自立 | 不登校サポート | 家庭と子どもの再スタートを応援します

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不登校の対応がどうして難しいのか?

不登校の対応がどうして難しいのか? 不登校対応の難しさの理由

お子さんが登校をしぶるようになってから、ご相談をされる親御さんが「何をしたらよいですか?」と尋ねられます。

目の前で苦しんでいるわが子を見て何かしてあげたいというのが本音だと思います。しかしながら、不登校対応はなかなか難しいのが現状です。その一つが「個別性の高さ」です。

書籍やネットの記事にある情報から対応策を得ても、なかなかうまくいきません。場合によってはそれが逆効果になることさえあります。

あるお子さんにはうまくいく方法が別のお子さんでは全く通用しないということや、同じお子さんでも中学1年の時にはこれでうまくいっていたけど2年生になると通じなくなった、なんてことがあります。

個別性が高いからこそ、しっかりと看取る必要がある

不登校になるとカウンセラーをすすめられる理由が、今お子さんが置かれている状況をしっかりと看取る必要があるからです。

カウンセラーは話を聴いているだけだと思われがちですが、表情や来ている服、話し方や動作などあらゆるものを観察しています。

言葉以外の情報からも、お子さんの状況を看取ります。または、言葉では「学校は嫌い」と言いながらも、学校のことばかり話す人や、友達の話を良くする人などは、言葉で言っていることと、心の底にある気持ちが矛盾していることもあります。(これは本人も気づいていないこともあります)

そういった矛盾点なんかからも情報を得て、見立てていきます。この見立ての精度が上がれば上がるほど、対応策が効いてきます。良い対応をするためにはある程度の時間と、面接する回数が必要になります。

親御さんの見立てと、カウンセラーの見立て、それ以外の情報などを情報を共有していきながら、徐々に本人が言葉にできない内面の苦しさや、これからどうしていきたいか、ということを考えていきます。

複数の目でみるからわかることがふえる

ただし、どれだけ凄腕のカウンセラーでも、お子さんと面接する機会も時間も限られています。親御さんが普段みている情報もないと、よい見立てはできません。

親だけでもカウンセラーだけでも偏った見方になりますが、複数の立場の違う人が、見ることで見えてくるものが必ずあります。

そして見る人によって「違う」意見が出ることが大事です。オープンダイアローグを日本で推進されている精神科医の斎藤環先生は「専門家でも意見が異なるということをクライエント(患者さん)に見せることが大事だ」とおっしゃられました。

学校での様子と、家庭での様子が同じということはありません。家庭においても、母親と接するとき、父親と接するとき、兄弟姉妹と接するときにお子さんの態度は違います。

複数の目があることで本人の中にある「多様さ」を互いに知り合うことも、お子さんの理解をする上で、そして対応策を考えるうえで重要な要素となります。

 

個別性が高くてもこれだけは守ってほしいこと

 

大事なことは、どれだけ周りの大人が不登校で苦しんでいるお子さんのことが分かったとして、先回りして、結論をだしたり、今後の方針を決めたりしないことです。情報提供までは良いですが、選択、決定についてはあくまで本人にゆだねることです。

これまで、いろいろなケースのカウンセリングをしてまいりましたが、この1点についてはブレたことがありません。逆に言うと、どういう状況でも本人に選択・決定をゆだねていく、というこさえ守っていけば、状況が改善していくということでもあります。

お子さんの状況をみてもどかしい気持ちになることもあると思いますが、カウンセラーの多くが「見守ってください」とお願いするのは、本人が決めるまで待つ、という姿勢が、不登校から抜け出していくうえで欠かせない要素だからなのです。

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不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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もっと読む 2025年4月22日 勉強・進路と将来の不安 親として、どこまで関わるべき?春の“ちょうどいい距離”の話 親として、どこまで関わるべき?春の“ちょうどいい距離”の話

2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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不登校したお子さんが自立するプロセスで起きている心の葛藤

不登校のお子さんが自立するプロセスで心の中で起きていること 不登校の解決は自立であると述べてきました

私は不登校の解決は自立であるということを述べてまいりました。ここでいう自立とは自分の意志表示をして自分で決定することを促すことが自立であるという認識です。この自立を促すカウンセリングをしていくことで、徐々に自己肯定感が回復し、自己卑下や自信のなさが解消していきます。そして結果として行動が生み出されて行きます。

