不登校解決に必要な二つの要素
不登校の原因に決定的なものはない
不登校の原因を知りたい、どうしてそうなったのかが分かれば対応の仕方が分かります。しかし、「原因はこれだ!」と決定的なものが見つかることは珍しいです。実際には複数の要因が重なっているということが多いです。学業不振、友人関係、クラスへの不適応、教員との相性などです。高校や私立の中学校の場合は通学時間なんていうのも関係したりします。いくつかの要因はありますが、どれも決定的ではないし、簡単に取り除けるものではありません。
決定的な原因が分からないとしたらどうするか?
決定的な原因は分からないけど、いくつかの要因は分かったとします。しかし、人間関係や学校の環境などの、外部の要因を変化させるのは実際に難しいです。学年が変わると変化する場合もありますが、一年間はクラスも担任も基本的に変わりません。かといって、何もしないわけにはいきません。そこで次の対策として、不登校しているお子さんに行動するエネルギーと思考を持ってもらう必要があります。不登校している生徒さんは自己否定感が強いです。そして思考に偏りがあることもあります。そこへの介入をします。
行動するエネルギーを得るために
行動するエネルギーを得るための方法として休むことが挙げられます。これは初期対応として必要です。ただ、3~6か月もすればこれはもう不要です。体力的な面は回復します。重要なのは精神面のエネルギーです。これは自分を肯定してもらうことで得られます。
学校に行っていない、家で何もしていない自分を肯定することはなかなかできません。親や先生に言われたとしてもそこには何か勉強させようとか、学校に行かせようという意図があるのではないかと勘繰って素直になれません。(実際にそういう意図がなくても)そこでカウンセラーやフリースクールの先生など外部の大人の力が必要になるわけです。「今は学校に行っていないけど、将来は大丈夫だよ」という思いを持った大人が接していくわけです。今の状態を分かろうとしてくれる存在が、生徒さん本人の心の支えとなり、徐々に力を得ていき自信を回復させます。
思考の偏りを取り除くために
思考の偏りとして多いのが「完璧主義」です。学校に行っていない自分はもっと勉強しないといけない、人一倍頑張らないといけないという思い込みがあります。ただ、現実的にはそれはなかなか難しいです。大事なのは今の状況が自分の成長過程だととらえることです。自分自身が大人になるには不登校するという手段をとらないといけなかったんだということ、そしてこの状況は必ず終わりが来るということを思えるかどうかです。
行動するエネルギーを得ることと、思考の偏りを外すことは不登校から抜けだすための両輪です。これを得ていくと、自分を肯定でき前向きな気持ちになり、そして将来に対しての考えを具体的にすることができます。そうなると自然と行動が生まれます。
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