子育ての不安に寄り添うコラム | 不登校サポート | 家庭と子どもの再スタートを応援します - Part 9

ビジョンを啓くカギ

VCAの授業で大切にしているものの一つが自己表現です。

自分の思いを言葉にして、他人に聴いてもらうのです。

黙っていると、だれもそこに対して情報をくれません。しかし、言葉にして話していると、情報をくれる人、人を紹介してくれる人、後押ししてくれる人などがいます。もちろん、ネガティブなことを言う人もいます。でも、自分の思いが強ければ強いほど、他人は、その人を応援しようと力になってくれることのほうが多いようです。

 

留学したいという思いのあるAさん高校生がいました。

彼女は思いはあるものの、「どうせ親には反対されるだろうし、先生にもお前の成績では無理だといわれる」と勝手に決めてなかなか話せずにいました。しかし、ある時のテレビ番組で日本の高校生が、カナダに留学して奮闘している姿を目にしました。そのことがきっかけで、思い切って学校の担任の先生に話をしました。すると、

「2年生の英語のY先生が以前カナダに留学されていたよ」とその先生を紹介してもらいました。

そこから話がどんどん進みました。

向こうでの暮らしのこと、初めは短めの留学から始めてみるとか、留学をあっせんしている団体、奨学金のことなど、その先生は丁寧に教えてくださいました。

そういう情報が集まると、今度は親にも話せます。

お金のことや、向こうでの暮らしが安全であることが分かれば納得してもらえると思ったからです。

しかし、父親に「なんで行きたいの?」と言われて彼女は言葉に窮してしまいました。

留学したい理由はなんだろう?

単に海外での生活にあこがれていたというのが正直なところでした。

考えてもなかなか出てこない彼女はY先生に相談に行きました。

「Y先生が留学したのはどうしてですか?」

するとY先生はこう答えました。

「英語を使った仕事をしたいと思っていたの。でも、日本にいたら英語を使った生活ってできないから、やっぱり英語ばっかりのところに住むしかないと思って留学したの。そして、そこで出会った先生が素晴らしかったから、私も学校の先生になろうと思ったの」と。

さらに先生はこう付け加えました。

「本当は、外国で先生をしたいと思っているの。だからいずれは外国に行こうと思ってるの。Aさんはどうして留学したいの?」

「単に海外の生活にあこがれて、なんとなくいいなーと思っただけなんです」と正直に答えました。

するとY先生は笑いながら

「私も初めはそうだったのよ。それで、あこがれだけで留学はさせられないって親に言われた。でも、あこがれって大事だと思うの。他の子はあこがれてないんだからね。あこがれていてもわざわざこんな風に相談に来ないんだから。そこにはきっと、Aさんなりの理由があるはずなのよ。海外の生活のどんなところが良いと思ったの?」

「なんか、日本とは全然違うんですよね。住んでいる家の大きさとか、家具もおしゃれだし、街並みもきれいだし。英語の勉強もしたいという思いもあるんですけど、それよりも、なんか家とか街とかそういうのを見てみたいんです。実際に。」

「それも立派な動機なんじゃないの?住んでみないとわからないことだってあるし。内装とかインテリアとか好きなの?」

「そうなんです。私、自分の部屋に置くものとか、色とか結構こだわっていて。妹の部屋も、コーディネートしたりしたんです。親にはそんなことばかりしないで、勉強しなさいと言われますが、やりだすと止まらないんです。」

「それでいいんじゃないの?好きなことをやるために留学するっていうのも立派な理由でしょう」

AさんはY先生と話しているうちに、どうして自分がそこまで留学したいのかが分かりました。

翌年、Aさんはまず1か月のホームステイを経験します。そして、大学受験をせずに、カナダに留学しました。

 

Aさんのビジョンが前に進んだのは、言葉にして人に伝えたからなのです。

そりゃ、黙っていれば否定されることはありません。でも、前にも進まないのです。

今はネットでいろいろなことを調べられます。でも、そこには有益な情報だけではなく、古くなった情報や、ネガティブな情報、誤った情報もあります。情報の選択をまちがうと、行動も間違ってしまい、ビジョン達成とは遠のいてしまいます。

思いを言葉にする。

これが、ビジョンを啓くカギです。

 

 …

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VCAは何をするところか?

VCAは自分の将来を考える場所です。

そのために何をしたら良いか?