自立のプロセスで起きる心の葛藤

お子さんが、自分の意志で決定していく上では、必ず葛藤が起きます。自立する前のお子さんは依存している状態です。(これは必要な依存ですので無理に辞める必要はありません。)この依存状態にあるときは、親に甘えているので、親が決めることに従順に従います。また自分で決めているようでも親の顔色を窺っている様子や、最終的な判断を親にゆだねるということもあります。

しかし、自立するとなると誰かの顔色や他人に判断をゆだねるわけにもいかないのです。そこには自分で決めたという責任を全うする必要が出てきます。この時に恐怖心や自信のなさが出てきます。

考えることを面倒くさいという感じで放置する人も出てきます。また、親の意に反する決定をすることに葛藤を覚える人もいます。

こういう心の中で起きているさまざまな感情の渦が子どもさんを押しつぶすくらいのプレッシャーになることもあります。不登校のお子さんはこういう複雑なプロセスが非常に重いケースがほとんどです。

葛藤しているお子さんにどう対応したらよいのか?

葛藤しているお子さんはとげとげしていて、ザ・反抗期という態度をとるお子さんも少なくありません。口数は減り、聴きたいことにも応えてくれず、何を考えているかわからないという状態です。実際本人も何をどう考えたらよいか分からない状態です。その時に「どうするの?」なんて尋ねられたら腹が立ちます。

葛藤しているお子さんに親御さんができることは本人が答えをだすことを待つこと、そしてたわいもない話で関係をつなぐこと、この二つです。

待つことは信じて待つことですので、「今は何もしていないけどきっと大丈夫」お子さんにたいして温かいまなざしを持つことです。たわいもない話は雑談程度で大丈夫です。この雑談は関係を維持するうえで重要です。ここでつんけんした態度に負けてしまうと、お子さんの不安が非常に強くなります。

親に求められる忍耐力

ここで親に求められるのは忍耐力です。ただしどんな人間にも忍耐力には限界があります。お子さんには温かいまなざしを持ちつつも、どこかで不安や不満を吐き出す必要があります。それが夫婦やご自身の親御さんとの会話で解消できると良いです。それが難しければ、不登校の親の会やカウンセリングを受けることで、忍耐力を回復させると同時に関わり方の具体的な知恵を得ることができます。

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変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

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ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

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不登校のお子さんにかかわるときに 親が持つべき最も必要な心構え​

不登校のお子さんにかかわるときに親が持つべき最も必要な心構え 言葉のかけ方よりも大切な心構え

不登校のお子さんを持つ保護者の方から受ける質問の中にある、「なんと言葉をかけたらよいでしょうか?」というものがあります。状況に応じていろんな言葉をかけることができます。しかし、お子さんへの優しく、受容的な言葉のかけ方をいくつ暗記してもあまり意味はありません。それ以上に大切なのは、どういう思いで言葉をかけたり、接したりしているか、ということです。

親の思いはすぐに見破られてしまう

子どもさんにたいして、学校に行かせたい、勉強させたい、という思いがあるままで「学校に行かなくても大丈夫」とか「学校に行っても行かなくても私にとって大事なこども」という言葉をかけても、子どもはその言葉の背後にある思いを見破ります。

不登校しているお子さんは、感受性がするどく、表情や言葉のトーンなんかを敏感に察知します。察知しすぎるからこそ、しんどい思いをして学校に行きつづけて、休まざるを得ないくらい消耗しているとも言えます。言葉だけを変えてもうまくいきません。

大切なのは、子どもへの信頼

不登校しているお子さんは、心配な存在です。勉強もしない、人ともつながりがない、進路も決まらないとなると、どこから心配して良いのかすら分からないくらい辛い気持ちになります。そして、あれこれと手をまわして、教材をあてがったり、塾を提案したり、カウンセラーや医者に引き合わせようとしたりします。それ自体は決して悪いことではありません。進めてもらっても大丈夫です。ただしその根本においてほしいのは「心配」ではなく「信頼」です。

お子さんに対する信頼、「今は不登校して家にいるけど、必ず自分で立ち上がって、次のステップに進むことができる」という確信をもって接して差し上げることです。

言葉がけよりも、信頼されている気持ちが嬉しい

子どもにしてみれば心配されることは、「自分はダメな人間だ」とネガティブにとらえてしまう可能性があります。それとは逆に「あなたは大丈夫だもんね」と言葉にはしない思いをいだいて、日々接していくことで、子どもさんの心根にエネルギーを与えることになり、結果として、立ち上がって何らかの行動を起こすきっかけになります。無理に引き起こさなくても、必ずお子さんは立ち上がります。そこへの信頼を持ち続ける忍耐は確かに大変です。しかし、お子さんにして見れば、その忍耐こそが自分が抱える不登校という重荷を一緒に背負ってもらえている気持ちになり、心強いサポートを感じることになります。

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雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

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まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

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近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

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学校に戻る以上に大切な不登校の解決とは!?

