不登校 | 不登校サポート | 家庭と子どもの再スタートを応援します - Part 5

不登校

コロナの休校で昼夜逆転―中学生 高校生が生活のリズムを取り戻のために

コロナの休校があり、その後夏休み。不登校になってしまった上に、昼夜逆転した生活が戻らない

そんなことでご相談を受けることがありました。この状態がいつまで続くのかと心配になるというご相談です。

昼夜逆転は徐々に回復する

3月ごろからコロナウイルスによる影響で、学校が休校になりました。

6月になり、分散登校や午前中だけの授業名で徐々に学校の授業が再開されました。中学生や高校生のお子さんをお持ちのお母さま方から、子どもの生活が昼夜逆転してしまっていて、生活が乱れているというご相談を受けることが増えました。また、本人も「昼夜逆転しているんだ」ということで少々困っているような様子もありました。

学校が再開してしばらく時間がたちます。昼夜逆転していた中学生や高校生の生徒さんも、最初の数日は大変だったようですが、徐々にペースをつかみ始めて、そのまま不登校になることはなかったようです。

ちょっと前に 下記のように記しました。

乱れた生活をどうやって戻すか。→多くの場合、学校が再開したら戻ると思います。登校することで、朝から体を動かすことになります。すると、自律神経のリズムが徐々に戻っていきます。昼夜逆転する場合は、交感神経(起きているとき)と副交感神経(寝ているとき)が逆転しているとも言えます。最初はこの辺りが乱れた状態での登校になりますが、朝から運動すること(登校)でこのリズムが徐々に整うと言われます。また、外に出て動くことで運動にもなりますので、適度に体が疲れ、夜の睡眠も入りやすいということになります。

ただの身体的な要因であれば、最初はめんどくさいとか気分が乗らないという気持ちがあれど、時間と共にこの昼夜逆転が解消していきます。

その一方で、昼夜逆転がなかなか戻らないで、生活のリズムが乱れたままの場合は注意が必要です。

昼夜逆転がもどらないのには3つの理由が考えられます。

昼夜逆転が戻らない理由その1 心の問題を抱えてしまった

約3か月の休校期間は、単に学校が休みになったわけではありません。クラブ活動もできない。塾やバイトにも行けない。社会全体が自粛ということを徹底しました。家には家族が全員います。

しかしながら、中学生や高校生の思春期真っただ中のお子さんにすれば、家族と話をするのは何となく照れくさい。できればちょっと距離を置きたいのですが、毎日家族が全員いるのなかで、なんとかうまく振舞おうとする。

その一方で、反抗期に特有のなんかイライラする感じというのもあって、全然うまくいっていない感じを味わいます。学校から出された課題も今一つ手が付かない。しかし気分転換しようにも外にも出られないし、友達にも会えない。そんななかで、心の調子を崩してしまい、うつうつとした状態になっている可能性があります。

そして家族と顔を合わせたくない結果、家族が寝静まってから行動を開始します。そして家族が起きるころに眠るのです。

終始家族といることがストレスん感じられてそれを回避しようとした結果、昼夜逆転しているほうが、都合がよかったのです。

ところが、心の方はなんだか分からないけど辛い気持ちがあるので、いままでのように朝起きて学校に行こうとすると、おなかが痛かったり、眠気が採れていなかったり、頭痛がしたりします。

コロナによる休校がなければ味わう必要がなかった、ストレスにより心が疲弊している可能性があります。この場合は、しばらくの休息が必要です。可能であれば遅刻してでも、一コマだけでも学校に行けるようなら言って、友達と話したり、外の空気を吸うことで、変化がはじまります。

昼夜逆転が戻らない理由その2 学校に行く意味を問うている

長いところでは3か月も休校になってしまいました。

そしてその間、課題やオンラインの授業、場合によっては教育系のウェブサイトで自分で学ぶことを強いられてきたわけです。そうすると本人の中に「学校行く意味あるの?」という疑問が浮かんできます。

しかも、クラブを頑張っていた生徒であれば、インターハイをはじめとした大会がことごとく中止になる中、学校へ行く意味を見失っている可能性があります。

そういうメンタリティの場合、そこから不登校になる可能性があります。でもそれは本人が弱いわけでも生活のリズムが崩れているからでもありません。そのような思考になってしまった、環境があるので仕方がないところがあります。

この問題の解決方法は「何のために学校に行くのか」を自身で見出す必要があります。もしかしたらこの答えを見つけるのには時間がかかるかもしれません。

しかしながら、この問いに対して自分で答えを見つけることができた生徒は、その後の学校生活だけでなく、人生そのものを前向きに、そして大切に生きることができるようになります。

昼夜逆転が戻らない理由その3 ゲーム依存で夜中にゲームをしている

上の二つが、メンタル的なものであるのに対して、この3つめの理由は厄介です。

オンラインゲームは不特定多数の人とコミュニケーションをとりながら進めていきます。直接顔を知らない相手と仲良くなったり、戦ったりしています。

休校期間の間にゲーム依存になる生徒は増えたと言われています。とは言え、多くは、一緒にプレイする友達が学校に行くので、深夜に一緒にプレイする人がいなくなったことで、徐々に解消していくということも考えられます。しかし、そのゲームの中にはキャラとしての存在感があります。

しかもプレイすればするほど上達して強くなるので、自信もつきます。現実の世界よりゲームの世界の方が、多くの承認が得られるし、容易に自分の能力を高められるので楽しいのです。この世界にハマった場合、積極的に昼夜逆転をする可能性が多いので、なかなか治らないのです。

ではどうやってゲーム依存から抜け出すのかということです。かつてゲーム依存の小学生に関わった時は、一週間でどれくらいの時間をゲームに充てているのかを、本人の証言をもとに図示しました。

多い時には1日15時間やっていました。寝る時間を8時間としてその時間を除いて、どれくらいの時間をゲームに充てているかを計算しました。そして、1週間の時間のうち57%をゲームに充てているということが分かりました。

思った以上にゲームに充てていることに気づき、そこから時間をコントロールするようになりました。

まずは夜のイベントへの参加を辞めることから始めました。そして起きている時間で、サッカーをする時間を増やしました。ゲームに依存して昼夜逆転している間は不登校でしたが、夜のゲームの時間が減ると、学校にもどって行きました。

今でもゲームはしているそうですが、毎日昼夜逆転するほどのことはないとのことです。

依存している状態を客観的に見ることで、自分の異常さに気づけたのがこのケースの良かったところです。この方法が誰にでも当てはまるわけではありませんが、困っている場合は試してみる価値はあると思います。

以上見てきたように、昼夜逆転が休校明けにも治らないのには理由があります。

もし、コロナによる休校が明けてなかなか学校に行けないようだったとしても、

サボりだとか、心が弱いとか決めつけないで、もしかしたら学校に行く意味を見失っているのではと思って接していただけるとお子さんは、学校に行けなくなっている状況に向き合う力を得て、時間はかかっても自ら解決する道を選びだせるでしょう。

昼夜逆転を治すための初めの一歩

では、昼夜逆転を元の生活に戻すにはどうしたらよいか。

朝起きられる人は、起きる。それが無理なら、夕方、散歩やジョギングに行って、夜に眠るように体をもっていく。

それでも無理な場合は、何時に起きてきても服を着替えることです。家着ではなく、外に出る服、制服でもいいです。

不登校、引きこもりの回復のための要素が、朝起きる、服を着替える、夜眠ることなのです。そのいずれか一つでもできると変わってきます。

荒療治はリバウンド(もとどおり)になる可能性が大いにあります。スモールステップで、確実に歩める方法をお勧めします。…

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中学生になると不登校が増える理由

中学生になると激増する不登校その背景には何があるのでしょうか? 平成 30 年度  文部科学省 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果についてより

