは?」と、自分を責めたくなることもあるかもしれません。でも、大丈夫です。お母さまはもう十分頑張っていらっしゃいます。

もし、お子さんとの向き合い方に悩んだり、不安でどうしようもなくなったりしたときは、一人で抱え込まずに相談してくださいね。カウンセリングを通して、お母さまご自身の気持ちを整理することも、とても大切なことなんです。

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不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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不登校の中学生 高校生を持つ親御さんに知ってほしいこと

不登校の中学生、高校生をもつ親御さんに知っておいてほしい、子どもの内面世界 不登校のカウンセリングでたどり着くのは「生きる意味」への問い

私が以前に書いた記事で、「不登校の中で苦しくなる問い―生きる意味があるのか?」というコラムがあります。思いのほかよく読まれているようですが、どうやら不登校している中学生、高校生、場合によってあ小学生など、当事者が読んでくれているようです。おそらくこの問いに苦しんでいるのでしょうが、これは誰からも答えを教えてもらうことができず、また、そんな相談を誰かにすると心配されるので、なかなか言葉にできないのだとお思います。

不登校のカウンセリングの表層と深み

不登校のきっかけは様々です。

いじめ、友達とのトラブル、恋愛のもつれ、学力不信、先生との関係に対する不信感など様々あります。これが原因であることもあるので、対処することは必要です。ただ、本当に解決しないといけないのは、本人が抱える漠然とした将来に対する不安です。

その不安がある以上、再登校できたとしても、休みがちであったり、表情はどんよりしていて暗かったりします。

学校で起きた出来事から時間がたち、本人の口からもそのことがあまりでなくなってきたら、次に言うのは「死にたい」とか、「何もしたくない」という生きることに対する否定感です。

生きていても意味がない、ということを納得させようとネットでネガティブな情報をたくさん集めて、妙な知識が増えることもあります。陰謀論や行き過ぎたスピリチュアルな考え方などです。

生きる意味を問いだしたらしばらくこもってしまいます

さらに、この生きる意味を問い始めたら、こもってしまいます。昼夜逆転したうえに、家族とのコミュニケーションも激減します。一緒に暮らしている家族としては、本当に打つ手がなく、なんと声をかけてよいかすら悩む日々になります。

しかし、ここが底です。この状況から出てくるのに、数週間から数か月かかりますが、ここを抜けると、不登校と引きこもりはほぼ終わります。再登校はしないかもしれませんが、生活リズムが徐々に戻り、食欲も出てきます。回復の一つの目安は自然な笑顔です。これが出てくると、前を向いている状態です。

ただ、ここまでの間が本当に苦しい。親も子も苦しいのです。

苦しい期間をどう乗り越えるのか

生きる意味を問うている間は苦しい期間が続きます。親にとってもどうして上げてよいか分からない、八方ふさがりの状態になります。この間、カウンセリングを受けて、親の不安を徹底的に言葉にして乗り切ります。夫婦で話せばよいと言ってもけんかになることがあります。親子でけんかしている様子が不登校しているお子さんに伝わるのは余計に「自分のせいでお父さんとお母さんがけんかしている」と不安をあおってしまいます。

そうならないためにも第三者の介入が必要です。カウンセラーが持っている「大丈夫」という思いを親御さんにも持っていただけると、お子さんの回復によい効果をもたらします。そして、親がカウンセラーにつながっていることで、お子さんがこもっている状態から脱した時に「私もカウンセリングを受ける」ということになります。そのカウンセリングは自分がどんな辛いところを通ってきたか、そしてどれだけ親に対して怒りや憎しみを持ったかなど親に話しづらいことも言葉にしていきます。ここまでくれば、ほぼ回復していると思ってよいです。

不安を飲み込まずに言葉にすること、とても大事なことです。感情の言語化は心の命綱でもあります。

お子さんが話さない、こもっていてどう対処してよいか分からないという場合はぜひとも、無料相談をご利用ください。

無料相談をご希望される方はこちらからお気軽にお申し込みください 無料相談のお申込み 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

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不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

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そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

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近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

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まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

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ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

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不登校している中学生の進路をどう考えるか?

不登校している中学生の進路をどう考えるか? 中学卒業後の進路の選択肢

主に高校が挙げられますが、高校以外にもたくさんあります。

高等学校

高等学校は、一高等学校では、普通科、専門学科、総合学科などの異なる学科があり、自分の興味や進路に応じて選択することができます。

普通科: 一般教養を中心に学び、大学進学を目指す生徒に向いています。 専門学科: 工業、商業、農業、看護など、特定の分野に特化した教育を提供します。 総合学科: さまざまな科目を選択し、幅広い学びを得ることができます。 また、通信制、単位制、定時制など学びのスタイルも多様に用意されています。

高等専門学校

高等専門学校(高専)は、5年間の一貫教育を提供する学校で、工学や技術分野に焦点を当てています。中学卒業後すぐに入学し、高度な専門知識と技術を習得することができます。大学への編入も可能です。

メリット: 実践的な技術を学ぶことができ、就職に有利。 デメリット: 特定の分野に特化しているため、興味が変わった場合に転校が難しい。

専修学校・専門学校

専修学校・専門学校は、特定の職業や技術を習得するための教育機関です。短期間で実践的なスキルを身につけることができ、就職に直結した教育が特徴です。高卒の資格を取ることも可能です。

メリット: 就職に直結したスキルを短期間で習得可能。 デメリット: 学んだ分野以外の職業に就く場合、スキルが転用しにくい。

就職

中学卒業後に直接就職する選択肢もあります。この選択肢を選ぶ学生は、早期に社会経験を積むことができ、経済的に自立することができます。

メリット: 早くから社会経験を積み、収入を得ることができる。 デメリット: 学歴が高くないため、選択できる職種が限られることがある。

それぞれの選択肢には独自の利点と課題があります。今はあまり選択する人はいません。

このほか、海外への留学を考えるという方もいます。

選択肢は与えても決めるのは本人

不登校の中学生のお子さんにとって進路の問題はかなりの重圧です。しかしながら、本人が意思表示を示さないから、親が決めてよいものでもありません。

とはいえ、何もしないで様子見・・・というわけにもいきません。どういう進路をとるにしても、願書締め切りや試験日など、「期限」があります。

焦らせてもよくないのは分かっていても「早く決めてほしい」というのが親御さんの本音だと思います。進路については、何をやって何をやらないのか、という取り決めが重要になります。

 

進路について親はどこまで口を出すべきなのか?

親がやるべきこととしては情報収集と提案です。本人の進路だから、本人に調べさせたいというのはあると思います。不登校している中学生の場合は、友達や学校から入ってくる情報が少ないです。塾に通っている場合は塾の勧めもあるかもしれませんが、高校がどういうものか、さらにはそこを卒業したらどういう将来が待っているのか?ということについてはなかなかイメージが持てません。

情報を収集して、提案するところまではしてもよいと思います。その際に、親が情報を餞別する、ということもありだと思います。

通信高校を選ぶにしても、活動的な学校か、静かな学校なのかはお子さんに状態や性格によって違います。事前にどういう学校が良いかを話し合うことができていればそれに見合った条件に絞っていくこともできます。

ただし、決定するのは本人であるということはかわりません。そのことは情報を提示するごとに伝えないと、お子さん自身が「親はここにってほしいのか?」と早合点してしまうおそれもあります。情報を提示する際は複数の学校を同時提示すると、「親の意図」を勝手にくみ取ってしまうことを軽減できます。

大事なのは親子のコミュニケーション

進路の話は本人にとって重いものです。重い話ができるというのは、普段から軽い雑談や、言葉は少なくても、家族の動向の情報などを知らせておいて、親子のコミュニケーションの頻度がある程度ある、ということが重要になります。

もし、お子さんとのコミュニケーションに困っているのであれば、下記にある声がけ集をヒントにコミュニケーションの頻度を高めてみてください。

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不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

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💬 今日のひとこと(格言)

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「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

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まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

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“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

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特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

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そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

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不登校の対応がどうして難しいのか?

不登校の対応がどうして難しいのか? 不登校対応の難しさの理由

お子さんが登校をしぶるようになってから、ご相談をされる親御さんが「何をしたらよいですか?」と尋ねられます。

目の前で苦しんでいるわが子を見て何かしてあげたいというのが本音だと思います。しかしながら、不登校対応はなかなか難しいのが現状です。その一つが「個別性の高さ」です。

書籍やネットの記事にある情報から対応策を得ても、なかなかうまくいきません。場合によってはそれが逆効果になることさえあります。

あるお子さんにはうまくいく方法が別のお子さんでは全く通用しないということや、同じお子さんでも中学1年の時にはこれでうまくいっていたけど2年生になると通じなくなった、なんてことがあります。

個別性が高いからこそ、しっかりと看取る必要がある

不登校になるとカウンセラーをすすめられる理由が、今お子さんが置かれている状況をしっかりと看取る必要があるからです。

カウンセラーは話を聴いているだけだと思われがちですが、表情や来ている服、話し方や動作などあらゆるものを観察しています。

言葉以外の情報からも、お子さんの状況を看取ります。または、言葉では「学校は嫌い」と言いながらも、学校のことばかり話す人や、友達の話を良くする人などは、言葉で言っていることと、心の底にある気持ちが矛盾していることもあります。(これは本人も気づいていないこともあります)

そういった矛盾点なんかからも情報を得て、見立てていきます。この見立ての精度が上がれば上がるほど、対応策が効いてきます。良い対応をするためにはある程度の時間と、面接する回数が必要になります。