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不登校に悩むお子さんを抱えるお母さまへ

不登校しているお子さんの関わり方のキホンが分かるセミナー

お子さんとの関わり方を変える 不登校がなかなか解決しない3つ理由 1 不登校の解決が何かが不明確

不登校における解決というのは何か?実はこれは結構不明確なのです。学校に戻ることは一つの解決です。学校に戻ることが大事だということでそこを強調する学校の先生やカウンセラーもいらっしゃいます。確かに学校に戻るというのは、目に見えて「解決」ということが分かるのでそこを目指したくなる気持ちも分かります。しかし、実際にはそれでは根本的な解決になりません。また、解決ということが、進学や卒業でごまかされてしまうことも問題です。ここが不明確なまま、医療やカウンセリングを受けても状況が良くなるということがあまり見られません。不登校の解決を「自立」と定めることで、どういう関係を築き、適切なコミュニケーションが何かが明確になります。

2 子どもがなかなかカウンセリングを受けようとしない

「うちの子が不登校がだから息子のカウンセリングをお願いします」という問い合わせはあります。しかし、実際にお子さんがカウンセリングを受けてくれるケースは極めて稀です。実は、カウンセリングを無理に受けても効果は極めて薄いです。というのはカウンセラーとの信頼関係がないからです。むしろ、不登校対応で心身ともに疲れている親御さんが受けるほうが効果期待できます。それは、親御さんの精神的なストレスが軽減されることでお子さんへのかかわりが変わるからです。

3 なんと声をかけてよいか分からない

ベッドでふとんをかぶっている、部屋から出てこない、食事も満足にとらない。顔を見ても不機嫌そうで、「おはよう」と言っても特に返事がない。何を話しかけても反応が薄く、ちょっと質問すると「うるさい」とか「しらん」とかいう返事しか返ってこない。子どもに話しかけること自体が億劫になり、変に刺激して暴れられたり、家を出て行かれても困るのです。そこで特に声をかけずにそっとしておく、まるで腫れ物に触るような感じで恐る恐る過ごす。これでは子どもも良くなりようがありません。親が腹をくくって向き合えば子どもは答えてくれます。

不登校の解決はお子さんの「自立」

私が提供するカウンセリング・セミナーでは不登校の解決はお子さんの「自立」としています。自立と言っても、自分で稼いで食べていけるという経済的な自立をイメージされがちですが、ここでは精神的な自立を意味しております。

精神的な自立とは、自分で考えて、自分で選択して、自分で決めること

精神的な自立を自分で考えて、自分で選択して、自分で決めること としています。この結果、行動が生まれます。しかも、その行動には自分の責任が伴います。こうなってくると、不登校で過ごした時間があっても、それを取り戻すどころか、不登校したことで自分の未来を描くということができるようになり、さらにはどんどんと将来を切り開いていく力がつきます。

自分で進路を決めた元不登校女子

彼女が最初にカウンセリングにやってきたのは、中学2年生の秋。中学1年生の中間テスト以降、登校していない。その時はアイドルグループの追っかけをやっていて、まさに「オタク」常態。昼夜逆転し、親のカードを勝手に使って転売チケットを買ってアイドルグループのコンサートや舞台を見に行く日々。学校とは全く無縁だった。高校に行くことさえ考えていなかった彼女は通信高校の存在を知って「これならできそう」ということで進学。そして、高校の倫理の授業で哲学に出会い「私はこれをやりたい!」と言ってそのまま大学の哲学科に進学。自分で切り開いて進路を見つけていった。

今回のセミナーを受講すると不登校のお子さんと安心して話をすることができるようになります。 なぜ親がセミナーを受けると子どもが変わるのか?