不登校の人数は義務教育課程の小学1年生から中学3年生にかけて増えていく。特に、小学6年生から中学1年生にかけて倍以上に増えて、そこから中学2年にさらに1万人以上が増えていることが読み取れます。

不登校の定義は文部科学省によると下記のようになります。

年度間に連続または断続して30日以上欠席した児童生徒のうち不登校を理由とする者について調査。ここで「不登校」とは、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しない、あるいは、したくともできない状況にあること(ただし、病気や経済的理由によるものを除く)とされている。

不登校は30日というのが目安になっておりますが、実際には1週間や3日でも本人が「不登校」と認識していることがあります。

中学生が不登校になる3つの要因 文部科学省 平成 30 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について をもとに作成

上の表は文部科学省の調査をもとに作成したものです。中学生で不登校の生徒の「本人に係る要因」として調査された項目を集計したものです。人間関係、遊び・非行は分かりやすいのですが、無気力、不安、その他は具体的に何なのかは見えにくいところがあります。

表面的には、友達との関係、勉強についていけない、学校の雰囲気が合わないなどがあります。それぞれが単独で起こることもありますが、絡み合って複雑ななかで起こります。しかしながらそれぞれは、表層に現れた一つの現象でしかありません。心の中にはいろいろな問題があります。しかも不登校の原因が何か一つだけという明確に決まっていることは、むしろ珍しいくらいです。 特に小学校から中学校は、他校との合流もあり、それまで6年間慣れ親しんだか人間関係が変わること、また本人の体の成長、思春期からくる心の不安定さなどいろいろな要素が作用してきます。不登校していない生徒も、心の中には言葉にできない複雑な思いがあります。

ここでは、友達関係、勉強面、学校の3つの面とその背後にある心の問題を見ていきます。

1友達関係の変化

友達との関係は、いじめに発展しているケースもありますし、あまり気の合わない友達とグループになってしまい、つらい思いをしていることもあります。不登校になり始めるときは、友達関係のつまづきはよくある理由の一つです。小学生の時は男女入り混じっていた人間関係が中学になると男女別になります。異性を意識するあまり、それまで仲良く話をしたりしていた幼馴染ともぎくしゃくしてしまいます。冷やかしの対象になったり、自分の気持ちとは無関係に「○○は△△のことが好きなんだって~」とあらぬ噂を立てられたりします。同姓で仲の良い友達ができればよいですが、そこがうまくいかないと、「友達がいない」という状況が発生します。周りの目を意識することが多い中学生にとって「友達がいない」という状況を受け止めることは大変心苦しく、結果として学校に行くことが辛くなります。

また、「友達がいない」状況を無理に打開しようとして、たいして気の合わない友達とつるむこともあります。これは学校ではなかなか見抜くとができません。実は、これがいじめにつながることもあります。表面的には仲良くしていても、そのグループの中で上下関係ができて「次の数学の時間に、先生にハゲって言え」とか「むかつく女子にちょっと嫌がらせしてこい」とかなんとか命令されていることがあります。教師もクラスメイトも「態度の悪いグループ」として扱いますが、実はその中には、友達がいなくて背伸びして悪い奴らを演じている人もいます。

本来の自分ではない自分を演じ続けることが学校で生きのびる方法になってしまいます。中学生になると親も友達関係をそれほど気にしません。ただ、言葉遣いや私服、聴く音楽や見ている番組、動画などに、「これまでのこの子と違うな?」と思ったら背伸びして友人と付き合っている可能性があります。これは不登校において黄色信号です。どんな友達がいるのか尋ねてみるのも良いと思います。

人間関係の心苦しさを訴える術もないし、訴えたところで一人ぼっちになる。自分でもよく分からないまま学校に行きたくなくなる、いや体の調子が悪くなって行けなくなってしまうのです。

2 勉強についていけない

勉強についていけないというのもよく聞く理由です。小学6年から中学1年で激増している理由の一つは、これがあると思います。授業の進むスピード、出される宿題の量に圧倒されてしまったり、または必死についていこうとして疲れ果ててしまうケースもあります。また、小学校は学習について先生が手厚くフォローされますし、進むスピードも緩やかであります。それが中学になると「自分でやっておきなさい」というスタンスに変わります。

また中学受験を頑張った生徒もいろいろなショックを受けやすいところです。受験を経て、学力がついたと思っていても、進学した学校のレベルが高く置いてきぼりを食らう。そして「ついていけない」ということで休みつつも、負けを認めたくないので「勉強が理由だ」とは決して言わないのです。親も、せっかく入試を経て合格した学校を、いきなり休まれては困りものなので、頑張らせようとします。しかし生徒自身も不登校の理由を言葉にせず、親自身も頑張らせることは、不登校を長期化させる可能性をはらんでいます。

勉強についていけないことはプライドを傷つけることに繋がります。そして、そのプライドのために背伸びをして、頑張り続けようとします。友達に負けたくない、親からの期待、先生への忠誠心のようなもの、いろいろなことが勉強に駆り立てますが、本来の力以上のものを出し続けると当然ながらばててしまいます。この背後にあるのは焦りの気持ちです。勉強についていけない、成績が落ちる、そういうことが周囲に知れたら自分はどんな風にみられるんだろう。そんな思いがあって、頑張り続けようとして、あるとき限界を超えて、プチンと電源が落ちるかのように学校に行けなくなってしまいます。そして、その後は勉強の遅れを取り戻すために、さらに頑張ろうという「気持ち」だけがあり、学校を休んでいながらも、「勉強しなきゃ」と追い立てられます。この焦りを外すためには、それまで関係性のある人(子どもと同じ世界の人)ではなく、まったく異なる第三者(子どもとは違う世界の人)の介入が必要になります。

3 学校になじまない

学校の雰囲気というのはあります。今はテンションの高い学校が多くなった印象があります。元気で積極的な人はその雰囲気は心地よいですが、静かでマイペースな人にはとてもしんどいところがあります。学校の先生も、元気が〇でおとなしいが×というレッテルでクラス経営をされることもあります。おとなしい子に無理矢理、みんなの前で話をさせたり歌を歌わせたり。そして、それができたことが「成長」とされる。しかし、実際は、誰もが明るく元気で積極的、行動的である必要はありません。おとなしい、マイペース、読書や思索にふけるのが好きな人がいてもおかしくありません。

これは中学受験をする際でも一つのポイントになります。我が子がその学校の雰囲気になじむかどうかは見極める必要があります。有名校だからとか、○○大学の付属だからという理由だけで進学しても、子ども自身にとってその学校の生活が酷であってはいけません。学校の雰囲気になじまない中で私学のハイペースの授業についていくことは、慣れない環境の中で今まで以上の力を出さないといけない状況になります。例えるならば魚が陸で水中よりも速く泳がないといけない状況とでも言えます。

学校になじまない場合の子どもの中にある気持ちは、「違和感」です。なんか違うという感覚です。これに関してはプラスに作用することもあり、今までの環境でつくってきた自分の「キャラ」が嫌な場合はこの違和感のおかげで、本来自分が出したかった「キャラ」を出していくことができます。また、このなじまないという違和感については、違和感を感じているもの同士が集まって、そのまま学校生活を送れる場合もあります。