親御さんの見立てと、カウンセラーの見立て、それ以外の情報などを情報を共有していきながら、徐々に本人が言葉にできない内面の苦しさや、これからどうしていきたいか、ということを考えていきます。

複数の目でみるからわかることがふえる

ただし、どれだけ凄腕のカウンセラーでも、お子さんと面接する機会も時間も限られています。親御さんが普段みている情報もないと、よい見立てはできません。

親だけでもカウンセラーだけでも偏った見方になりますが、複数の立場の違う人が、見ることで見えてくるものが必ずあります。

そして見る人によって「違う」意見が出ることが大事です。オープンダイアローグを日本で推進されている精神科医の斎藤環先生は「専門家でも意見が異なるということをクライエント(患者さん)に見せることが大事だ」とおっしゃられました。

学校での様子と、家庭での様子が同じということはありません。家庭においても、母親と接するとき、父親と接するとき、兄弟姉妹と接するときにお子さんの態度は違います。

複数の目があることで本人の中にある「多様さ」を互いに知り合うことも、お子さんの理解をする上で、そして対応策を考えるうえで重要な要素となります。

 

個別性が高くてもこれだけは守ってほしいこと

 

大事なことは、どれだけ周りの大人が不登校で苦しんでいるお子さんのことが分かったとして、先回りして、結論をだしたり、今後の方針を決めたりしないことです。情報提供までは良いですが、選択、決定についてはあくまで本人にゆだねることです。

これまで、いろいろなケースのカウンセリングをしてまいりましたが、この1点についてはブレたことがありません。逆に言うと、どういう状況でも本人に選択・決定をゆだねていく、というこさえ守っていけば、状況が改善していくということでもあります。

お子さんの状況をみてもどかしい気持ちになることもあると思いますが、カウンセラーの多くが「見守ってください」とお願いするのは、本人が決めるまで待つ、という姿勢が、不登校から抜け出していくうえで欠かせない要素だからなのです。

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不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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もっと読む 2025年4月22日 勉強・進路と将来の不安 親として、どこまで関わるべき?春の“ちょうどいい距離”の話 親として、どこまで関わるべき?春の“ちょうどいい距離”の話

2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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不登校の対応がどうして難しいのか? Read More »

お子さんへの対応を上手くできない自分を責めないでください!

お子さんへの対応を上手くできない自分を責めないでください! 正解を求めて、子どもへの対応を学ぶと辛い?

お子さんが、不登校や学校に生き渋るようになって、「どう対応したらよいか?」を悩んで、ネットを調べたり、学校のカウンセラーに相談したりすることがあります。そうすると、

・話を聴いてお子さんの思いを受け止める・良いところを見つけてお子さんをほめる・学校のことはわきに置いて雑談する(無理に学校にいかせようとしない)

と言ったことを助言されます。最初のうちは「そうか、やってみよう」ということになりますが、生き渋る期間が長くなったり、学校に行かない日々がつづくと「本当にこれで良くなるの?」と思ってしまいます。そのうちだんだん、嫌気がさしてくることもあります。

間違ったことを言っているわけではないが・・・

お子さんの話を聴くこと、お子さんをほめること、雑談をすることなどは、私もよく言います。ただ、それができないことや、やってみたけどうまくいかないこともあります。

すでに「そんなことは知っているんですけど」という顔をされることもあります。不登校になったお子さんへの対応としては間違ってはいません。

お子さんに対して「〇〇してあげてください」と助言するのは難しくありませんが、実際にその当事者であるお子さんを前にして、親御さんができるか?と言われるとなかなか難しいです。しかも、一生懸命にお子さんに関わろうとする人ほど「助言をもらったのにできなかった」とご自身を責める傾向にあります。

しかし、大事なのはその助言に従ってお子さんに関わる、お母さま、お父さまの気持ちに目が向いているのか?というところです。

お子さんにできないときは、自分がしてもらうとき

たとえば、話を聴くということについて、お子さんの話を最後まで聴くことができない、というのは、自分の方が聴いてもらいたいことがある場合があります。相手の言い分が身勝手で、まったくもって配慮に欠けたものだとすると、イライラして「いい加減にしなさい」と言い返してしまいたくもなります。(ここで言い返すとせっかく話してくれている、という現実があるのに、関係性に緊張感が生まれて台無しです)

仮に言葉にしなくても、子どもの方は「なんかお母さん、イライラしているな」と感じて話そうと思っていたことも話せなくなることもあります。

人の話が聴けないときは、自分が聴いてもらいたいときなのです。

コップにいっぱい水が入っているとそれ以上、入れることはできません。これと同じで自分の中に話したいことがあるときは、それ以上入りません。むしろ、あふれてこぼれてしまいます。そうならないために、自分の頭の中にある思いを外に出す場をもつことはとても大事なことなのです。

「できないから駄目」ではなくて、「できない状態にある」だけである。

話を聴くにしろ、ほめるにしろ、お子さんに関わっていて「もう無理だな」とおもったら、無理をせずに、話をしたり、ほめてもらう場面を作ることが大事です。

カウンセリングでは話を伺い、その方がお気づきでない、できている点を承認することはあります。また、不登校の親の会などのあつまりで同じような境遇にある人、かつてそうだった人に話を聴いてもらい、共感を得ることで力を得ることもできます。

助言を受けたことを上手く対処できないときは、自分をダメだとたたくのではなく「今はそれができない状態である」という認識のもとに、できるようになるために、自分を整えることが大事です。

助言を受けにいき素直にそれを実践しようとされただけでも素晴らしいわけです。そしてそれがうまくいかないな~と感じたら、今は自分がかかわってもらう状態なんだ、と気づいていただければ、自分を責めることを減らせます。

どうか、「できないからダメ」と決めつけてご自身を責めることがないように。

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吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

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新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

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近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

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今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

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不登校している子どもが抱く罪悪感

不登校している子どもが抱く罪悪感 不登校している子どもの心の中

不登校している子どもの多くは、心の中で自分を責めています。学校に行けない自分をダメな奴だと責めていると同時に、情けない思いがあります。特に、不登校し始めたころは、学校に行かないことで得られる安心感よりも、行けない自分がこれからどうなるのか、不安でいっぱいになります。

そして、「どうしてこうなったんだ?」と自分への問いを繰り返します。この問いが本人を苦しめます。それは答えがなかなかでないというのもありますが、よくないことばかりが想起されてしまうからです。

不登校している子のさえない表情、顔色の原因は主にこれにあります。ただ、これは無意識的に繰り返されるので、言語化されていないことが多いです。言葉で説明できないから「わからない」「別に」「どうでもいい」といったぶっきらぼうな応答が返ってきてしまうのです。

ゲームとネットは現実逃避

不登校しているお子さんが、罪悪感に苛まれているからと言って、勉強したり、規則正しい生活ができたりするわけではありません。私が相談を受けるお子さんの多くは昼夜逆転を経験します。その時間は、ゲームをしているかネットをしているか、ということです。

この様子を見ていて、腹立たしい気持ちになる親御さんも少なくないと思います。

あるとき、あまりにも生活の乱れがひどいので、スマホを取り上げられた高校生がいました。するとその子は、食事すらとらないで、トイレ以外はベッドから出ないということになり、余計に元気がなくなりました。それまで数回実施できていたオンラインでのカウンセリングもできなくなってしまいました。

現実の辛さを逃避するすべを失ったことでよけいにつらい気持ちが増して、苦しくなったようです。その後、彼は夜の11時以降はスマホをリビングに戻すことを条件に、スマホを返してもらい、昼夜逆転も治り、徐々に元気を取り戻しました。

子どもの罪悪感を取り除くには

子どもが自分を責めていることに気が付く必要があります。そして、自分がどういう思いでいるかを言語化していくことです。

しかしながら、ここまで一足飛びに行くことは稀です。時間がかかりますし、その間、ゲームやネットに依存する時期があったり、親と口をきかない時期があったり、生活が乱れたり、無気力になって「死にたい」とか「生きている意味がない」という発言をしたりします。

これに対応するのは、いくら大人でも大変です。一緒に生活している親であれば何もなくても心配な気持ちが余計に増してしまいます。しかし、そこで、子どもの行動、言動に一喜一憂せずに、「これはプロセスだ」という思いで過ごすことが肝要です。

見守るというのが一番のストレス

とはいえ、、子どもが学校に行かずに、反抗的で生活も乱れているとなると、それを「大丈夫」とおもって見守れる親はそうおられません。あるとき「この見守るっていうのが一番のストレスなんです」と言われたお母さまがいらっしゃいました。ごもっともだと思います。この「本音」を吐き出す場が大事です。毎月子どもの愚痴を吐きに来られるお母さま、不登校の親の会で、互いに状況を語り合うご夫婦など、さまざまいらっしゃいます。

子どもの本音、しかも本人が気が付いていない本音を言葉にするのは、容易ではありません。しかし、親御さん自身が本音を言葉にする機会を多く持ちさえすれば、その心のゆるみやゆとりが、お子さんにも影響して徐々に、気持ちが緩んできます。

子どもの罪悪感を引き起こしているものの一つが、「緊張感」です。この緊張感を緩めることが、不登校のお子さんを持つ親御さんにできる「見守り」であると私は考えます。

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こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

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不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

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新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

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まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

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治そうとすると治らない不登校の不思議

治そうとすると治らない不登校の不思議 不登校の治るとは?