不登校しているお子さんにもっとも接する時間があるのは親、特に母親です。その母親のメンタルが安定し、適切な関わり方ができると、子どもは変わらざるを得ません。カウンセラーを含めた外部の専門家が関われるのはわずかな時間です。もっとも関わりのあるお母さまが良いかかわりをしてくださればそれで十分な解決に向かうのです。

もちろんお子さん自身がカウンセリングを受けることも効果的ですが、お子さんにカウンセリングをすすめること自体が難しいです。それならば、親がカウンセリングを受けて心を楽にしてしまえばよいのです。

不登校の解決ー子どもの自立―に必要な親の関わり方とは 01 子どもの自己決定を尊重する態度

自立を促していくためには子どもさん自身が自己決定する場面を作り、その決定を尊重する姿勢が必要です。そのためには、親の決めつけや、指示する機会を極力減らす必要があります。

02 親子関係の適度な距離感

不登校のお子さんに対して全く関わらないのは良くないですが、関わりすぎもよくありません。どこを関わって何を任せるのか、その線引きは個人によって異なりますが、基準をつくることで親子ともども関わりが楽になります。

03 親子で対話する心のゆとり

親子の対話は不登校の解決に欠かせない要素です。対話を重ねると、互いに思いや考えを理解していくことができます。しかし、実際には対話ではなく、互いに要求を伝えるだけで、それはいつしか怒りのやり取りになりけんかになります。

不登校のお子さんへの関わり方のキホンが分かるセミナー 受講料 6600円 特典1「声がけ集」プレゼント

申込された方には「不登校のお子さんへの関わり方が分かる声がけ集」をプレゼントいたします。話しかけにくいお子さんとの会話の糸口がつかめます。

特典2 無料で復習動画を配布

セミナーのレクチャー部分の動画が視聴できます。何度も聴いて復習もできます。セミナーの再受講にも費用が掛かりますが、実質無料で再受講が可能になります。(動画は受講したセミナーのレクチャー部分のみになります)

セミナーにご満足いただけない場合は全額返金いたします。 セミナー日程

6月20日(火)午前10時~11時30分(最長12:00)

両方とも同じ内容です。

オンラインにて実施(ZOOMを使用)対象 不登校のお子さんへの関わり方を知りたい方

主な内容

・不登校の解決である「自立」とは何か・子どもが自立するための言葉のかけ方・親のメンタルを保つための秘訣

セミナーの申し込みは下記から

今回のセミナーは不登校のお子さんをもつ保護者が、子どもさんとの関わり方を変えて解決に近づけるためのものです。

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ゴールデンウイーク明けの不登校・行き渋り

ゴールデンウイーク明けの学校への行き渋り・不登校 4月は頑張れたけど・・・

ゴールデンウイーク(大型連休)があけると、学校に行くことを渋ったり、不登校になったりする生徒さんが増えます。4月は新しい環境になんとか適応しようと頑張りますが、その疲れが出るのがこの連休です。

これは中学生や高校生に限らず、大人でも起きてきます。4月の無理が5月の連休明けに出る。その連休中に学校や職場と離れてホッとした時に自分が無理していることに気が付いて、「あ~もう頑張れない」という思いに気づくときです。五月病というのがこれです。

自分の無理に気づくことは大切なメタ認知力

自分が無理しているなと気づけるというのは、とても大切な力です。この無理に気づけない人が、心の病になります。むしろ、そのほうが、多いのかもしれません。

連休明けの登校渋り・不登校は学校への適応の第一歩とも言えます。無理をしている自分に気づく、つまり、自分じゃない自分で学校生活を送ることは、学校に行くだけで疲れます。疲れ続けるという状況です。ずっとつま先立ちして、お面をかぶったままありき続ける。つま先立ちをやめることも、お面を外すことも許されない(と本人は思っている)という状況です。

自分の無理に気づいたら、その無理を辞められる良い機会なのです。

なにが無理なのかを突き止める

無理を辞める=キャラを変える ということになります。この切り替えにはちょっと時間がかかります。自分がなぜ無理をしていたか。無理を辞めるということは何をやらないで良いのか?を考える必要があります。

具体的には、友達に話を合わせる、勉強ができると周りに思ってもらう、リーダーシップをとらないといけない、面白いことを言わないといけない、かっこよく(かわいく)見せないといけないと思っている。などです。こういったことが背伸びになって負担になります。本人と話せばもっと具体的なことが分かります。