 ポイントは3つあります。

1つは「何のために」を考えるということです。

目標の設定は結構やります。でも、その目的が何かというところまではなかなか考えないんですね。〇〇大学に行きたい。それはなんでですか?△△という仕事につきたい。「それはなんでですか?」資格や賞、または何かを始めるにしてもそうです。目的は考えられていないんです。

日常の中の細かいことまで、細々と考える必要はありません。カフェに行って、今日はレモンティーがのみたい。その飲みたい理由はなんて考える必要はありません。

でも、将来のこと、進路のこととなると、目的を考えないわけにはいかないのです。目的なしの目標は達成した瞬間に意味がなくなります。大学にしろ、働き先にしろ、入ったところがスタートラインなのに、そこで目標が意味を失ってしまうとどうなると思いますか?これを燃え尽きって言うんです。燃え尽きてしまうと、そこのから立ち直って次なる目標を掲げるためにさらなる時間がかかってしまうわけです。非常に大きなロスになります。

  2つ目は素直に表現するということです。

自分の将来をいま、どう考えるているのか、どんな気持ちで見つめているのか。これを言葉にします。素直に表現というのが実はなかなかできないんです。割増か割引がおきます。ちょっといいかっこしたいがために、自分を良く見せようとする、背伸びですね。背伸びも時に必要なんですざ、いつも背伸びしていると疲れます。一方で、自分を低く見てしまっていて、せっかく能力があるのに、そんなことはないと否定する。

これが謙遜という美徳の場合もありますが、それでは自己アピールができないんです。たとえば、就職の面接。面接官に「あなたは数学とスポーツがお得意なんですね」と言われても「いえいえそれほどでも」という人と「はい、数学とスポーツについては自信があります。」というのどちらの印象が良いでしょうか?さらにいうなら、どっちが会話が続くと思いますか?割り引いてしまうと会話が終わってしまいます。

 

だから素直に表現。つまり、ありのまま、過不足なしの自分を表現して欲しいんです。これは技術というよりも感覚です。でも、誰もが確実に身につけることができます。

 

3つ目は良く受け止めるということです。

自分の考えや思いを表現する人がいます。話している人はかなりの勇気がいります。とくに慣れないうちは。その表現した言葉を、聞いている人には必ず受け止めて欲しいんです。しかも良く。良くというのは否定しないで、肯定的にという意味です。そうすると、その人は安心して話せる自信がつきます。そして、これがふしぎなのですが、その場にいる他の人も話せるようになるし、話したくなるんです。

 

この3つ、考える、表現する、受け止める。

 

この3つをいろんな話材を使ったディスカッションでやって行きます。…

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ワクワクを味わうのに必要なのは自分への関心

ワクワクする気持ちとても前向きで強い気持ちがあります。

このワクワク味わうために人は、映画をみたり、おいしいものを食べたり、人に会ったり、旅行に行ったりします。

非日常にはワクワクはあります。

よく、ワクワクする気持ちは好奇心と結び付けられます。

好奇心というのは、物事に興味や関心を抱く気持ちを言います。

しかし、外に興味、関心を向けていても日常生活のワクワクは感じられません。

どんなにお金をかけて、ぜいたくをしても、過ぎ去ってしまうからです。

そうすると、また次なるワクワクを探しに行きます。

これを繰り返すと、非日常は楽しいが、日常がつまらないということになります。

だれもが、日常の時間のほうが非日常の時間より圧倒的に長いのです。

そうすると、日常のなかにもワクワクを感じることが必要になるわけです。

そのために必要なのは、外に関心を向けるのではなく、自分に興味・関心をもつことです。

毎日、どこにいっても一緒にいる自分自身。

この「自分」という人間はどんな人間なのだろうか。何を考えて、これからをどう生きようとしているのかを考えるのです。

そうすると、「なぜ、自分はこういう行動をするのだろう」とか「どうして、これは好きなのに、あれは嫌いなんだろう」といった、自分自身の謎が見えてくるのです。

このなぞ解きをしているうちに、「もしかして、自分はこういうことができるんじゃないか?」とか「自分が挑戦したいことはこれかな?」といったことが見えてきます。

実は、この気づきが、日常生活の中のワクワクにつながるのです。

自分に関心を持つことで、自分がワクワクする要素が何かが見えてきます。

それはやがて、これは自己肯定感になり、自信にさえなっていく要素でもあるのです。…

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進路を考えるアタマをつくる

VCAの授業の特徴の一つは、正解が一つに決まっていない問いを考えることが多いということです。

問題を解くというと、答えが一つだと思いがちなんですが、そこを柔軟にしていきたいのです。

なぜなら、この考え方こそが、進路を考えるために必要なことだからです。

 

答えが一つになる問いとは・・・

たとえば、4人で食事に行きました。合計で6000円になりました。一人いくら払えばよろしいでしょうか?