不登校を何をもって治るとみなすかは難しいところです。登校することを目指すこともあるようですが、登校といっても、別室登校、遅刻や早退を伴う登校、放課後の登校、クラブ活動だけの登校などいろいろとあります。

私が「治る」と考えている基準は、具体的な将来をイメージできるようになることとしています。その過程では、自己決定ができること、ちょっとオーバーな未来を描くこと、日常生活が安定することなどがあります。どういう順番で来るかは人によっては異なります。ただ、その過程を早く取り入れようとか、将来を早く決めてもらおうという焦りをもってかかわるとうまくいかないのです。

「治る」ことに執着すると治らない

たとえば、不登校から脱しようと、いろいろな働きかけをすると、かえって回復が遅くなります。それは、「力み」が生まれるからです。

不登校の多くは身体的には元気だけど、なんだか分からないメンタルの不調を起こしていることがほとんどです。心の不調は、「良くしよう」」と力むことによって、かえって、自分ができていないことに目が向きやすくなるのです。

目標を「治る」ことにおくことは大事ですが、日々の生活ではできるだけそのことを忘れているほうがプレッシャーなく過ごせて、回復が早まるのです。

先のことを考える前に、今を肯定していく

治ることを具体的な将来のイメージを持てること、とお伝えしましたが、そういいながら、日々の生活は逆で、「今、ここ」の状況を肯定していくことが大事です。すでにできていることや、日々の生活が順調に送れていることを肯定的にとらえます。

その肯定感がはぐくまれることで、徐々に将来を考える力が付いてきます。もちろん、昨日できたことが今日できない、ということもあり、一喜一憂することもありますが、全体として「良くなっている」と関わる側は思っておくことも大事です。こういう心構えを持っておくと、子どもの良い面を見つけたり、微妙な変化を感じ取り、肯定的な言葉がけをたくさんすることができるようになります。

 

心の世界の逆説

心の世界は逆説的です。実際に逆説療法というものもあるくらいで、これが結構、功を奏すことがあります。「治そう」とするとかえって力んでしまい緊張感が生まれます。心の病の多くは緊張によってよくなることはありません。不登校も同じで、学校に行かない自分を責めていること、そして言葉にはしないけど「責められるかもしれない」という緊張感の中にいます。そんな中で「いつから登校するの?」とか「勉強しないで大丈夫?」などの心配の声掛けをすると、余計に緊張して、自分を責めてしまいます。

この自分を責めることをやめさせるには、リラックスすること、その場にいても安心できると思えることが大事です。緊張感を取り除くために「力み」は逆効果になります。「治らなくていい」というよりも「もっと悪くなるにはどうしたらよいか?」と逆を考えてみるとよいです。その働きかけをしなければ、悪くなることはありません。

逆説的な考え方に基づいて、関わり方を再考してみるのもよいかもしれません。

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不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

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不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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治そうとすると治らない不登校の不思議 Read More »

不登校のお子さんが傷ついてしまうNGの問いかけ

不登校のお子さんが傷ついてしまうNGの問いかけ 会話のきっかけは問いからスタートしている

会話の中には多くの問いかけがあります。「お昼ごはんどうしようか?」、「は?」などの問いかけです。日常的な会話の中で何気なく問いかけたものの中に、子どもが「ウっ」となって心に思いもをの感じてしまうものがいくつかあります。特に、不登校しているお子さんは、すでに心にダメージを負っているので、問いかけたことで不機嫌になったり、黙り込んだりと「不快」な態度を示します。代表的なものとしては、「明日学校どうするの?」「今日は学校行くの?」というのがあります。生き渋っている段階ではこれを問うことは起こりえますし、問うことで、子どもの意識が登校に向くこともあります。しかし、ある程度休み続けているとこの問いは過酷な問いになります。これから逃れるために、本心では全く行く気はないのに「明日は行くよ」と応えることもあります。しかし、実際にはいきません。それは、その場しのぎの応答だからです。

他にも親にきかれたくないことが、あるようです。実際に中高生のカウンセリングをしていてその声をもとにした問いをいくつか紹介いたします。

「じゃあ、どうするの?」

「学校に行かない」「高校を退学する」「進学はしない」「働きたくない」などなど、不登校が長いお子さんは、親にとって心配になる言葉をどんどん発してきます。お子さんと同世代の子が普通にとっている選択をしない、そうすると親にしてみても、どういう未来があるか分からない、だからつい「じゃあ、どうするの?」と聴いてしまいます。

この答えがすぐに出てくるお子さんはまずいません。自分を苦しめている、現状や将来の選択肢をいったん遠ざけるための発言で、別にどうしたいというのはありません。

つらい状況にあるお子さんはまず「休みたい」というのがあります。不安や心配を処理することすら難しく、とにかく何も考えずに「ボーっとしたい」というのが本音です。先のことを考える余裕はない中、とりあえず、自分を保つため、自分を守るために、不安の種を遠ざけているのです。

しっかり休むことができれば、「じゃあ、どうするの?」と問わなくてもそのうち「こういうことを考えている」と言い始めます。親を不安にするようなことを言ってきたときは、「あなたはそう考えているのね」ということで、否定も肯定もせずにとりあえず、その考えをいったん受け止めます。ここで大事なのはそれを、その場で了承する必要はないということです。こっちも考えてみる、ということで結論のないグレーな状態を作ることが大事です。

「何かしてあげられることはない?」

子どもが苦しんでいる姿をみて、親として何もしないでいることはとてもつらいことです。何かしてあげられることがあれば、手を尽くしたいと思う気持ちもあります。

思春期の子どもとしては、親に甘えたい気持ちと、かまってほしくないきもちを行ったり来たりしています。それゆえに不安定になっているというのもあります。それならなぜ、構おうとすると、いやなのか?ということですが、「自分から」言いたいというのがあります。反抗期というのは、反抗することが目的で、合理的な発想よりも、親の言うことを聞かない態度が勝ちます。ですから、親の提案に乗るのではなく、自分から依頼したいという自立心です。ただ、その勇気はないです。だから、いつまでたっても何も言ってこないし、見ていて不安になるし、手助けしたくもなります。一つできることして、「何かしてあげられることがあれば、いつでも言ってね」とあらかじめ伝えておいて、子どもが言いやすい状況を作っておくことです。

不登校の親子のかかわりは我慢なのか?

こういうことを講演やセミナーで話すと必ずと言っていいほど「じゃあ、親が我慢しないといけないんですか?」という質問や感想をいただきます。そこで尋ねるのですが、親は何を我慢しているのでしょうか?ということです。不登校のお子さんにたいするかかわりは、不安からきています。もちろん、不安を感じて当然なのですが、その不安を子どもに立ち直って解消しようという焦りが、子どもに伝わります。この焦りこそが子どもの不快の原因です。この焦りの我慢を子どもにぶつけていては、子どもは不安なままです。

親の不安は親自身が引き受けて解消していく必要があります。世間には不登校の親の会や、行政や学校などの相談窓口もあります。スクールカウンセラーも利用できます。そういうところで話をして不安を解消してみてください。それでも難しい場合は、私のような民間のカウンセリングも利用してみてください。学校でも行政でもない、そして第三者の専門家としてお話を伺い、何らかのアドバイスをすることができます。

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不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

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子どもが不登校になったら、 親は何をしてあげればよいか?

子どもが不登校になったら、親は何をしてあげればよいか? 「どうしてあげればよいですか?」

不登校になった、またはなりそうだという方からのお問合せをいただくことがしばしばあります。

皆さん、悩まれているのは、親として何ができるか?ということです。子どもが困っているので、何かしてあげたい。でも何をしてよいのか?ということが明確ではありません。「病気」とちがって、医者や薬といった、頼り先もあいまいです。

そこで、不登校になったら最初に何をすべきなのか?ということを考えてみました。

不登校のお子さんが最初にしてほしいこと

子どもが真っ先に求めているものは、休息です。とにかく休むことです。不登校を発熱だと考えてみてください。発熱したお子さんに必要なのは休息です。同じです。心の不調であろうと、身体の不調であろうと、必要なのは休息です。

では、どれくらいの休息が必要なのか?と言われると、これも発熱と同じで症状によります。微熱であれば1~2日で回復しますが、高熱であれば数日、病状によっては入院も必要になります。不登校で入院というのはあまりありませんが、調子が整うまで休息が必要になります。

休息の条件

休息が必要といっても気を付けないといけません。休息するにしても、登校するプレッシャーをゼロにするということが必要になります。具体的に見ていきます。

・登校を促さない。学校に行くかどうかを尋ねることが子どもにとってはプレッシャーになります。これ以上、問われたくないから「明日は行くよ」と言ったりしますが、それはその場しのぎの答えで、まず行くことはありません。「学校に行こうかな」と言い出したら、多くの場合は背伸びです。「もうちょっと休んだら」というくらい言ってあげてもよいです。ちなみに登校しだす場合は、多くは何事もなかったかのように普通に準備していくことが多いようです。

・学校との連絡を極力減らすこと。熱心な先生ほど、毎日電話をかけてきて「調子はどうだ」と尋ねてきます。先生には、「学校にきなさい」という意図はなくても、学校から連絡があれば子どもは、そういう風に意図をくみ取ってしまい、プレッシャーになります。しばらく連絡しない、連絡があれば親が間に入って対応します。

・自分で自分を責めたり、焦りの気持ちを極力和らげる。「学校に行かねば」「勉強が遅れてしまう」という焦りを、親や学校からのプレッシャーがなくても自分で自分にプレッシャーをかけている場合があります。そのプレッシャーからの逃避で、一時的にネットやゲーム依存になることもあります。自分でかけているプレッシャーを緩めるには、勉強は後から取り戻せるということ、不登校をした多くの人が、大人になり、社会に出ていけているという事実をお伝えすることで軽減できます。