無理をしないで、学校に行けるようにするためのメンタルを整える時間が必要になります。

無理を辞めることは自立への第一歩

自分が無理をしていることに気づくというのは、自身の主体性があるから見えてくることです。逆に無理をし続ける人というのは、相手への合わせ方、自分の見せ方をいりいろと研究し始めます。後者は相手軸で自分を変えていますが、前者は自分軸で自分を変えようとします。

つまり、無理に気づいた瞬間、相手軸(他者からの評価軸)から自分軸にシフトしているのです。一時的に学校に行かないという状況は生まれるかもしれませんが、子どもの自立にとっては自分の軸を取り戻して、それを確立していくことは極めて重要なポイントなのです。この春の時期にお子さんの状況に何らかの異変があることに気づいたら、自立につ向けて自問が始まっているときととらえて、お子さんの考えや言葉に耳を傾けてさしあげてください。

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不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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もっと読む 2025年4月22日 勉強・進路と将来の不安 親として、どこまで関わるべき?春の“ちょうどいい距離”の話 親として、どこまで関わるべき?春の“ちょうどいい距離”の話

2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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子どもの自立を支える3つの要素

1 子どもを一人の存在として尊重するまなざし

子どもに対してどういうまなざしを持っているか。未熟な存在、弱い存在、何もできない存在、手のかかる存在・・・確かに、その通りなのです。生まれたばかりの赤ちゃんは自分でできることはほぼありません。幼稚園肉くらいまではトイレや食事、着替えることも手伝わないといけません。小学生になっても、持ち物や学校からの連絡は親が把握して助けないといけません。しかし、これらは全て「行為」に向けたまなざしです。生活に必要なスキルの習得には、早い遅い、そして上手下手があります。でも、「何かができるから、我が子として認める」とか、「何かができないから我が子ではない」ということはないはずです。できるできないは、自分の子であるかないかの基準にはならないわけです。

自分の子として生れてきたということだけで、その子は我が子なのです。自分の子であるということは無条件なのです。我が子というだけで素晴らしい存在なのです。ところが、子どもが成長するにしたがって、「人様に迷惑をかけないか」、「この年齢でこれくらいできるようになって欲しい」とか、その子の存在ではなく、世の中の基準に沿って子どもが成長・生活するように育てるほうにシフトしてしまいます。そして、できるだけ「普通」に育つように仕向けていくのです。

子ども一人ひとりが違った存在なのに同じ枠組みにはめようとする。つまり、その子の存在よりも、外側の行為を基準にした子育てがはじまると、子どもは息苦しくなります。しかし、子ども自身もそうするもんだと思って、頑張ります。

子どもの行動基準は「親が喜ぶかどうか」です。自分が頑張れば親が喜んでくれることが分かれば子どもは一生懸命になります。そして、子どもの中にも「できる自分はOK」「できない自分はダメ」という基準が生まれます。その結果、自分の本心から出てくる考えや思いよりも、他人を基準にした行動を選択するようになります。

一方で、存在に目を向けて「私の子は素晴らしい存在だ」ということを無条件に認めていくことは、子どもが「私はわたしであっていい」という思いで生きることができます。そもそも、子どもは一人ひとりことなる存在です。兄弟でも性格が全然ことなります。それは生まれた時から違いが見えます。例えば、授乳です。一回の授乳でたくさん飲む子もいれば、ちょっとずつ、細切れに飲む子もいたり、さらには、たくさん飲むけどたくさん吐いたり、朝はたくさん飲むとか、寝る前にたくさん飲むとか、そこだけ見ても、子どもは違った行動をとるわけです。そのあと身につけていく生活スキル、発する言葉、好きな遊び、どんどん違ったものになっていくのは当然です。その違いがあるのは当然のことと認めながら成長を見守るには、子どもの行為に重きを置くのではなく、存在そのものを素晴らしい存在として認めていくという大前提が必要なのです。

2 他の人と比べない

存在を認めるというテーマと関連するのが、比べる、つまり比較のテーマです。

「○○ちゃんはあんなに上手に自転車乗れるんだから、あなたも頑張りなさい」「お兄ちゃんみたいに上手に字が書けるようになってね」「妹ですらちゃんとお片付けするんだから、お姉ちゃんもやってよ」