一方で、学校になじまないという中で起きてくるのは先生との相性です。担任との相性はもちろん、教科担当の先生との相性もあります。例えば、美術の先生と相性が悪ければ、その曜日だけ休むということを繰り返します。そのうち、勉強についていけない、休んだ分の課題に追われる、または特定の授業だけ避けていることをクラスメイトなどから「ずるい」と言われるなど、プラスになることはありません。休んだその日は安心しますが、安心はわずかな時間で過ぎ去り、再び「来週はどうしよう」とか「みんなになんか言われるかも」なんていうことが気になり始めます。

学校全体、クラスの雰囲気、先生のクラス経営の方向性、授業担当者との相性、友達の言動など、いろいろなモヤモヤしたことが積み重なった結果、学校に行きたくなくなります。

共通する心の問題は「自分を責める心の声」

不登校になる原因は心の問題です。それが一体どんな心の状態なのかは人やケースによって異なります。大切なのは学校での「キャラ」が本来の自分の持っている性格と離れないことです。学校で背伸びをした生活を続けていくことは、子どもにとってかなり心苦しいです。ちょっとくらいの背伸びならそれは成長の伸びしろともとらえられますが、とんでもなく別人のようにふるまうことは、心を苦しめていきます。

それは自分を責めるという形で現れます。この自分の責めは厄介です。それは自分の心の中で回る独り言です。ですから、周囲の言葉がけや環境の変化があっても、本人の内面が変わらない限りなくなりません。不登校の初期は休むこと自体が重要になりますが、この自分を責める心の声がなくならない限り、子どもの苦しみは続きます。仮に不登校から脱して学校に行き始めても、実は辛かったりします。または不登校にならないけど、自分を責め続けながら頑張っている人もいます。

そういった自分を責める声に耳を傾け、その声を取り去るのが、カウンセラーの仕事であります。

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不登校のなかで「自分には生きている意味がない」と思う

不登校を始めてある程度の時間が経つと、学校に行かない自分を責める気持ちが強くなります。

学校に行かない自分には価値がないと思いこんで時にカウンセラーに対して

「私は生きている意味がないんです」

とはっきりと言葉にする人もいます。

これまでも、不登校している生徒だけでなく、普通に学校に通っている生徒さんでも、自分自身の生きている意味を見出すことができず、死のうとした人の話を何人も聴いてきました。

橋の上に行って飛び降りようとした

何も持たずに冬の山の中に一人で行った

首を吊ろうと思って、ロープの代わりになるものを探した。

包丁を取り出して自分の胸に突き立てようとした

踏切から線路に侵入して横になった

あと一歩のところで命を落とすような行為をしている生徒さんは実は結構いました。しかし、なぜだか分からないけどやっぱりやめようと思ったといいます。

死ぬのが怖い、家族の顔がよぎった、人に見つかってしまった、死体がぐちゃぐちゃになったら迷惑だろうなと思ったとか、なにがしかの思いとどまらせる気持ちがはたらき、死ぬのを辞めています。

自分にたいして「生きている意味」を問うとき、その答えは必ず「意味がある」なのです。しかし、不登校をしていると特に、学校に行かない、社会に適応できない自分はダメな存在と決めつけてしまっているので、自分には生きている意味がないと決めつけて、自殺を図る。でも死ぬことができなかった・・・

一度自殺を試みて、うまくいかなかった場合に、再び自殺を図ろうと思いがあっても、実行に移すまでには結構な時間がかかります。

そして辛いのことはそこから始まります。それは

死ぬことすらできない自分に何の価値があるのか?

とさらに責める気持ちが強くなるのです。不登校が長く続く場合、この自分を責める気持ちと戦っているため、一日中家で、布団のなかにいたとしても、疲れてしまうのです。自分を責める声が、何をしていても聞こえてくるのです。これほど辛いことはありません。こんな時に、人は前向きに考えたり、何か別のことをしようという思いにはなりません。

では、どうするのがよいのか???

それは、自分を責めている気持ちを認めることです。責めたくなる気持ちに対して自分で共感をしていくことです。そんなことできるわけないと思われるかもしれませんが、生きる意味、生きている意味を問うているときに、下手なプラス思考はかえって危険です。問題の本質から目をそらすだけで、返って辛くなってしまうのです。

だから自分の気持ちをそのまま認める。言葉で書くのは簡単ですが、実はこれが結構難しい。「そんなの無理」と思った方はまず、他人からしてもらうことです。

この生きている意味をとうこと、自分の価値のなさを責めることから解放されることが、実は学校に行くいかない以上に大切なことなのです。ここをクリアすることができれば、学校に行かなくても人生を切り開いていく力を得ることができます。

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僕が引きこもりにならなかったのは○○があったから

不登校を経験した大人は思いのほかたくさんいます。また、不登校たくても、我慢して学校に生き続けた人もいます。このコラムでは後者に当たる人のお話をします。

彼は、おとなしい性格であり、集団の中にいるのが苦痛でした。それでも学校に通い続けました。一部の気の合う友人と理解ある先生のおかげで、不登校にならずに卒業し、大学まで行きました。しかし、心の中に「なんか違うな」という気持ちはありました。

そして中学3年生の時に本気で学校に行きたくないと思い、数日休みました。しかし、なんか知らないけど家にいても落ち着かないので学校に行くことにしたそうです。

大学卒業後、就職。そのころには心の中にあった「なんか違うな」という感覚はなくなっていました。そして、順調を続けることができていました。

しかし、働き始めて2年が過ぎたあたりで、これまで何でもなかった資料の整理であったり成果報告などができなくなりました。やろうとしても体が動かない、やっとの思いでパソコンに向かっても頭が真っ白になってしまいました。そして、休職。そのまま体調はもどることなく退職となりました。

それは、彼にとってとても衝撃的なことでした。まさか仕事を辞めることになるとは思ってもみなかったのです。社員寮を引き払い自宅に帰る。親になんと言われるだろう、弟にはふがいない兄の姿を見せたくないな。そんな思いがあり家に着きました。

母親が普通に「お帰り」と迎えてくれたそうです。そして、普段と変わらず家族と食卓を囲みました。食後に彼が「仕事を辞めてしまって申し訳ない」と話すと、母親が「仕事をしていてもしていなくてもあなたは私の子なの。謝る必要はないですよ」と言い、続けて父親が「ここはお前の家でもある。だから居ていい」と言いました。

彼はその言葉に救われました。社会人になり、しっかり働いていた会社を辞めても、自分の存在を受け止めてくれる存在。「これがあったから僕は引きこもらなかった」と彼は話してくれました。

その後、彼はアルバイトをはじめ、非常勤の仕事に就きました。正社員への復帰を目指しつつ、励んでいらっしゃいます。

実はこの「自分の存在を受け止めてくれる存在」というのは不登校の回復にも必要なことです。学校に行くいかないではなく、生きているあなたそのものが大切な存在であるという姿勢です。言葉で伝えることも大切ですが、その背後の態度が大切です。…

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不登校していることを友達がサボりだといってバカにしてくる

不登校をしている人の気持ちを、同年代の人に理解してもらうのはなかなか難しいところがあります。中学生くらいだと、自分の考えでしか物事をとらえることができないからです。高校生になると少しできるようになりますが、それでも理解してくれる人は少ないです。