休息の先にあるもの

どれくらいの期間の休息が必要なのかは誰にもわかりません。本人も分かっていないです。しかし、この休息期間を経ると、家で日常を取り戻します。ときどき「学校に行かないこと以外は普通なんです。」とお話しくださるお母さまがいらっしゃいますが、ここまでくれば、次に進むことができます。日常を取り戻すところが、不登校から脱していく一つの目安になります。

その時、子どもは「しんどい」ということばよりも「ひま」「やることない」「退屈」と言ったりします。そこで「それなら学校行きなさい」と言わずに、「あーそうなの」と子どもが言ったことを足しも引きもしないでそのまま受け止めてあげることが肝要です。

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吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

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春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

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不登校の中学生の悩みの根っこにあるもの

不登校の中学生の悩みの根っこにあるもの 不登校の悩みの根っこにあること

これまで多くの不登校をしてる中学生、高校生のカウンセリングをしてきました。はじめは学校の愚痴や親への文句などが出てきます。そういうことを一つ一つ聴いていき、親御さんにもフォローをいれて、徐々に家族の関係性が変わってきます。

しかし、学校に行かない、勉強しないという状況は変わらないままであることがあります。

「どうして勉強しないのか?」とは直接訪ねませんが、学校や勉強のことをちょっとずつ尋ねていくと、最終的には自分の進路の話にたどり着きます。ここが悩みの根っこです。中学生はまだまだ社会のことがわからないことと、さらには「高校に行けなかったらどうしよう」という思いもあり、高校生以上にこの進路の悩みを重く受け止めているケースが多いです。

将来を考えるうえで大事なこと

「進路」というとその先の進学や就職のことになりますが、実はまだこの言葉も表層です。進路の問題の奥にあるのは、自分自身の存在や生き方の問題です。不登校している状態に至るにあたって、自己肯定感が下がり、将来に対する悲観的な考えや、自分自身の存在に対する不安を抱えています。「私は生きていてよいのか?」「ここにいてよいのか?」という答えの出ない問いを延々考えます。しかも、お子さん自身もこの問いを言語化することができずに苦しんでいます。このネガティブな思考のループを言語化できると抜けだすことができますが、そうじゃない場合は、なんだかわからない重苦しい気持ちのまま、どんよりとして、不機嫌そうに生活します。話しかけてもそっけない応答しかありません。特に中学生はここの言語化はなかなかできません。

こういう状態の時は、最低限のコミュニケーションにして、放っておくのが一番です。このようにアドバイスるすると「でも、本当に何もしないんですよ」と親御さんの心配な声が聞こえてきます。確かにその通りなんですが、ここがポイントで親御さんの心配を子どもの行動で解決しようとしないことが大事です。親御さんがお子さんのことを心配するのは当然です。しかし、その心配は親御さんご自身が解決する必要があります。

 

親御さんの不安の解消法

親御さんの不安の解消をするためには、ご自身がどんな不安を感じているかを言語化することです。ご夫婦やご自身の親に話を聴いてもらうのが良いです。

しかし、話を聴いてもらうだけで、アドバイスや意見は求めないことです。これは弱さをさらけ出した人をさらに鞭打つようなことになり、悩みを打ち明けてアドバイスや意見されることで余計に傷ついてしまいます。子育て論や話を聴いた相談相手の成功談など、説教されるのは論外です。ここが家族や友人の相談とカウンセリングの違いでもあります。

カウンセリングであれば、守秘義務も守られたうえで話をして、否定も肯定も、意見もされずにただ話しっぱなしということができます。余計なアドバイスもありません。ご夫婦でカウンセリングを受けられたり、親子で一緒にカウンセリングを受けられるケースもあります。ご家族の誰かが不安を一手に引き受けるのではなく、家族で共有してしまうと、不安を引き起こしている問題自体はすぐに解決しなくても、その重さや深刻さはかなり解消されます。

 

まずは心の土台づくりから

不登校のお子さんの悩みが「進路」にあるからといって、学校に行かなくなってすぐにその話題を振ることは、子どもにとって非常に重荷になります。まずは、今日明日、今現在の自分のことで精いっぱいで、将来のことなんか考えることはできません。まずは、漠然とした不安・不満を解消するべく、休むことが大事になります。そもそも、お子さん自身も進路や自分の生き方で悩んでいるということ自体を意識していません。

下手に話題をふると、お子さんがプレッシャーを感じてしまい、思いついたかのように、目標を述べて学校に通いだしたり、勉強しだしたりします。しかし、心が重苦しい気分のまま将来を考えて、何か行動しても長続きしません。むしろ、これをやられると、不登校・引きこもりが長期化する恐れもあります。

心の土台ができるまでには時間がかかるかもしれません。休んだり、ちょっと出歩いたり、医療やカウンセリングにつながったりして、先が見えない不安をかかえることもしかりです。しかし、その状況は結果ではなくて、次に向けたプロセスなのです。

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こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

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2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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不登校の中学生の悩みの根っこにあるもの Read More »

子どもが学校に生き渋ったらどんな対応をするべきか?

子どもが学校に生き渋ったらどんな対応をするべきか? 長期休み明けは、学校に行きたくないと思う子どもはすくなくない

夏休みや冬休みなど、長い休みがあると、学校に戻るのがしんどいです。生活リズムが戻っていないということから、眠気や体調の不調を訴えることもあります。体一方で、体調には問題はないけど、なんだか学校に行くことを渋るようなところがあると、ちょっと困りもんです。体調の問題であれば、少し時間がたつと徐々に解決します。遅刻や早退、欠席しても不登校になる可能性は少ないです。しかし、理由なくいきたくないというのは不登校の兆候です。学校に行く用意はしているけど、朝になるといけない、行きたくない、そもそも起きてこないなどがあると無理に学校に行くことを促すよりも休むことを優先した方が良いです。

学校に行きたくないと言ってきた場合

夏休み明けに「学校に行きたくない」といった場合は、とりあえず、すぐには理由を聞かずにいったん休ませてください。夏休みの最終日に「明日から学校だ、どうしよう」という思いで緊張して夜を過ごしています。そして、いよいよ朝になって「やっぱり無理だ」と思っても「親に言ったらどう思われるか?」というとっても緊張した状態です。その緊張状態を少しでも緩める必要があります。そのためには、まずは理由を聞かずに休ませることです。そして、すこし間をおいてから理由を尋ねるようにしてみてください。

学校に行きたくないと言ってきたときに「やってはいけない対応」

子どもにとって「学校に来たくない」ということを体調以外を理由に親に伝えることはとても勇気のいることです。そして、自分の理由が筋が通らない(または理由がうまく説明できない)ということは子ども自身が理解しています。そこを責めて「とりあえずいきなさい」と無理に送り出すことは良くないです。

特に、夏休み明けの9月は、中高生の自殺が増えます。ニュースになるのはほんの一部ですが、9月1日に18歳以下の自殺者数が増えることを文部科学省も発表しています。

まずは休ませるということは不登校を助長する?

理由を聞かずに学校を休むことをすすめるなんて、不登校を助長するようにも思われるかもしれません。確かに、これを機に不登校になる人もいます。しかし、対処が早ければ、短い期間の不登校で済みます。人によっては1日~1週間くらいで改善することもあります。そしてなにより、緊張やプレッシャーを抱えたまま学校に行くことは、本人にとってはとても大きなストレスになります。過剰なストレス状態では視野も狭くなりますし、物事を冷静に考える力も弱まってしまいます。万が一のことを考えて、家にとどめて、休んで話をすることで、子どもが感じている緊張を緩めることが大事になります。

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不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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不登校生の夏休み

不登校生の夏休み 夏休みになっても

夏休みは不登校している中学生、高校生にとってはホッとできるひと時になります。「みんなが学校に行っているのに自分は家にいる・・・」という自責の念が緩むからです。かといって何かが変わるというわけではありません。朝はなかなか起きてこない、特に勉強するというわけでもないのです。1学期に学校に行かずに家にいるときと同じです。むしろ、表面的には同じであるということが大事だと考えます。1学期の終わり、区切りだからといって、「2学期から頑張る」と気負いすぎないで淡々とおなじ日々が過ぎるほうが、メンタル面においては安定してるといえます。

 

どう過ごしたらよいか?

表面的に同じように過ごしていますが、内面はすこしゆとりがあります。普段よりも雑談を多くしてみたり、出かける用事をつくって一緒に出掛けてみるとよいかもしれません。

「夏休みに何かしたいことはある?」と本人に尋ねてみるのもありです。普段は学校に行っていない負い目を感じていて言えないことも、この時期なら言えるかもしれません。お金がかかりすぎたり、現実的に不可能なことでなければ、予定を組んで一緒に出掛けてみるのもよいです。そのこと自体は直接不登校の解決にはつながらないかもしれません。しかし、「自分の要望を伝えた」「それを叶えてくれた」ということ、そして「一緒に」というあたりも含めて、本人には肯定的な経験として残ります。

ただ、お盆などで親戚で集まる場合なんかはあまり積極的ではないかもしれません。お正月も同じですが、親戚であつまると事情を知らない親類から「どうだ学校は?」とか「受験だろ?」なんていう心無い質問が飛び交う可能性があります。気を付ける必要があります。

あくまでも普通に接する

夏休みだから特別な働きかけが必要ということなどはありません。

もちろん、二学期から復帰するかもしれないという期待や、もしかしたら、1学期にちょっとずつ登校のペースをつかんできているという場合もあります。これに関しては夏休みはブラックボックスで、2学期になってみないとわからないところがあります。おそらくお子さん本人としては前向きな気持ちはあると思います。その気持ちは「親に口を出されると萎える」というのが思春期のお子さんの傾向としてあります。2学期からの登校については、お子さんにゆだねて、学校のことはわきに置いて普段どおり過ごしていただければと思います。