と、同世代の友達や、兄弟姉妹で比べて、できていないことを叱る。競争心をあおって、劣っているほうを引き上げていこうとするときに使われる常套手段のようになっています。でも、これは子どもにすればとても不幸なことなのです。劣等感を植え付けられてしまい、自分は劣っている存在だという認識が生まれます。そして、別のもので勝負しようとします。たとえば、勉強で叶わないのであれば、スポーツ、まじめキャラで叶わないのであれば、ひょうきんキャラを演じる。そして、自分じゃない自分になろうと努力をします。これがうまくいってしまうと、実は悲劇なのです。というのは、自分じゃない自分じゃないと周りに受け入れてもらえないという思考が身に付きます。そしてますます、本来の自分を隠していきます。そのギャップに疲れてしまいます。毎日背伸びをして、本来の自分じゃないキャラを演じ続けることに疲れると、押し殺していた感情が爆発します。それが、外に向けば他人を傷つけることになるし、自分に向けば、自分を殺しにかかります。

また、比較の視点が子どもに持ち込まれると、人と勝負することが常になります。行動の基準が、他人に勝つこと—優越感を味わうことになってしまいます。子どもは親に言われなくても、兄弟姉妹や友達とじぶんを比べてしまうものです。そして自分を責めます。この自分への責めは、大人になると習い性になってなかなか抜けません。そして、この自分を責めるクセが普通だと思って生きると、責められることを恐れて、挑戦しない、行動を控えることをします。親の役割は、その差を埋めなさいというよりも、それこそ、存在を認めてあげて「あなたと○○ちゃんは違うの。違っていいの」ということを認めさせていくことです。

自立した存在として生きるには他人との比較ではなく、この自分は自分でいい、という認識が必要です。自分で自分自身を素晴らしい存在として認めていくことです。これを妨害するのが比較の視点―優越感と劣等感を行ったり来たりする生き方—です。他人と違うということを認識しつつもそこに優劣をつけない。そういう思いで子どもに接していくことで、徐々に子どもは自分の存在を「これでいい」と認め始めます。

なんだか調子に乗っていく感じがありますが、それでいいのです。そうしないと自立した存在として生きることはなかなか難しいのです。

3 子どもには子どもが歩むべき人生があるという認識

子どもに対して、行為ばかりに目が行ったり、他人と比較するのは、親の不安があるからです。子育に自信がある親というのはなかなかいません。子の育て方でいいのか、これで間違っていないのかということを問いながら、不安の中で育てていくことがほとんどかと思います。特に第一子に関しては。育児系の記事が書いてあるサイトや、育児書を読んでも、うまくいった事例ばっかりで、そんなにうまくいかないとお母さん自身が自分を責めてしまうことにもなります。

「うちの子がこのまま育って大丈夫だろうか?」

という不安な気持ちは多かれ少なかれどの親でももつ不安であります。おそらく、あなたの親御さんも同じように思われてあなたを育てたはずなんです。親が思うようには育たなかったとは思いますが、実際には学生を終えて社会人となり、家庭を持ち子どもを育てているわけです。十分じゃないかもしれませんし、それこそ自分はダメな親だとか思っているかもしれませんが、あなた自身は素晴らしい存在なのです。そして、親の不安をよそに、大人として、社会の一員として育たれました。

それは目の前にいるお子さんにも同じことが言えるわけです。親の思うようには育たない。でもその子はその子なりに、育っていってやがて社会に出るのです。親が思った人生、親が思う「こういうふうに育ってくれれば大丈夫」という思いではなく、お子さん一人ひとりが本来歩むべき人生を歩んでいく。そう信じて、子どもの人生を手放すことこそ、自立した子どもを育てる上でもっとも大事な要素です。

これは我が子に対する絶対的な信頼と他の人と比べない視点がもたらされることになります。大丈夫な存在として子ども認めて、この子はこの子の人生を歩むものとする。もちろん、ある年齢に応じてお世話をする必要もありますし、経済的に支援することも大切です。しかし、それはその子の存在を軸にした手助けであって、親がこうしようという思惑をもって育てるということとは異なります。

不登校は自立とは対極にあるように思われます。しかし、子育てを見直すチャンスです。子どもがその子らしい人生を歩んでいくことをこれから支えることができれば十分なのです。子育てに早い遅いはありません。時間はかかるかもしれませんが、取り戻す、やり直すことは必ずできます。…

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