応用行動分析で対応のバリエーションを増やす

焦点を当てるのは問題行動ではない

問題行動が起きた時に、その行動に焦点を当ててやめさせようとしてもうまくいきません。

たとえば、「朝、決められた時間に起きてこない」ということがある場合、

「早く起きなさい」という声がけや、目覚ましをたくさんセットしておく、というだけでは

なかなか治りません。その先行している事象、つまり「朝おきたくない」という理由と、

朝起きないことで得られること「結果」があるのです。

問題行動の前後を看取る

先行事象 → 行動 → 結果 という3つを整理します。

朝起きてこない という行動に対して、それをお引き起こしてくる先行事象としては夜更かし 体の疲れ 睡眠の質 などいろいろな理由が仮説として考えられます。

得られる結果としては、眠ることで体力が回復する 朝寝ておけば家族に会わずに済む、などなどがあります。

不登校していると、家族に会いたくないというのがあったりするので、家族が寝ている時間に活動(夜更かし)をして、朝起きてこないで(行動)家族に会わない(結果)を得ている可能性があります。

もちろん、もっと丁寧に聞き取れば、実は起立性調節障害とか低血圧とかある場合もあります。いろいろな仮説を検討して、その先行事象を操作する。

たとえば、家族に会いたくないのであれば、家族に会うことで何が嫌なのか、どんな気持ちになるのかを聴き取り、家族にそのことを共有する、または一人でいる時間を増やす、などの対処ができるかもしれません。夜更かししてまでしたいことがある場合は、それをお昼の時間にできるようにする方法を考えると良いのかもしれません。などなど、「朝起きてこない」以外の部分への対応を考えて行くことができます。

うまくいかない方法を繰り返すより、よっぽど効果が期待できます。

 

行動には理由がある

行動には理由があります。その理由を丁寧に観察し、時には聴き取ることで

結果として、コミュニケーションの機会が増え、またお子さんへの理解が深まる、という副次的な要素ももたらされます

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