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こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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不登校・ひきこもりが峠を越えるとき

不登校・ひきこもり状態が峠を越えるとき 意思表示ができるかどうか

学校で不登校対応をしているときに「君はどうしたいんだ?」と尋ねても「わからない」と答える人が少なからずいます。

学校に行きたいのか行きたくないのか、行きたいけどいけないのか、行きたくないけど来ているのか、行きたくないからこないのか・・・子どもの意思によって対応のしかたは変わります。

しかし、意思表示ができる状態になっていないうちにこれからどうしたいのかを尋ねられるのは子どもにとって結構つらいことです。

自分のことなのに自分でも決められない・・・学校に行けていないだけでも落ち込みがあるのに、ましてや自分自身のことも決められないとなると、余計に落ち込んでしまいます。

 

子どもが意思表示をするまえにすること

子どもが明確な意思表示をする前は、部屋にこもったり、家族と口を利かなかったりします。生活習慣も乱れ、どう接してよいかわからない、という状態に陥ります。親としては一番心配な状態がこれです。

「この状態がいつまで続くのか」、「このまま何年も引きこもってしまうのではないか?」ということが頭をよぎり親自身が震えるときでもあります。

この引きこもっているときには子どもさん自身はとても葛藤を覚えています。これまでは親に対して従順に従っていた自分が、親に反発を覚えている。

しかし、自身がないから「自分の意思」というものを示せない。だからといって親の言いなりにもなりたくないし、自分の意思に反して生きていくことはもっとやりたくない。この葛藤状態が不機嫌さにも、疲れにもつながりさえない表情の日々を過ごします。

自分の意思を表明する覚悟と、どういう言葉で表現するのかの言葉を紡ぐときでもあります。

 

こもっているときは自分に集中したいとき

中高生が差し掛かる思春期とは生まれ変わる時期ともいわれます。子どもから大人になり、自我、アイデンティティの確立が起きるときです。引きこもっているときというのは、本人は生みの苦しみのただなかにいます。外に出たい意思と、このままこもっていたい意思が葛藤して苦しんでいます。そこには恐怖や不安もあります。

そういう葛藤状態にあるときに「あーしろ、こーしろ」と言われたり、たびたび「どうするの?」と尋ねられることは余計に混乱することになります。「自分で決めたい」「自分で考えたいときです」

この状況をお子さん本人が理解して「何も言わないでほしい」と言える場合もありますが、多くの場合はそれはできません。本人もなんでこんなに苦しまないといけないのかわかっていない場合がほとんどです。

ですから、周りにいる人間は見守るしかありません。

しかし、ある日、「私」「僕」「おれ」などを主語として語れるようになったら一つ山を越えているとも言えます。

はじめは自信がなく、中身としては突拍子もない浅はかな考えかもしれません。しかし、この時に葛藤を乗り越えて表明した勇気にたいして賞賛と感謝を述べられると、子どもの状態は落ち込んでいる、暗い状況から抜け出します。

お子さんを信頼する

不登校のお子さんだけではなく、思春期の中高生世代は、危なっかしくて、心配なことが多いと思います。偉そうなことを言う割には大したことはできないというのもあります。心配な面はたくさんあります。

親がその心配を抱えたままかかわるとお子さんには心配が伝わります。この「ぱ」を「ら」に変える、つまり心配を信頼に変えると、普段の接し方、言葉がけが変わってきます。

信頼に足る要素はたくさんあります。しかしながら、目の前の問題に向き合っているときには、視野も狭まり、普段よりも冷静でなくなっています。「どうしたらいいんだ」という焦る気持ちが先立ちます。そういう時に、カウンセリングで話をする。

すると知っているけど見えていない要素に気づき、親の心配が信頼に変えられていきます。お子さんのカウンセリングができない場合は親御さんにカウンセリングすすめています。

それは私たちカウンセラーが子どもに安心を伝えるのではなく、親御さんが安心すればその安心がそのままお子さんに伝わるからです。

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こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

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“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

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まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

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不登校のお子さんに「もったいない」は言っていい?

不登校のお子さんに言葉をかける目的は何? 不登校しているお子さんへの言葉がけは難しい

不登校の相談は多くが親御さんから入ってきます。不登校の状況にもよりますが、なかなか言葉がけは難しいところです。「どんな言葉をかけたらよいですか?」、「どうかかわったらよいですか?」というのは相談内容のなかでも多い項目です。

ふさぎこんで、覇気のないわが子にどう声をかけてよいかは本当に難しいところです。説教したり、叱責したって効果がないばかりか反発を買うことは目に見えています。じゃあ逆にほめたり、励ましたりしたらよいかというとそれもあまり効果がないように感じられていらっしゃるのではないでしょうか。実際にお子さんにほめたり、励ましたりすることばをかけられた親御さんならわかると思いますが、その言葉が子どもに届かずに、上滑りしているような感覚があると思います。しかも、ほめたり、励ましたりする要素がない中で言葉を選んで、発している親自身も本気でそう思っているか問われると・・・正直に「わざとらしい感じがします」と言われる方もいらっしゃったし、お子さんに「お母さんにほめられるとむかつく」と言われたという方もいらっしゃいました。

言葉がけ、かかわり方、どう考えていけばよいのでしょうか。

何のための言葉がけなのか?

子どもさんに言葉をかける目的はなんでしょうか。学校に行ってほしい気持ちや、勉強してほしい気持ち、そして学びの機会を失っているもったいなさなどがあります。これらはすべて親の不安から出ている言葉です。

子どものことを願っての不安ではありますが、子どもからすると「不登校している自分を変えたい」という意図が透けて見えるのです。だから子どもは受け付けないのです。

言葉をかける目的が親の不安ではなく、子どもの存在自体を認めるものになること。実はこれだけで出てくる言葉の「質」が違ってきます。「学校に行っていてもいかなくても、勉強してもしなくてもあなたは大切な唯一無二の私の子」という思いを胸に秘めたうえで「ごはんたべる?」とか「ちょっと手伝ってほしい」とか、日常的な言葉をかけていきます。はじめはこれまでと違う状況にお子さん自体が戸惑うかもしれませんが、子どもとしては何か、安心感を覚えて表情が和らいだり、そっけない態度が減ったりします。

不安から発せられた言葉は不安を伝えます

本を読んだり、ネットで調べたりして、お子さんへのかかわり方を考えていくこと自体はお子さんのためを思っての行動ですが、そこにある情報を参考にかかわり方を変えても今一つうまくいかないのは、心の中の「不安」が表現されているからです。

不登校しているお子さんは通常よりも感性が研ぎ澄まされているのか、親の意図を簡単に見抜きます。それを言葉にしてけんかになることもありますし、言わないでじっとこらえて親の顔色を窺い続けている場合もあります。お子さん自身もこれ以上、不安になりたくないので、不安なかかわりをしてくる親を避けようとするのです。

不安から発せられた言葉はどれだけ取り繕っても不安が伝わるだけです。大切なのは親自身の不安を解消することです。この不安がカウンセリングなどを通じて軽くなっていくと、子どもへの安心が伝わります。

不登校はだれにでも起こりうる

不登校になるというのは当たり前の日常が変わってしまうことです。不登校になったお子さん自身もそうですが、親御さんが不安になるのも当然です。不登校になったばかりの時には混乱してしまい、状況がうまく整理できず、とにかくお子さんを学校に行かせようとします。これが全く間違いとは思いません。初期の段階でちょっと無理に押せば不登校にならないというケースもありました。しかし、これはリスクが高いことでもあります。

ただし、不安になってはいけないわけではありません。不安になってよいのです。不安を軽減するには自分自身が不安を感じているんだということを受け入れることです。不安を否定して「しっかりしなきゃ」と頑張ると疲れてきってしまい、変わらない状況にたいしてイライラもします。

不登校はだれがなってもおかしくないことです。そうなったときに、いかに早く不安をへらして安心を取り戻せるかが、お子さんへのかかわり方を良いものにしていくカギとなります。

そして言葉がけ、かかわり方の中でお子さん自身に安心が伝わること、これがかかわりの肝になります。

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不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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もっと読む 2025年4月22日 勉強・進路と将来の不安 親として、どこまで関わるべき?春の“ちょうどいい距離”の話 親として、どこまで関わるべき?春の“ちょうどいい距離”の話

2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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不登校のお子さんに「もったいない」は言っていい? Read More »

「お子さんをほめてください」というアドバイスにうんざりしていませんか?

「お子さんをほめてください」というアドバイスにうんざりしていませんか? あるお母さまからの相談

小学2年生のお子さんをもつお母さま。お子さんに発達障害があるということで、落ち着きがなく、粗暴であること、集中力もない。何か気に食わないことがあると大きな声で怒鳴ってくるというのです。このお子さんにどう対処したらよいかということでした。ほめるところどころか、注意することばかり。しかも、全部を注意すると家の中が重苦しい空気になるので、注意することも選んでいるということ。伝え方も考えて話をするけど、一向に状況は改善しない様子です。

「この状態でほめろっていわれても・・・」と非常にお困りな様子でした。

子どものことで相談に行くとよく言われること

お子さんのことで相談に行くとたいてい、「お話聞いてあげてください」「一緒に過ごして差し上げてください」「お子さんの良いところをほめてください」というアドバイスがなされます。確かに、話を聴くことも、一緒に過ごすことも、ほめることも子どもの自尊感情を育てる上で確かに大切です。しかし、専門家のところに相談にいくということは、そういうことがやりたくてもできない、逆に嫌なところばかり目についてしまう、どうやったら、悪さをしないか、そういことについて何かしらの助言が欲しいわけです。さらには、「自分(親)はこんなに頑張ってるんですけど、どうして子どもが言うことを来てくれないのでしょうか」「教えたことが身につかないのでしょうか」「約束が守れないのでしょうか」そういうことに対処したいときに「ほめてください」とか「ほめるハードルを下げてください」と言われても、これ以上は無理なんですが・・・と言いたいところです。しかし、「もう子どものことをほめたくありません」とはなかなか言えないところです。それを言ってしまうと、子育てできないダメ親だと思われるのではないか、という怖さがあります。

ではどうしたらよいのでしょうか?