不登校している生徒さんにとって大切なのは味方をつくることです。これまで一緒に学んでいたクラスメイトやクラブの友人は、同じ環境に身をおいているから味方でいてくれたのです。しかし、不登校という彼らとは違う世界に身を置くと、もともとの学校の友達を味方につけるのはなかなか難しいところがあります。

だから、学校の外に味方をつくるこが必要になります。そそれは同世代ではなく大人であっても良いのです。不登校している辛さやうまく言葉にできない気持ちを受け止めて肯定してくれる存在です。

そういう存在がいると友達に何を言われても耐えきれるようになります。平気にもなります。

友達にバカにされるのは確かに嫌です。でもそこで、友達に合わせるために学校にいくことは、あまりためになりません。

不登校はあなた自身が生き方を考える大切な時間なのです。本来行くべき学校に行かず、勉強やクラブ、友達からも離れ一人になる。それはとても辛く孤独な時間です。しかし、その時間を通じて、自分の人生と向き合い、前に進んでいく人のなんと多いことか。

不登校は決してバカにされて良い時間ではありません。ただ、理解されにくいので「ダメなこと」と認識されますが、不登校をプラスに受け止めて歩んでいる人は結構います。活躍している人もたくさんいます。

不登校をしたから人生がためになるわけではありません。友達にバカにされるから自分が間違っているというのでもありません。

むしろ、堂々と不登校をして自分と向き合ってみてください。必ずその先に希望があります!

不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 空気が読めない子 ― ASD(自閉スペクトラム)の理解 感じ方がちがう子 ― ASD(自閉スペクトラム症)の世界を知る (シリーズ:子どもの「しんどさ」を生物心理社会モデルで理解する 第6回) 感覚過敏/コミュニケーションのズレ

「空気が読めない」と言われる子がいます。集団の中で浮いてしまったり、場の雰囲気が変わっても気づかない。でもその背景には、「感じ方がちがう」世界の存在があります。

ASD(自閉スペクトラム症)は、理解力や努力の問題ではなく、情報の受け取り方・感じ方・構造のとらえ方が異なる発達特性。今回は、感覚のちがいと認知のスタイル、そして支援の考え方を、生物心理社会モデルを軸に整理していきます。

🔗 参考:シリーズ第1回「子どもの“しんどさ”をどう理解するか」https://visionary-career-academy.com/archives/4178

ASDとは何か ― 世界の感じ方が違う子どもたち

ASDは Autism Spectrum Disorder の略で、日本語では自閉スペクトラム症と呼ばれます。「スペクトラム(spectrum)」とは、光のように連続した幅のある性質という意味。その名の通り、ASDには重い・軽いといった線引きではなく、**社会性・コミュニケーション・感覚処理などの特性が人によって異なる“グラデーション”**があります。

ASDの子どもたちは、他者の気持ちや意図、文脈を読み取る脳の働き方が独特です。それは「理解力の欠如」ではなく、「認知スタイルのちがい」。世界を構造的・規則的にとらえる一方で、人の心やあいまいな社会ルールを把握することが難しいのです。

感覚過敏の世界 ― 五感のチューニングが異なる

ASDの子どもたちは、私たちが当たり前に受け取っている感覚情報を、まったく違う強さで感じています。

聴覚過敏:教室のざわめき、蛍光灯の「ジーッ」という音、鉛筆のカリカリ音などが、痛いほど響く。

視覚過敏:蛍光灯の光や人の動きが刺激になり、目をそらす。

触覚過敏:洋服のタグや靴下のゴム、人との接触が苦痛に感じられる。

嗅覚・味覚のこだわり:におい・食感・温度への過敏さから偏食が起こることも。

こうした過敏さは「わがまま」ではなく、脳が感覚刺激をうまくフィルタリングできないために起こります。外界の情報が“全開のボリューム”で流れ込んでくるため、本人にとって世界はしばしば「うるさい」「まぶしい」「痛い」場所なのです。

💡 支援のヒント「静かな場所で話す」「光をやわらげる」「触れずに声で伝える」――環境を一段階“静かにする”だけでも、本人の安心感は大きく変わります。

認知特性とWISC-Ⅴで見えるASDの特徴

発達検査(WISC-Ⅴ:Wechsler Intelligence Scale for Children – Fifth Edition)では、ASDの子どもたちの“感じ方のちがい”が、認知プロファイルとして明確に表れます。

指標 内容 ASDで見られやすい傾向 言語理解(VCI) 言葉の意味理解・常識・表現力 語彙は豊富でも、比喩・冗談・曖昧な表現の理解が苦手 視覚的推論(VSI) 図形・パターンの処理 強み。構造や規則を見抜く力が高い ワーキングメモリ(WMI) 聴覚的短期記憶・思考保持 聴覚過敏などで集中が途切れやすい 処理速度(PSI) 単純作業のスピード 感覚刺激への敏感さ・慎重さから低く出やすい 流動的推論(FRI) 新しい課題への柔軟対応 パターンの理解は得意だが、曖昧な課題は苦手

ASDの子は、構造化された課題に強く、曖昧な状況に弱いという特徴があります。この特性が、学校生活や人間関係で「空気が読めない」「急な変化に弱い」と見られる背景にあります。

🔍 ADHDとの比較ADHDでは「注意の持続」や「衝動の制御」の難しさが中心で、WISCではワーキングメモリや処理速度が低めに出やすい。ASDでは「意味づけ・構造化」の弱さが中心という違いがあります。

生物・心理・社会モデルでみるASD 生物的側面

脳の情報処理ネットワーク(前頭葉―側頭葉―小脳連関など)に特性があり、光・音・触覚への感覚過敏・鈍麻も見られます。こうした感覚処理の違いが、日常の不安や混乱のもとになることがあります。

心理的側面

ASDの発達は、「認知発達(考える力)」と「関係発達(他者とつながる力)」が非対称に進みます。物事のルールや法則を理解する力は高いのに、人との関係づくり(社会的参照・共同注意・模倣)には時間がかかるのです。

社会的側面

ASDの子は、社会の“暗黙の了解”や“空気”といった非言語的な文脈を読み取るのが苦手です。社会の側が「わかりやすい構造」を示してあげることが、適応の第一歩になります。

幼児期に現れる兆し ― 社会的参照の困難

ASDの特徴は、幼児期から現れます。赤ちゃんは通常、親の表情や声を“参照”して行動を決めます(社会的参照)。しかしASDの子は、その参照がうまく働きません。

親の表情を見ない

名前を呼んでも反応が鈍い

一人遊びが多い

こうした様子が、3歳児健診などで指摘されることもあります。「関係発達の遅れ」が、後のコミュニケーションの土台に影響していきます。

構造を愛する ― ルーティンとこだわりの世界

ASDの子どもたちは、世界を“変化”ではなく“規則”で理解します。朝の支度の順番、登校ルート、食事の配置――その子なりの“ルーティン”があり、崩れると大きなストレスになります。

💡 ルーティンは安心の構造ASDの子にとって、こだわりや決まりごとは安心の拠り所。「なくす」ではなく、「理解し、活かす」視点が大切です。

また、規則性への敏感さがあるため、鉄道・時刻表・カレンダー・数字・天気など、明確なパターンを持つものを好む傾向があります。これは「構造を通して世界を理解したい」という自然な表れです。

男性に多い理由とカモフラージュASD

ASDは、男性が女性の約4倍といわれます。生物学的には胎児期のテストステロン量が社会的認知の発達に影響しているという説があり、社会的には女子が模倣・観察によって特性を隠しやすいことも関係しています。

