不登校のお子さんにカウンセリングをすすめる前に
カウンセリングをすすめられた不登校の娘さんはなぜ「もういい」と言ったのでしょうか?
娘「学校に行くのは辛い」
母「そうなの・・・なんか行きたくない理由があるの?」
娘「・・・なんか分からないけど、友達がいやとか、いじめられているとか、
そういうことがあるわけでなくて。ただ、なんか・・・うまく言えないけど・・・」
母「そう。いまは言えないのね。そんなんだったらカウンセリングを受けてみたら?」
娘「えっ・・・」
母「カウンセリングで少しずつ、自分の悩みを聴いてもらったら違ってくると思うよ」
娘「・・・お母さん、どうして私をそうやって突き放すの?もういい」
さて、この会話をよまれて、このお嬢さんはどうしてお母さんに最後に「もういい」と言ったのでしょうか?考えてみてください。どこがまずいのか?この会話文から見えるのはお母様がカウンセリングをすすめるくだりです。
悪気があってカウンセリングをすすめているわけではないのになぜ?
お母様は悪気があるわけでもないし、決して娘を突き放そうとして言ったわけではありません。
しかし、娘さんは「突き放す」という思いをいだきました。これはどうしてでしょうか?
それは、娘さんが話を聴いてほしいのはカウンセラーではなく、お母さんなのです。お母さんに今の辛い、言葉にならない状況を聴いてほしい、分かってほしいという思いがあります。
しかし、このお母さんはカウンセリングをすすめました。つまり、このやり取りは娘さんにとっては、「お母さんは話を聴けないのでカウンセラーを呼んできます」と言われているようなものなのです。だから突き放された思いがして、お母様に腹を立てたのです。
子どもにカウンセリングをすすめる前にやるべきこととは?
これはカウンセリングをすすめることが悪いということを言ってるのではありません。
機を見てカウンセリングをすすめることは必要です。医療や学校の先生と会うことも必要になります。
大切なのは子ども(上の会話の場合は娘)さんが「誰に分かってもらうこと」を望んでいるかなのです。大人の考えでは、「どうやって解決しよう」という思考が生まれるので、解決策を提示したくなります。
ただ、これはあくまで大人側の思考であって、子どもにとっては解決に至る前に「自分のことを分かってほしい」という思いがあります。この思いを一番身近な大人である親に分かってもらうこと。これができれば、仮に学校に戻らなくてもこの子どもさんは徐々に将来に向けて考えをもって行動できるようになります。
では、どうすればよいのか?
子どもさんにカウンセリングをすすめたいのに、どうやって切り出して良いか分からないという相談を受けることが多いです。その場合は、まずはお母さままたはお父さまがカウンセリングを受けてください、とお願いしています。
親が子どもよりさきにカウンセリングを受けるメリット
理由は二つあります。
一つは、不登校をしている親御さん自身のストレスや悩みの解消のための時間を取るということです。
もう一つは、子どもさんの話を聴くためには「聴いてもらう」経験をたくさんする必要があります。
親がカウンセリングをするように子どもの気持ちに寄り添ってくれるようになれば、不登校は回復に向かいやすくなります。そして、お母さん(お父さん)はカウンセリングを受けてスッキリしている。
頭がクリアになり、今抱える問題にどう対処すればよいかが分かる。という状態を作ることができれば、自然と子どもも「お母さん(お父さん)がやっているカウンセリングを受けてみようか」とか「そのカウンセラーの先生に会ってみたい」と思うようになります。
物事を解決に向ける上で大事なのは、解決方法よりも「理解」です。相手のことは100%分かるなんて言うことはありませんが、
分かろうとする、思いをもって相手に寄り添うと、いつしか、その思いを子どもさんが受け取ってくれます。まずは親御さん自身が心を整えること。
不登校の解決には欠かせない要素の一つです。
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