無理にほめどころは見つけなくてよい

ハードルを下げて、ほめることができない場合は、無理にほめる必要はありません。子どもが何か話しかけてきた時だけ、「そうなの。すごいね」と応答する。それだけで十分です。こちらからほめポイントを見つける必要はありません。

悪いことをした場合の注意点については「やってはいけない」ということよりも「それをされるとお母さんは悲しい気持ちになる」、「お父さんはそういう言葉を使われると●●(子どもの名前)に嫌われてるのかなとさみしい気持ちになる」と、気持ちを伝えていくことが効果的です。

気持ちを伝える効果については2つあります。一つは、子どもを責める言い方になりにくいということです。「I(私)メッセージ」になるので、自分の気持ちを伝えるということにとどまります。もう一つの理由は子どもに自分の行動・言動が人の気持ちに影響するということを教えることになります。特に発達に課題のあるお子さんは、他者の気持ちを推し量ることが苦手なお子さんがいます。そういうお子さんの感情教育にもつながるのです。

子どもの側からみると・・・

子どもの側からみると、ハードルの低いほめ言葉は「こんな程度でほめられるのか」とかえって落ち込む要素になることがあります。思春期のお子さんの場合は、「形だけほめられるとかえって腹が立つ」というのもあるようです。「どうせそうやってほめて言うこと聞かせようとしているんだろう」と反発を引き出すことになります。ほめること自体はわるくありません。ほめられるときに、子どもをほめることは必要でもあります。

しかし、子どものご機嫌取りであったり、こちらの言うことを聞かせようという意図があるほめ言葉、さらには、心ではすごいと思っていないのに、とりあえず言葉だけほめる、ということは子どもにとっては不快なものでさえあります。

無理にほめる必要はありません。ほめたくないときはほめない。食事の世話、洗濯、送り迎えなどの日々の生活のサポート、それに加えて、遠巻きに見守るだけでも子どもは親からの承認を得ることができます。

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不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

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まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

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近づきすぎず、離れすぎず。

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でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

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思春期世代との親子のコミュニケーションが難しくなるのはなぜ?

思春期世代との親子のコミュニケーションが難しくなるのはなぜ? 「息子が何を考えているかわかりません・・・」

不登校のお子さんとのコミュニケーションに悩むご相談をよく受けます。あるご家庭の話です。

家の中にいるけど家族と一緒にいるのを拒むようで、家族が寝静まってから、台所で何かを食べていたり、一方で家族がリビングにいると絶対に部屋から出てこない、ということもあります。「ごはんできたよ」とか「ちょっと出かけてくるね」という言葉がけでも、返事が返ってくれば良いほうで無反応です。しかし、自分が欲しいゲームを買ってほしいとか、見たいテレビを録画しておけなど、要求だけはしてきます。食べたいお菓子やジュースがないと「なんでないんだ!」と大声で文句を言われたこともある、ということです。息子が何を考えているかわかりません。学校の話をすると、特に不機嫌になります。「うるさい」とか「学校なんかどうでもいい」というのです。

放っておいたらおいたで不機嫌になるし、言葉をかけても反応が今一つ。そして自分の要求だけは求めてくるという状況に、どうコミュニケーションをとってよいかを悩まれているというのです。今回のご相談にはないですが、うそをついたり、隠し事をしたり、することもあります。思春期世代のコミュニケーションはこれまでのコミュニが通じなくなる時期でもあります。そこでは親子の関係性を再構築する必要があります。

思春期世代のコミュニケーションが難しい理由

思春期世代の頭の中は混乱しているという前提にしておくのがよいと思います。これまで直感的にとらえていたもの、うのみにしてきたものが「正しいのか?」という疑いを持つようになります。これが幼少期との違いです。しかも、深い内省ができるようになるので、自分自身を知ることと同時に、自分はこういう人間であるという枠組みもできてきます。自己認識(セルフイメージ)の変容が起きているのです。単純化すると、幼い自分と大人になろうとする自分の対立が起きており混乱をします。さらには心身の急激な変化がおこり、自分のアイデンティティをいやでも意識するようになります。レフ・ヴィゴツキーは思春期の思考の変化について「思考形式の変化を前提とする必要がある」と述べています。つまり今まで同じように接していても相手(子ども)の思考が変わってきているので、親の言い分が通じなくなる、またはこれまでと同じように受け止めてもらえなくなる、ということが起きてくるのです。

これは子ども自身が意識するしないにかかわらず起きてきていることです。「自分でもよくわからない」というのが実際の子どもの声としてもあります。自分が何を考えているか、物事をどうとらえているのかは子ども自身もわかっていないところがあるのです。子どもと大人を行ったり来たりしながら、混乱しているのが思春期です。

接し方の心構えを変えていく

子どもの思考形式が変容している以上、接し方を変えていくことが大切になります。接し方を接するといっても、日々、かける言葉を一言一句変える必要はありません。子どもさんに接する態度を「子ども」として接する場面と、一人の「大人」として接する場面を作ることです。

「子ども」として接する場面は子どもが「甘え」を示してきた時です。何か要求してきたり、わがままを言ってきたときは「子ども」として接する。特に不登校しているお子さんに関してはできるだけその甘えを許容してあげることが大切です。ただし、条件を付けてはいけません。「新しいゲームを買ったら学校に行くのよね」というのでは子どもは「甘えさせてもらった」とは感じません。「甘えられた」という実感を得るには条件があってはいけないのです。

一方で、大人として接するというのは、これからのことを話したり、勉強のことを話したりするときです。特に高校生で不登校になると、出席している時数や、定期考査の成績などが、留年等にもかかわってくるので、話す機会は増えると思います。中学生でも進路は考えないといけません。そういう時は、「あなたは子どもで考えが足りない」ということで接しているとお子さん自身は「自分が認められていない」と感じてしまいます。こういう場合は一人の大人として子どもさん本人の意見を尊重すると同時に、本人に意見をするときも、親としてではなく一人の大人として意見を述べることが求められます。言葉を変える必要はありません。親御さん自身の内面、心構えが変われば適切な言葉と態度が出てきます。

不登校のお子さんのことは心配ですが・・・

確かに不登校のお子さんのことは心配で、これからどうなるんだろうという不安が親の中には常にあります。そういう心配を全く感じていないような傍若無人な振る舞いに、時折腹が立つこともあります。怒りをぶつけたご経験がある方も少なからずいらっしゃいます。現状を見ていれば心配はたくさんありますが、その心配を信頼に変えることができたらどうでしょうか。「うちの子はきっとこの状況を乗り越えることができる」と思っているほうが「この子大丈夫かな」と心配して見ているより、日々のコミュニケーションや態度で伝わるものが全然違ってきます。お子さんへの「信頼」があれば、相手に対する経緯が生まれ、お子さん自身の考えを尊重できるようになります。「信頼してほしい」とおもいつつも、学校にかない現状、勉強していない現状があってなかなか言い出せません。しかし、どんな状況になっても、無条件で子どもを信頼できるのは親だけです。

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変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

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きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

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まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

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― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

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子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

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まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

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“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

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近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

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不登校の中学生の勉強嫌いから脱するために必要な関わり方

不登校の中学生の勉強嫌いから脱するために必要な関わり方 どうして勉強嫌いになってしまうのか?

中学生になって勉強が嫌いになるということは、不登校しているお子さんに限らず起こることです。この「嫌い」というのは正確には、「面倒くさい」「時間がかかりすぎる」「分からない」などを内包しています。小学校の時に出る宿題はそれほど多くありません。テストも、単元ごとに学校で実施するので、記憶は鮮明ですから「テスト勉強」なんていうことはしなくてもある程度は点数が取れます。ところが、中学になると定期考査になり、テストのために勉強をしないといけなくなります。また、宿題の量も増えます。部活や習い事が終わって家に帰ってから宿題をするとなると、一日の中に一人の時間や、息抜きの時間が無くなります。ここで「面倒くさい」という思いが強まります。これの積み重なりが「分からない」をうみだします。

分からないことは好きにならないですから、「嫌い」という言葉でくくられます。ただ、ここで「分からない」というと、塾や家庭教師をつけられたりして余計に「面倒くさい」ことになることや、また勉強が分からないことで自分がバカだと思われることを嫌がって「嫌い」という言葉で自身のプライドを保とうとすることにもなります。中学生くらいになってしまうと、勉強しろと強く言うと余計に反発されて関係が悪くなります。不登校していると、部屋にこもってしまうことさえあります。さて、これをどうやって克服して勉強に向かわせるのか?ということです。

子どもがやっていることに関心を示す

不登校の中学生が家にいてやるのは他だいたいが、ゲームやネットです。お子さんが、どんなゲームをしたり、ネット(主に動画)を見ているかご存知でしょうか?意外とこれを把握していない親御さんが多いです。ゲームやネットは生産性が上がるものとは考えにくいですし、その時間を勉強してくれたらどれだけ有益か、と思われるかもしれません。時間を浪費しているようにも見えて、うんざりします。彼ら・彼女らがなぜゲームやネットの世界に居座るかというと、勉強と違って親や先生にに「評価されない」からです。勉強での優劣=自分の価値という思い込みが強いと、勉強からの逃避につながります。だからと言って親が無関心でありつづけることをさみしく思っている面もあります。特にゲームなんかは頑張っている可能性があります。何をしているか関心をもたれることで、ちょっとだけ関係が和みます。その和んだところで、子どもがやっていることがどんなことか説明してもらうと良いでしょう。そうすると、見えてくるものがあります。