「カモフラージュASD」と呼ばれるタイプは、周囲に合わせようとしすぎて思春期以降にうつや不安症を併発することもあります。

ADHDとの違い ― 「調整」と「構造」 観点 ADHD ASD 主な困難 注意・感情の調整 状況の構造理解 困りごとの原因 「わかっていても抑えられない」 「何が起きているのかわからない」 支援の方向性 刺激を減らす 環境を明確にし見通しを与える

ADHDでは環境の刺激を調整し、ASDでは環境の構造を明示することが支援の鍵になります。

支援のキーワード ― 「見通し」と「安心」

ASD支援の本質は、「次に何が起こるか」がわかること。予測可能な環境が、最大の安心を生みます。

スケジュールを見える化する

状況の変化を事前に予告する

ルールや手順を言語化・明文化する

🧩 柔軟性は“学ぶ”もの安心できる構造の中で、少しずつ変化に慣れていく――それがASD支援の第一歩です。

家庭でできるASD支援のポイント

説明は具体的に、順序立てて 「ちゃんとして」ではなく、「まず〇〇して、次に〇〇してね」と段階を示す。

感情ではなく構造で伝える 「どうしてそんなことするの!」ではなく、「それをすると〇〇になるよ」と結果で伝える。

変化を予告する 「明日は時間割が変わるよ」「お客さんが来るよ」と事前に知らせて安心をつくる。

まとめ ― 「空気を翻訳する社会」へ

ASDの子どもたちは、「空気を読まない」のではなく、**“空気があいまいすぎて読み取れない”**だけ。

社会の側が「空気をわかりやすく伝える」工夫をすれば、彼らは自分の力を安心して発揮できます。

🌱 ASD支援とは、「空気を読む力」を求めるのではなく、「空気を翻訳する力」を社会全体で育てること。

参考資料・引用

American Psychiatric Association (2022).……

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不登校解決のポイントは子どもの本当の悩みに寄り添うこと

「あ~あ、好きなオーディション番組が終わってしまった。去年のほうがよかったな。JO1の方がなんか、自分のオシもいたから見ていて楽しかった。っていうか、今楽しみがないんだよね。だって、現場もないし、コンサートって言ってもオンラインでしょ。オンラインのコンサートってYoutube見ているの変わらないから、ちょーつまんないの。」

不登校の高校生のカウンセリングの一部。正確に言うともう彼女は不登校ではなく、引きこもり気味なだけ。勉強の話は一切出てこない。中学時代は1年の後半から学校にほとんど登校することはなかったが、通信高校に入った。

不登校の子を持つ親にとっての悩みの一つが勉強。中学時代にまったく勉強しなかったが、彼女は高校生になって勉強するようになった。理由の一つは、高校を卒業するためだそうだ。分からないなりに自分で調べて与えられた課題をこなしている。

順調に見える彼女の高校生活にも大きな問題がある。それは進路だ。

不登校の子をもつ親にとって勉強は悩みの種だ。特に、中学2年や高校2年の後半、中学3年、高校3年など受験に関わってくる時期に不登校が始まってしまうと、このままどうなってしまうのか非常に不安だ。

学校側は担任も、スクールカウンセラーも口をそろえて、「今はゆっくり休んで、無理に登校させたり、勉強のプレッシャーをかけないように」という待ちのアドバイス。

親の不安には寄り添ってくれない。そんななか、子どもの進路、受験のことが頭をよぎる。こっちはこのままこの子がどうなってしまうのか、社会に適応できないんじゃないか。不安はどんどん増すばかり。

生徒にとっては学校に行くこと、ひいては朝起きることすらままならないのに、受験勉強なんか考えることは辛いこと。確かに、余りプレッシャーをかけたくはない。話題として敬遠しがちでもある。

しかし、本人も親も、次の進路を決めるこの時期に、悠長には構えていられない。現実問題として「進路をどうするか」が突き付けられる。

本人も何も考えていないわけではない。

むしろ、しっかり考えているからこそ悩んでいるという見方もできる。

進路の悩みはある一つの葛藤でもある。

周りの期待に応えるべきか。

自分の本心を貫くべきか。

この2つだ。この葛藤がうまく言葉にできず「何をしたいか分からない」という表現になる。

本当にやりたいことと親をはじめとした周りの期待のずれが苦しみになってしまう。

この本音は親が聞き出すことは至難の業である。

親に自分の本音を言うと、反対される。そしてその反対は自分の存在否定になる。

第三者が必要になるのは、先入観なく聴ける人が必要だからだ。

不登校の生徒が進路について全く考えていないということはない。

むしろ、毎日元気に学校に行って、クラブをして友達と遊んでいる子の方が将来について真剣に考える機会を逸しているとも考えることができる。

進路を考えるのが苦しい。

うまく言葉にできず、やり場のない気持ちが自責の念を強める。

死にたいという言葉を吐く不登校生もいる。

彼らは自分の将来に希望を持てないでいる。

不登校の解決の肝はここにある。

つまり、将来への希望である。

これさえ言葉にできれば、学校に行く行かないは別として、不登校は解決したと考えても良い。

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不登校になり始めると罪悪感でいっぱいになる

不登校の原因は、不登校になった本人にもよくわからないことがあります。なぜだか分からないけど、朝起きられない、学校の準備をして家を出るけど、途中でおなかが痛くなる、夜は「明日は行こう」と思うが、朝になると気分が重い。身体症状がたくさんでて、本当は行きたい、行かないといけないと思っているけど休まざるを得ない。

そんな中、家にいて時計を眺めながら、「今は体育だな」とか「今日英語の単語テストだったんだよな」とか学校での授業をイメージする。そういう中で、

何で自分は学校に行けないんだろう

学校に行かない自分はだめだ

このまま引きこもってしまうかもしれない

親に迷惑をかける

友達に心配される、もしかしたら嫌われるかもしれない

勉強の遅れをどうやって取り戻そう

こんな不安とが学校に行かない間ぐるぐると、頭をめぐります。そして、こんな自分はダメだという責めが始まります。この自分を責める言葉が、不登校の生徒のエネルギーをどんどん奪っていきます。不登校になり始めてだんだん元気がなくなるのはこの自分を責める気持ちです。

この責める気持ちから解放されていくことが、不登校の解決にとって重要なポイントです。とはいえ、これを取り去る方法はまだ明確には分かっていません。そんな中で最も効果的なのが「認知」を変えることです。自分一人で考えていると同じものの見方しかできません。しかし、他人と話をすることで、自分にはないものの見方が見えてきます。

人と話したり、話を聴いたりして認知の枠組みを変えていくことで、気持ちが楽になります。自分の責めから解放されると、不登校という状態に何らかの変化が現れます。これは必ずしも学校に戻るということではありません。何かの役に立ちたい、自分にもできることがある、という気づきが起きてくるのです。そこを考えていくことができれば、一つの解決となります。

不登校の初めにある罪悪感はあるいみ、幻でしかありません。その幻に支配されている状態が続くと心が苦しくなり、不登校が長引く恐れがあります。

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不登校の克服にどれくらい時間がかかるのか?