という問題だと、

6,000÷4=1,500 答え1人1500円 となるわけです。これが正解です。

 

では、正解が一つに決まっていない問いは・・・

4人で食事に行ったとします。

そのメンバーが、お父さん、お母さん、子ども2人だったら、一人1500円でしょうか?

おそらく、お父さんかお母さんが全員分払っておしまいです。

でもこの家族の「子ども」に当たる人がそれぞれ30代だとしたら・・・

とか、4人とも社会人だけど、一人は新人で他は同期、だとすると・・・

4人で食事といってもいろいろなパターンが考えられるわけです。

実際に一人1500円というのが必ずしも当てはまらないケースのほうが現実的なのです。

そして、

進路も正解が一つに決まっていません。だから正解が一つに決まっていない問の考え方が大切になります。

将来歩むべき道は、一人ひとり違うわけです。そこには誰が解いても同じになるような答えが存在しないのです。

あえて正解があるとすれば、自分が納得するということです。これは容易には見つからないかもしれません。

しかし、問をたてて考えていくことで、「これだな」という自分なりの正解を見出すことができるようになります。

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将来を決めるためには考えることが必要

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自分リミットを見つける

自分リミットとは自分で自分の限界を決めてしまっていることです。VCAのセッションには自分リミットを見つけて、外していく方法が随所に出てきます。

自分リミットが厄介なのは、自分で限界を決めていることに気づいていない。ということです。

実は、私もその自分リミットに随分と苦労させられました。

私が中学、高校通してもっともテストで点が取れなかったのが英語でした。暗記はできたので単語は覚えられたのですが、なかなか点数があがらない。そしてとうとう、クラスの中で下から数えたほうが早いくらいの順位まで落ちてしまいました。

高校でも、英語の成績は振るわず、浪人して予備校に通うことになりました。予備校の英語の授業の初回、英語の先生が開口一番に「この中で英語苦手な人、手を挙げて」と言いました。クラスの何人かが手を上げました。続けて先生はこうおっしゃられました「英語苦手って誰が決めたの?」

私はその質問に「ハッ」とさせられました。英語苦手というのは自分で決めていることなのです。「私は英語が苦手。だから点数が上がらない」と自分で決めてしまっているのです。これが自分リミットです。

自分リミットを見つけるだけでも、ある程度の変化を見出すことはできます。しかし、このリミットは外さなければ本当の成果にはつながりません。

自分リミットの外し方は様々ありますが、もっとも効果的なのは、そのリミットを「否定せずに、認めること」です。

そうすれば、いつの間にかそのリミットが気にならなくなります。

英語がとても苦手だった私ですが、簡単な英会話くらいはできるようになりました。そして、以前に学習塾で英語を教える機会もありました。

自分リミットが外れると、可能性が一気に広がります。…

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自分のことは他人のほうがよく見えている

かつて高校3年生に講演でこんなことを尋ねてみました。

「このなかで一番面白いこと出来る自信がある人手をあげてください。」

誰も手を挙げません。次にこう尋ねてみました。

「では、この中で、面白いこと出来る人を私に教えてください。誰ですか?」

すると高校生たちは周りを見て、指をさしたり、近くの人の手をあげさせようとしたり、「3組の○○くんです」と教えてくれたりしました。結構な数の「面白いこと」ができる人がいるようでした。

自分の認識と周りの人の認識が異なっています。自分では面白ことができるなんて思っていなくても、周りの人が自分のことを「面白いことができる人」と思っているわけです。

自分がすでに知っている部分もありますが、周りの人のほうが良く見えている場合もあります。

特に、自身の自分の長所に関しては誰もが控えめにしか捉えていませんし、長所だと気づいていない場合もあります。それは、長所が自身にとっては当たり前だからかもしれません。

たとえば、オフィスの机がいつもきれいに整頓されている同僚のAさんがいました。「Aさんはいつも机をきれいにされていて、すごいですね。整理整頓のプロですね」なんて言うと、その方は「いや、普通ですよ。整理しておかないと仕事がやりづらいんで」とおっしゃられました。その人にとっては整頓すること、きれいにすることは当たり前のことなんです。だから到底自分のことを「きれい好き」とは認識していませんでした。

自分自身でもっとも分かりにくいのは「当たり前」の部分なんです。実は、この当たり前の部分に、あなたの大切な長所が隠されています。

将来のことを考えるため、絶対避けて通れないのは「自分を知る」ということです。実は自分のことは、よくわかっているようで、そうでもなかったりします。

VCAでは互いの長所を発見しあうセッションがあります。そこでは自分ではまず見つけることができない、自分の良さを認識することができます。…

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