勉強できる素養があることを見いだす

ネットやゲームの中には勉強のために必要な素養がたくさんあります。思考力、集中力、記憶力、最近は課題発見能力や課題解決力なども挙げられます。こういった素養が自分にもある、と思ってもらうことが大事なのです。ゲームをしているときは集中しています。ゲームを遂行するためには考えたり、覚えたりすることができます。そこには確かに勉強するために必要な素養がたくさんあるのです。だからどんどんゲームをすべきというわけではありません。そのゲームを話題にしながら、「どうしてそんなに集中できるのか?」とか「なんでそんなに覚えられるの?」ということを尋ねます。すると「すきだから」とか「おもしろいから」と応えてきます。この言葉が出てきたらしめたもので、「すきなことやおもしろいことなら、集中したり覚えたり、考えたりできるんだね」という旨の言葉をかけます。

そして、もし余裕があるなら、その世界(ゲームの世界)で何を頑張っているか、なども尋ねます。自分がやっていることに興味を持たれると、意気揚々と話してくれます。そこでも「そんなくだらないことばっかりやらないで」と卑下せずに、「それは大変だ」とか「よくそんなに頑張れるね」という対応をします。つまり、「ゲーム」を勉強に見立ててほめちぎってみるということです。ネットの場合は少し問いを変えて「どうしてその動画に興味があるのか?」とか「なんでそんなに多くの人が見ているのか?」などを尋ねます。ネットの場合は考えさせる契機とします。目の前の子どもさんがやっていること自体のなかに勉強に必要な要素があることを繰り返し確認していくのですが、一つ注意です。その時に「その力を勉強に活かせればいいね」というちょっと皮肉めいたことは言わないで「そういう力があれば、大丈夫だね」と勉強ではなく、もうちょっと将来的に漠然と肯定していくことも大事です。「勉強させたいから言っているんだな」と子どもに策略としてとられると、功を奏しません。

子どもは勉強しないといけないということは分かっている

子ども自身は自分が勉強をしないといけないということは分かっています。不登校していることで焦りや、やっていない自分を否定するような面もあります。「勉強しなさい」というと「わかっている」「うるさいな」という言葉が返ってきますが、それは本当です。ただ、わかっているのにやらないから腹が立つわけです。やらないといけないのにやりたくないこと、面倒くさいことを「やれ」と言われると嫌気がさします。大人だって分かっている仕事を「早く取り掛かれ」とか「いつまでにできるの?」なんて急かされるとやる気がなくなります。最終的には子どもの主体性を信頼していくことです。

おそらく、こういうコラムを読んでくださる親御さんは「うちの子はやればできる子なのにもったいない。何とかしてあげたい」というお気持ちがおありだと思います。その思いがあればすでに大丈夫です。子どもへの信頼へのアプローチがすでに始まっています。ただ、大事なのは「やらせよう」という働きかけよりも「必ずやる」と信じて待つ忍耐力です。この忍耐力が、お子さんが社会に出ていくために必要な土台をつくります。すぐには伝わらないかもしれませんが、いずれ不登校状態が何らかの形で改善した時に「親はこんなに見守ってくれていたんだ」ということに気が付く日が来ます。その時に親への感謝がうまれ、自分自身が大事にされているという感覚が育まれます。

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不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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不登校の中学生の勉強嫌いから脱するために必要な関わり方 Read More »

不登校は実は長年研究されているのにどうして子どもへの関わり方が見えにくいのか?

不登校は実は長年研究されているのにどうして子どもへの関わり方が見えにくいのか? 不登校は最近の問題ではない

ある本の冒頭に記されている文を引用してみました。

『登校拒否が社会問題になってから、かなりの年月が経った。その間、医師、教師、カウンセラー達が、いろいろな側面からこの問題にアプローチし、治療、教育してきた。また多くん研究がなされ、有意義な知見が得られている』

さて、この本はいつ書かれたものだと思われますか?「登校拒否」という言葉が使われているので最近のものではないということは分かると思います。この本は東山紘久先生の『登校拒否』という本からの引用で、初版が1984年となっています。なんと40年前に書かれたものなのです。この時すでに「かなりの年月」が経っているとあるので、不登校という問題はかなり昔からあったことがうかがえます。「登校拒否」と呼ばれるまえは「学校恐怖症」なんていう言葉も使われていた時代があります。この不登校の問題、こんなに長く研究されていながら、家族の対応の仕方やケアの仕方が今一つ不明確な状態が続いているのはなぜなのか?という疑問がわいてきます。その理由は大きく二つの考えられます。1つは、個別性が高い問題ということです。2つ目は、不登校している当事者へのケアが難しいということ挙げられます。確かに40年前と時代が違う、というのはあると思いますが、40年前の書籍に習うところが多いことを考えると、本質的な関わり方というのは、受容的に、見えない気持ちを理解しつつ、寄り添いながら本人の考えを引き出していくというところでは変わらないところがあると思います。

不登校のケースは個別性が高い

不登校というのはなかなか受け入れがたく、体調も悪くないのに学校を休むなんて、という思いもあり、初めは怠けだったり、いじめがあるんじゃないかと疑ったりします。「不登校」になりたくないのは、親御さんも本人も一緒で、何とか頑張ろうとします。そして頑張れる場合もあるので、いちいち不登校にはどう対応したらいいのか?なんて調べたり、考えたりせず、極力日常生活を維持しようとします。これで立ち直っていけるようになる人もいるので、間違った対応とは一概には言い切れません。

その一方で、ここで無理をしたことで、余計に学校への足が遠のくということもあります。また、兄弟姉妹でも上の子はちょっと休んだら行けるようになったけど、下の子はちょっと休んだことがきっかけで長く休みが続く、なんていうこともあり、一人ひとりその対応の仕方を検討しないといけません。

不登校は誰にでも起こりうるということは、文部科学省も謳っていることですが、それぞれのケースは個別性が高く、一般的な方法論が確立しにくい、というところがあるのです。

不登校当事者になかなか会えない

長く不登校のお子さんやそのご家族のカウンセリングを続けていると、様々なことが起きます。まず本人に会えないケースというのがこれまでかなりありました。いろいろなケースがありますが、本人がカウンセリングを受けたがらない、というのは珍しいことではありません。または、カウンセリングを学校や医療機関で受けたけど、その時の対応がひどかった結果、カウンセリングを受けることを拒む、と言うこともあるようです。私のように個人でやっているカウンセラーのところにいきなり来る前にいろいろなところに出向かれている人も多くお会いしてきました。

確かに、本人がカウンセリングを受けて、自分が抱えている悩みや不安を言葉にしていき、自分自身をメタ認知していくプロセスは重要です。これまで関わったお子さんたちは、それが積み重なって、「不登校したけどこれからもなんとか生きていけそうだ」とか「自分は将来こうなりたいんだ」という思いを持って私のもとを巣立っていったいきました。しかし、現実には当事者であるお子さん自身と会うことができないケースもしばしばあります。本人がカウンセリングを受けないから、意味がない、ということでカウンセリング等の不登校に対するケアがなされないと、長期化する確率が上がってしまいます。不登校のケアは当事者だけでなく、家族(とくに親御さん)が受けることでも功を奏することがたくさんあります。本人に合わずに学校に戻ったり、つぎなるステップに一歩お子さんが踏み出したケースもあります。それは親御さんのカウンセリングを続けた結果でもあります。

なぜ親のカウンセリングが成果をだせるのか?

不登校に限らず、受験や発達、学校での人間関係など、お子さんの問題で親御さんがカウンセリングを受けることは効果的であると私は考えています。もっとも身近でお子さんに関わる親御さんのストレスを軽減することは一つ大事です。不登校のお子さんには受容的に関わるのが基本ですが、受容的な関わりは、不安や心配でいっぱいいっぱいな状態ではできません。そういう状態だとかえって、イライラをぶつけてしまい家庭の中が重い空気になってしまいます。私は本人とカウンセリングができた場合でも、親御さんへのフィードバック必ず入れるようにしています。カウンセラーといっても関われる時間はほんのわずかです。大半の時間は親御さんや家族と過ごします。その家族(特に親御さん)がお子さんにケア的な関わりができると、お子さんの状態が良くなります。(この「良い」状態についても個別性が高く、何が良いかは状況によるところがあります。これも親御さんと話をしてくことで、共通理解が生まれます)

親御さんのカウンセリングは子どもさんに出会うよりハードルが低いです。お子さんの状態はもちろん、それにたいして親としてどうお思うか、またこの関わり方が適切なのかどうか、親御さん自身も疑問がたくさんあると思います。その疑問にお応えするのもカウンセラーの仕事です。

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変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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不登校になりはじめの中学生の苦しみの根っこにあることとは?