不登校のお子さんをもつ親御さんの心配の一つが、いつまでこの状況が続くのかということです。

学校の先生と話をして、「しばらくは様子を見ましょう」となりますが、実際は様子を見ていても何も変わった様子はなかったりします。むしろ、ちょっと元気になっていて「こんなに元気なら学校に行けるのではないか?」とさえ思ったりもします。

しかし、そのことを問うと、お子さんは黙ったり、機嫌が悪くなったりします。学校に行くからOKで学校に行かない自分はダメだという思いをお子さんが持っている可能性があります。

普段一緒に生活していると、心の変化は見えにくいところがあります。この変化は近しい存在に見て取ることは難しいところがあります。

たとえば、一緒に住んんでいる親が、子どもの身長が伸びたり、顔つきが徐々に大人びてきていることには気づかず、久しぶりに会った親せきなんかが「大きくなったね」とか「大人っぽくなったね」と変化を見ることができるようなもので、第三者の介入がないとできません。

不登校の対応で一番よくないのが「焦り」です。それはお子さんを焦らせることも問題ですが、お子さんに、学校のことや将来のことを尋ねることが難しい、親御さんの方が抱えやすいです。

不登校のお子さん自身も不安を抱えていますが、実は、親御さんの不安の方が大きく、その不安を敏感に感じ取って、子ども自身がさらにプレッシャー受けるという悪循環を生み出すことさえあります。

焦って解決することが、不登校の期間を短くすることはあまり考えられません。一時的に復帰したとしても、また不登校にならないとも言い切れないのです。

いつまで続くかという不安を解消することも大切ですが、「いつまで続いても大丈夫」と心の根をしっかり持つことをお勧めします。…

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生きてる意味ってあるんだろうか?―不登校しながら考えていませんか?

不登校の中で苦しくなる問い―生きる意味があるのか?

生きる意味があるのだろうか?

こんなことを自分に問いかけたことありますか?

この問いの答えはなかなか出すことが難しいです。そして、問いかけたことで頭は考え続けますが、ネガティブなところに行きついてしまいます。そして苦しい気持ちになります。不登校していてただでさえ苦しいのに、こんなことまで考えてしまう自分はおかしいと思うことさえあるのではないでしょうか?

この問いかけをしてしまう心の中には

生きている意味がない生きている意味が分からなくなった生きているのが辛い死にたい

こういった思いがあるのではないでしょうか。

いずれにしても、一人でこの問いを考えることは苦しいことです。

それは、答えが出ない、そして誰も教えてくれない問いに一人で立ち向かわなければならないからです。不登校している中学生や高校生、場合によっては小学生も自問している可能性があります。

そして、自分でもうすうす分かっているのは、「生きている意味があるのか?」と自分に問うた時の答えはかならず「意味がある」なのです。「意味があるんだ」と答えたいのです。でも、その答えに納得できない、自身が持てないのです。

それは生きている意味がある理由を明確に答えられないからです。「勉強ができる」「クラスで人気がある」「スポーツが得意」「絵がうまい」「歌声がきれい」など何かしら目に見える根拠となる理由が欲しいのです。

ところが、この自分に生きる意味を問いかけるときというのは心の調子が絶不調の時なのです。

「勉強したくない」「学校に行きたくない」「人に会いたくない」「何もしたくない」

それまで楽しいと思っていたことや、充実していると感じていた日々が突然、色あせてしまい、自分にとって距離のあるものに思われるのです。世界からの疎外感を感じてしまうのです。「精神的な孤独」状態に陥って、唯一無二の存在である自分自身と向き合う。そのときに「私って生きている意味があるのだろうか?」と問いかけることが始まります。

この問いと向き合うことは苦しいです。でもそんなことを自分で考えているなんて人には言えません。「精神的な孤独」状態を知らない人にとってはどうでもいいことなのです。でも、この問いにハマってしまう人にとってはとても辛い自問の日々が始まります。

そして、自分が生きる意味を証明するために、何かを頑張ろうとするのです。そして、ある程度のところまで行くと「虚しさ」を覚えます。自分が生きている意味はこれじゃない。これじゃ証明できないと。自分を責めることが始まり再び問いと向き合います。

不登校をしたり、引きこもったりしている人の多くがこの問いと向き合い、もがき苦しんでいます。

生きる意味を求める問からの解放

不登校をして、うつになった中学生。彼女は約3か月の間いと向き合いました。学校に行かない、勉強はしない、かといってこれと言って打ち込める何かがあるわけでもなく、ネットで動画をみたり、ゲームをしたり、見ず知らずの人とチャットをしたりしながら過ごす日々。こんな人生に何の意味があるのだろうかと悩み苦しんでいました。

時には「私は生きる意味がない」と自殺しようとして試みたこともあります。でも、「ここで死んだらもったいないな」と思ったそうです。その時は何がもったいないのかはわかりませんでした。

その間、私ができたのは話を聴くだけ。時には「ねえ、どうしたらいいの?」と迫られることもありました。そして、とうとうセッションにも現れなくなりました。どうしているのかなと思っていましたが、約1か月のブランクの後、連絡がありました。生きる意味を求める問から抜けていました。

何があったのかと話を聴くと一言「馬鹿らしくなった」と。

「別に意味なんかなくたって、楽しいことがあればそれでいいやと思ったんです。だって、自分の人生なんだから、意味はあってもなくてもどっちでもいい。それよりも楽しい時間がたくさんあればそれで充実しているから気にしないことにした。というより気にならなくなった。もし、意味がないとしても、こうして生まれてきたんだから仕方ないじゃんかと思うようになったんです」

「意味があるかないかにこだわって何もしないよりも自分が楽しいと思うことをやっていればそれでいいので、この夏は思いっきり遊ぶことにしました」

それが彼女の答えだった。今でも彼女とのセッションは続いている。でも、もう自分の生きる意味を問いかけて苦しい状況の時とはまるで違う。

生きている意味があるかないか。それを考えることも時には必要なのかもしれません。でも、その問いに縛られて苦しむことにあまり意味はないのかもしれない。

最近「生きる意味があるのか?」を自問して苦しんでいる人からの相談が多いので、感じるところを書いてみました。

最後までお読みくださりありがとうございます。

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中学生になって不登校 勉強嫌いの息子が勉強に目覚めた理由とは

中学生になって不登校 勉強嫌いの息子が勉強に目覚めた理由とは

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。 今回は、不登校になり勉強嫌いになった中学生の息子が、どのようにして再び勉強に向き合うようになったのか、その理由とプロセスについてお話しします。

不登校になると、多くの子どもが勉強に対して興味を失ってしまいます。 それまで真面目に取り組んでいた子でも、突然やる気をなくしてしまうことがあります。 親としては、「やればできるのにもったいない」と感じることでしょう。

 

しかし、不登校の子どもたちは、日々を生きることに精一杯で、先のことを考える余裕がないのです。 それでも、心の奥底では「高校に行きたい」「勉強しなければ」という思いを抱えていることが多いのです。

中学生が勉強嫌いになる原因 学校の勉強が難しくなる

小学校までは授業についていけていた子も、中学校の英語や数学の難しさに直面し、苦手意識を持つようになります。 特に、英語の文法や数学の抽象的な概念に戸惑い、勉強が嫌いになることがあります。

授業のスピードについていけない

中学校では授業時間が長くなり、進むスピードも速くなります。 小学校のように丁寧な繰り返しが少なくなり、理解が追いつかないまま進んでしまうことが、勉強への苦手意識につながります。

勉強の仕方がわからない

中学生になると、自分に合った勉強法を見つけることが求められます。 しかし、多くの子どもはその方法がわからず、成果が出ないことでますます勉強が嫌いになります。

クラブ活動に熱中しすぎる

クラブ活動に夢中になるあまり、勉強に意識が向かなくなることもあります。 体力的にも時間的にも余裕がなくなり、勉強を後回しにしてしまうのです。

勉強する意味がわからない

 

「なぜ勉強しなければならないのか」という疑問が生まれ、勉強に対する意欲を失ってしまうことがあります。 この疑問が深まると、自分の存在意義にまで考えが及び、勉強どころではなくなってしまいます。

勉強嫌いから抜け出すために 勉強を強制しない

勉強嫌いな子どもに無理やり勉強させても、逆効果になることがあります。 強制されることで、ますます勉強に対する抵抗感が強くなり、やる気を失ってしまいます。

将来に目を向けさせる

勉強の意義を見出すためには、将来について考える時間を持つことが大切です。 「将来の夢を叶えるために、今の勉強が必要なんだ」と気づくことで、勉強への意欲が湧いてきます。

雑談の力を活用する

勉強や学校とは関係のない雑談が、子どもの心を開くきっかけになります。 何気ない会話の中で、子どもが自分の気持ちを話しやすくなり、勉強への興味を取り戻すことがあります。

ここに見出しテキストを追加

不登校や勉強嫌いの子どもに対して、無理に勉強をさせるのではなく、将来の目標や夢について話し合うことが大切です。 また、日常の雑談を通じて、子どもの心を開き、勉強への意欲を引き出すことができます。 子どもが自分のペースで前に進めるよう、温かく見守っていきましょう。

ビジョナリーキャリアアカデミー カウンセラー大久保智弘

これまで、数百人の中学生・高校生の不登校をサポートしてきました。お子さんの不登校や勉強に関するお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

コラムを最後までお読みいただき、ありがとうございました。 お子さんの不登校や勉強に関するお悩みがありましたら、無料でご相談を承っております。 お気軽に

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本連載は、子どもの「しんどさ」を「生物・心理・社会」の三つの視点で読み解きます。

基本となる考え方(生物心理社会モデル)の解説は→ https://visionary-career-academy.com/archives/4178

「食べる」「食べない」に隠された心の叫び

思春期になると、「太りたくない」「食べるのがこわい」「食べたら吐きたい」と訴える子がいます。夜になると過食が止まらず、罪悪感から吐いてしまう子もいます。

食べることは生きるための基本的な行動ですが、摂食障害(Eating Disorders)は単なる食の問題ではなく、心・体・社会のバランスが崩れたときに起こる心身症状です。

生物・心理・社会 ― 三つの視点で整えていく 生物(Biological)― 命を脅かす「飢餓」のメカニズム

摂食障害は、圧倒的に女性に多い疾患です。厚生労働省の調査(2020年「思春期・青年期の摂食障害実態調査」)によると、日本の女性の約0.5〜1%が一生のうちに神経性やせ症(Anorexia Nervosa)を経験し、男性の約10倍の発症率とされています。

食べない状態が続くと、体は「飢餓モード」に入り、心拍・代謝・体温が低下します。極端な場合は体重が30kgを下回り、心不全や電解質異常によって命を落とすこともあります。

さらに、本人は「やせすぎ」と指摘されても、自分を「太っている」と感じる――。これは、**身体像のゆがみ(Body Image Distortion)**と呼ばれる特徴です。

この段階では、脳そのものが飢餓状態に支配され、判断力や感情制御が低下し、「まだ足りない」「もっと減らせる」という思考が止まらなくなります。つまり、意志や性格ではなく、脳が飢餓に支配されているのです。

心理(Psychological)― 「やせることで自分を保つ」

摂食障害の多くの背景には、完璧主義・負けず嫌い・強いべき思考があります。

・何事もきちんとやらなければならない・失敗してはいけない・他の人より劣ってはいけない

こうした強い自己要求が、「体重」という客観的な数値に置き換わります。

「この数字なら私は大丈夫」「この数字であの人より細い」

やせていることは、他者より「優位である証拠」になり、周囲の女性より細いことで安心感と優越感を得る。

ジムの鏡に映る自分の細い体や、温泉で他人が驚いた表情を見た瞬間に「勝った」と感じる――。この小さな“勝利感”が、脳の報酬系を刺激し、さらにやせようという衝動を強化していきます。

やがて、体重計を常に持ち歩き、一日に何度も測るなど、体重への強迫的執着が生じます。

また、摂食障害の方の中には、**リストカットやオーバードーズ(過量服薬)**を併発することもあります。「完璧でいられない自分」を罰するかのように、身体的な痛みで心の苦しさを和らげようとするのです。

社会(Social)― SNSがつくる「比較と劣等感の時代」

現代のSNSは、情報を共有するツールであると同時に、他人との比較や劣等感を刺激する装置になっています。

タイムラインには「理想の体型」「完璧な生活」「映える食事」が並び、「自分はまだ足りない」「もっと頑張らなきゃ」という思考が強化されていきます。

SNSは、私たちの脳の報酬系を刺激するように設計されており、「誰かより上でありたい」という競争心を無意識に掻き立てます。その中で、「やせている=優れている」という文化的な価値観が強化され、子どもたちはそこに“居場所”を見出してしまうのです。

家庭や学校でも、「ちゃんと食べなさい」「太った?」といった何気ない言葉が本人にとっては「否定」や「監視」として響くことがあります。

食の話題を避け、安心できる日常会話を増やすこと。それが家庭でできる最初の支援です。

医療と治療の必要性

摂食障害は、医療介入が欠かせない精神疾患です。放置すると身体合併症や自殺リスクが高まり、早期治療が必要です。

DSM-5では、主に次の3タイプに分類されます。

神経性やせ症(Anorexia Nervosa)

神経性過食症(Bulimia Nervosa)

過食性障害(Binge Eating Disorder)

治療では、体と心の回復を同時に進めることが基本です。

栄養管理と内科的治療

認知行動療法(CBT)

家族療法・心理教育

特に認知行動療法は、摂食障害の根にある完璧主義や「〜すべき」思考をやわらげ、「体重=価値」ではない自己評価を育てていく方法として有効です。

日本では、国立病院機構久里浜医療センターをはじめ、摂食障害専門外来を設ける医療機関が増えています。適切な治療によって回復できる病気であることを、まず知ることが大切です。

家庭でできる支援

・体重や見た目の話題を避ける・「食べた?」「太った?」ではなく、「今日はどう過ごせた?」と聞く・「食べてほしい」より「一緒に過ごしたい」と伝える・医療機関やスクールカウンセラーに早めに相談する・家族自身も心理的サポートを受ける

親の育て方の問題ではありません

摂食障害は「親のせい」ではありません。まじめで努力家な性格が極端な方向に働いた結果として、心と体のバランスが崩れてしまったのです。

しかし希望があります。専門的支援を受けた多くの人が、数年をかけて健康な体と自己肯定感を取り戻しています。焦らず、時間をかけて回復を見守ることが、何よりの支えになります。

参考・参照

・厚生労働省(2020)「思春期・青年期の摂食障害実態調査」・American Psychiatric Association (2022).…

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社会で役立つ力って何だろう?

何を提供しているのか?

皆さんこんにちは。VCA代表の大久保です。

VCAはどんなことを皆さんに提供しているのかということをよく問われます。

ここは、学習塾ではありません。つまり、問題をたくさん解いて、テストの点数を上げる勉強をするわけではありません。

テストの点を上げる最終的なゴールは、入試に受かることです。高校入試や、大学の入学のための選抜試験をできるだけ良い点を取って、パスするために点数を上げていくといくのが学習塾です。

では、VCAは何をするところなのか?