不登校になりはじめの中学生の苦しみの根っこにあることとは? 不登校する中学生は根が真面目なお子さんが多い

これまで、10年以上不登校になってしまった中学生、高校生にカウンセラーとして関わってきました。その多くは真面目なお子さんが多いです。それゆえにうまくいかないこと、できないことが許せないでストレスをため込んでしまいます。しかも、他人のせいにするのではなく、自分のせいでうまくいかないから、自分を責めることも多く、かなり心は傷ついています。

特に中学生になったばかりの頃は、小学校とのギャップに苦しむことが多いようです。勉強も難しくなり、クラブ活動や塾などやらないといけないことが一気に増えます。また、別の学校からやってくる子どもたちとの関係づくりにも悩んでしまいます。公立中学校の場合、近隣の小学校2~3校が一つの中学にまとめられます。もし、もともと通ってた小学校が小規模で先生の目が行き届くような学校であれば、中学になった途端、突然大人数の中に与まれてしまい、面倒を見てくれる先生もおらず頼る相手がいないことから不安になったりもします。また、他の小学校からきたちょっとやんちゃな生徒たちとの距離の取り方がつかめなかったり、まじめさゆえに、「ちゃんとやろうよ」なんて声をかけて、「なに真面目にやってるの?」なんて言い返されて、そこでも傷つきます。もともと同じ小学校だった仲間も、そういうやんちゃな生徒に流されてしまって、付き合いづらくなります。

真面目な中学生が抱える二つの苦しみ

真面目でいい人の苦しさは二つあります。一つが完璧主義です。

完璧主義はできない自分を責めます。周りから見てもう十分頑張っているのに、本人が納得する基準が高いので苦しい思いをします。小学生の時には、自分の納得できるレベルまで持っていくことはできても、中学の勉強や課題はそうとはいきません。要領のいいお子さんであれば適当にごまかしたり、ある程度のところでケリをつけますが、完璧主義のお子さんはやりきるまで、やめません。そのがんばりが続いているうちは良いのですが、いずれエネルギーが切れてしまいます。完璧主義の人の最大の弱点は「完璧にできないことはやらない」と言うことです。これは認知行動療法の認知の歪みの一つである「全か無か思考」とも呼ばれるもので、やるなら100、100できないならゼロという思考パターンです。また、完璧主義の人に置きがちなのは、他人にも完璧を求めてしまうところもあります。完璧にできていない人を非難して人間関係がこじれることもあります。

もう一つの苦しみが「いい人でなければならない」ということです。真面目な人は、他人に対していい人であろうとします。他人にたいしていい人をやり続けるのは、大人子ども関係なく至難の業です。自分にとって苦手な相手に対してもいい人であろうとすると、気を遣って、相手の機嫌を損ねないようにして、「好かれよう」とします。小学校と中学校とが決定的に違ってくるのは人間関係において、うまくいかないことが増えるということです。異性を意識しだすこともそうですし、お互いに自立の道を歩み始めるので、「みんな一緒に」という枠組みに入りたがらない人も出てきます。小学生の時に培った「いい人」戦略は「みんな一緒に」が前提になっているので、無理が生じます。また、他人にたいしていい人としてふるまうことは、自分の気持ちや意思を抑圧して犠牲にするので、エネルギーを使い果たして破綻します。そして「いい人」としてふるまえない自分を責めると同時に、「いい人」ではない自分を見せられないから、外に出ることをやめて学校に行きづらくなります。

 

真面目な中学生が不登校になったらどう言葉をかけると良いのか?

真面目な中学生が不登校になると、自分を責めて余計に気持ちが沈みがちになります。学校に行かないといけないのに行けない自分、みんなができていることをできない自分、また親の期待を裏切った(という思い込み)から親に対してもどう接して良いか分からないままの生活をします。初めは心配かけまいと、気丈にふるまいますが、それも長く続かない可能性もあります。もともと元気がなくて学校に行けていないのです。しかし、「ゆっくり休みたい」ということも言えないでいます。

お子さんがこういう状態になったら親は何と声をかけるべきか相当に迷うところです。頑張れとは言いづらいです。すでに頑張っているし、無理していることが透けて見えます。かといって「頑張りたい」と思っている相手に「休んでいい」というのも何か違う気がします。下手すると「休む」ことを後押しする言葉がけは、落ち込んでいる状態の時にかけると「学校にいくな」とも受け取りかねません。

私がおすすめするのは、黙って一緒にいるということです。否定も肯定もしない、そして大人の常識や親の価値観をいったん脇において、お子さんがどういう気持ちだろうか、どういう苦しみを持っているだろうか?と言うところに焦点をあてて、言葉を発せずに寄り添うことです。お子さんが話しかけてきたら、話の腰を折らずに聴く、と言うことです。とはいえ、親からは何も話さないというわけではありません。「食べたいものはある?」とか「掃除するから手伝ってほしい」とか、ごくごく普通のことは話してもらってよいです。あいさつももちろん大切です。というのは、学校に行かなくても親から普通に扱ってもらえるというのが子どもにとって一番エネルギーになることだからです。

真面目な中学生が不登校から脱するために必要なこと

不登校しているお子さんが不登校の状態から脱するために必要なことは、完璧主義といい人をやめさせることです。正確に言うと、その考え方を緩める必要があります。特に完璧主義が残っていると、仮に学校に行くようになっても、完璧にできない自分に幻滅して余計にダメージを追う可能性があります。

完璧主義といい人をやめるためには、自分の本音を言葉にする力が必要です。この場合の本音はネガティブな言葉であることが多いです。「あいつが嫌いだ」とか「あのことにたいして腹が立っている」とかです。ただ、こういうことを言ってはいけないという思い込みが強いので、その緊張を緩めるところから始めなければなりません。だからこそカウンセリングをはじめとした言葉を用いるケアが必要になります。親にたいして言えればよいのですが、中学生や高校生のお子さんが親に本音を言うということは珍しいです。第三者の介入が必要な理由は、親ではない、信頼できる大人がいることで、自分の本音を少しずつ語り、お子さん自身の緊張感を緩めることができるようになります。完璧主義といい人から脱していくことは、不登校から脱する以上に、その先の人生にとってもストレスをためにくくしたり、人間関係のトラブルを回避したりすることに大いに役立ちます。

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こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

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勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

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まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

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文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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不登校の子どもに どうやったら前向きに接することができるのか?

不登校の子どもにどうやったら前向きに接することができるのか? 前向きなかかわりを妨げるもの?

子どもを前向きにしようと働きかけたいのに、なかなかできないで、気が付いたら注意ばかりしている。そんなことございませんか?実はこれは私たちの中に根を下ろしている、減点法の思想から脱する必要があるのです。

学校でのテストは100点満点から始まる減点法が基本です。できていないところに✕がつけられて、その分の点数が引かれて、残ったところが得点となります。これを小学校からずっとやっているので、この減点法というのが物事を評価するときに一つの基準となってしまいます。これが一つの思想とすらなっている面もあります。

お子さんが不登校する前のことを考えてみてください。テストの点に限らず、生活習慣や、日々の細かい言動などを注意するときに「○○しないで」とか「○○は禁止です」、または「□□ができないなら△△はやってはいけません」というような条件付けの注意をしていませんでしたでしょうか?じつはこういう考え方は先に挙げた減点法からでてきているものなのです。親の方に一定の基準があってそこに到達するか否かで、評価がされます。基準を超えるのが当たり前、基準を下回ると注意する、ということになります。その結果なにが起こるのか?

減点法の思想で出てくる言葉とは?

減点法の思想が濃いと、子どもにたいして発する言葉は、注意や不満ばかりになります。こういうネガティブな言葉は、子どもにたいして、自己肯定感を下げたり、自信を失わせたりします。その結果として、人前に出ることを恐れたり、自分の意思表示をすることを避けるようになります。

不登校になったお子さんはこの減点法的な言葉を自分にかけています。「学校行かない俺はダメなやつだ」「どうせ社会に出ても役に立たない」「私なんか生まれてこなければよかった」など、ネガティブな言葉を、ほぼ無意識的にかけています。

特に、不登校してしばらくたって、部屋から出てこないとき、顔色が良くないとき、表情がさえないときなどは本人が意識するとしないとにかかわらず、こういう言葉を自分にかけています。ネガティブな言葉の暗示とも言えます。

減点法から脱するために

お子さんをネガティブな言葉の暗示から解放するためには、ポジティブな言葉を入れていくしかありません。できないところばかり見るのではなく、できているところを見るわけです。減点法の逆で、加点法のかかわりが必要です。

これは「あたりまえ」とか「普通」という概念を取り払うところから始まります。

「普通、中学3年生なら高校進学を考えるよね」とか、「普通、高校1年の女子ならもっと身だしなみに気を遣うよね」とか、「学校行かないのにアルバイトしているなんて普通ありえないよね」ということです。既存の「普通」「あたりまえ」にとらわれている状態からの脱却が必要になります。

不登校のお子さんの場合は、「学校に行ってあたりまえ」という「普通」にたいして自分が見合わないので責めています。普通のことが出来ない人間という、自分に「社会不適応者」の烙印押されたような気分になります。決してそんなことはありません。学校に行った人間が全て「普通」の人間で「社会に適応」できているわけではありません。そもそも不登校だからと言って、「社会不適応者」と決めつけるには若すぎます。

加点法の枠組みでかかわる

子どもに一番関わる親御さんが、加点法の枠組みで子どもさんにかかわれるようになると、変容が生まれます。そのためには、親御さん自身の中にどういう「普通」や「あたりまえ」があるかを知る必要があります。ここが分かってくると、親基準ではなく、こども基準で物事を考えることができるようになり、結果としてできているところに目が向きやすくなります。

加点法の関わりを増やすためには、相手の存在に目を向けることが肝要になります。存在=命、とらえると伝わりやすいかもしれません。できる―できないの「行為」に目が行くと減点法になりがちですが、お子さんの命そのものに目が向けば、できるーできない、という枠組みとは違ってお子さんに関わることができます。同時にこのかかわりは子どもにたいして、一人の人間としての敬意をもった接し方にもなり、お子さんの心にエネルギーを注いでいくことにもつながります。

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不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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