ここは社会で役立つ力を育んでいくところなんです。

入試の勉強で学んだことが社会に役立つこともありますが、全部が全部皆さんにとって絶対に必要かと言われると、そうではありません。社会人になって、学生時代にもっと勉強しとけばよかったという人は多くいます。

でも、「社会で役に立つ力っていうのは、どんなことなんですか?」と問うたとき、

「受験勉強」と答える人は私の周りにはいなかった。

社会に出て役立つ力、必要となる能力

社会で役に立つ、そして必要なのはコミュニケーション能力だと答えた人が多かった。

どんな職場にも人間関係はあります。私もかつてカウンセラーをしているときに、社会人のカウンセリングで多い悩みは人間関係でした。

上司とうまくいかない後輩が言うことを聞かないです。

実は同僚が仲の良い同僚とケンカしてしまった・・・などなど

やっぱり人間関係での問題が多いわけです。

だから、コミュニケーション能力を身につけるということが大事だと言う人が多かった。

もう一つは、発想する力とかアイディアを思いつく力など「考える力」が重要だという人もいました。

テストのための勉強は「正解が一つ」です。それは○×をつけて、点数化して、合格不合格を判定しないといけないからです。その答えは誰が見ても正解か不正解かが明確にわかるものでないといけません。この勉強で身に付く考える力と、VCAで皆さんに身に付けてほしい考える力は異なります。

社会に出て必要となる「考える力」は、正解が決まっていない問いを解く力のことです。どうやったら売り上げが伸びるか、どうやったら良い商品を開発できるか、どうやったらもっと人に喜んでもらえるサービスができるか・・・こういったものは、正解が分かりません。ですから、たくさんアイディアを出して、実験してみてフィードバックを得て、改善していく必要があります。当然、失敗することもあるし、予想ではあまりうまくかないと思われていた方法が、良い結果をだしたりすることもあります。

社会に出て必要とされる能力の多くは数値化することがとても難しいのです。

コミュニケーション能力一つとっても、分かりません。おしゃべりが上手な人も、相手によっては「うるさい」と不快な印象を与えるかもしれないし、逆に普段は口数が少ない人が、大胆な発言をして周りを驚かせたり。測ることができない力なのです。考える力も同様です。

ましてやAIが発達しているこの時代。

正解が決まっているもの、数値化できるものは、技術が発達すればどんどん、AIに置き換わっていきます。一つの正解をだすスピードは人間よりもはるかに速いし、正確です。だからそこと戦っても仕方がないわけです。

もちろん、知っていることがないと、考えることもできません。覚えたり、記録したりすることは、考える力の土台となる大切な力です。ですから、知識を蓄えることが無駄だとは思いません。むしろ、それはそれで必要なことです。

正解が決まっていない問いに答えることができるのか?ということです。ネットで検索することで分かることもたくさんあります。しかし、知りたい情報を得るために、どんな検索ワードで調べればよいのか?を考えないといけないのです。そしていろいろと言葉を当てはめたりして、やっとたどりつく。または、その情報に詳しい人のサイトに出会う。

さて、そこからどうするか。メールアドレスが公開されていればメールをする。書籍を出版されていたら本を手に取ってみる。ここも考えないといけません。それに加えて判断しないといけません。その人が信頼できるのかどうか。その情報が本当に正しいのか?この人と連絡をとってよいのか。などなど。

この判断も考える力の延長線上にあるものです。考えた結果どうするか?という判断です。

VCAの授業

さて、元の問いに立ち返りますね。

VCAは何をするところなのか?

社会に出て役立つ力 コミュニケーション能力、考える力を例に挙げましたが、ほかにもたくさんあります。

そういった力を育んでいくわけです。

そのために、毎回の授業で2つのことを行います。

1回の授業が80分。その授業の中でディスカッションと自己の振り返りを行います。

前半がディスカッションです。

毎回異なるテーマでディスカッションをします。その目的は自分の考えを言葉にすることです。頭によい考えが浮かんでも否定されたり、おかしいと思われたらいやだという思いに邪魔されて発言できないことがありませんか?それはとてももったいないことなのです。

VCAのディスカッションでは、発言を否定されることはありません。ですから、ここでは安心して自分の考えを表現してほしいのです。将来を考えるうえで、考え付いたことを言葉にすることはとても重要です。なぜなら、進学や就職するときに問われるのは「あなたはどんな考えがあって、この進路を選択されたのですか?」ということだからです。ありきたりな答えや、誰かがの考えをかりた言葉で表現しても、相手に思いは伝わりません。

自分の思いを自分の言葉で表現できる力は自己アピールにも、プレゼンテーションにも、進路選択の先にある「仕事」をしていく際に欠かせない能力の一つです。

このディスカッションがコミュニケーション能力を育んでいくのです。それは、単に話せると聞けるというだけにとどまらないのです。全体の流れをつかむ、空気を読む。人の反応を予想しつつも、恐れずに発言できる力です。聴く力も同様に、相手の話途中で口をはさんだり、反論したりしないで、最後まで落ち着いて聴く。そして相手の言いたいことの趣旨が分かるようになります。そうすると、互いに「分かり合える」ことができます。

コミュニケーション能力を高める真の目的は信頼関係を築く力です。ディスカッションを通して、考え、発言し、他人の発言を受け止め、建設的な議論ができる力が身に付いていきます。

後半が自己の振り返りです。

自己の振り返りをする目的は二つあります。一つは自分で決めたことができたという達成感覚をたくさん味わうためです。達成感覚の積み重ねが「自信」になるからです。二つ目は、自分の現状をよく認識するためです。

毎回、その週をどう過ごすか、ミニ目標を設定します。その目標達成に必要な行動を3つ決めます。その行動ができたかどうかを振り返るのです。すべてできるに越したことはありませんが、できなかった場合にも、実はそこには貴重な情報があるのです。

行動ができなかったのには、必ず理由があります。その理由が実は、達成したい目標を妨げている原因だからです。それは、面倒くささだったり、時間がないということだったり、難しすぎたりするなど、いろいろ考えられます。普通なら言い訳だと否定されることかもしれませんが、単に否定しただけでは、次なるやる気になりません。行動できなかった理由をきちんとケアすることで、自分にあった目標達成までの行動計画が立てられようになるのです。そして、行動できた場合にも、次の目標をいきなり決めるのではなく「なぜうまくできたのか?」を振り返ります。そうすることで、自分自身の成長を感じ、そして強みを知ることができます。この振り返りが毎回積み重なって行くことで、自己肯定感が高まっていきます。これは、ちょっとやそっとではおれない強い心を育てることになります。また、目標毎回たてるなかで、時間の使い方がうまくなる、初めは3つだけだった行動を5、6つと増やすことができるようになります。無駄な時間の使い方をしなくなります。そして何よりも、目標設定を繰り返していくことで、徐々に「何のために」という目的意識も強まり、考える力が強化されます。

目的にかなった目標設定をする力は、将来の自己実現をグッと引き寄せることにもなるのです。

VCAの授業の中に社会に出て役立つ力が育まれる仕掛けがたくさんあります。身に付けてほしい能力は、難しいかもしれませんが、実際に生徒さんに取り組んでいただくことはとても簡単です。簡単なことを繰り返していくうちに身に付くことがたくさんあります。

VCAのカリキュラムは1年で1周りするように設計しております。

1年間、毎週80分を自分の未来のために充てることで、将来の充実はもちろん、今の学校生活にもやりがいを感じていただくことができるようになります。…

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