カウンセリング | 不登校サポート | 家庭と子どもの再スタートを応援します - Part 3

カウンセリング

不登校カウンセリングの最初の一手

不登校のカウンセリングでよくあるのが、「子どもに受けさせたいのだけれど、受けたくないって言っているんです」という相談です。怪我や病気であれば本人が医者にいって治療すべきですが、カウンセリングの場合は心のケアが中心ですので、本人じゃなくてもよい場合が多いです。「困っている人」が受けることをお勧めします。ですから、不登校の場合は、不登校の生徒さん本人よりも、親御さんに受けてもらうということをお勧めしています。子どもを無理に受けさせないほうがよい理由が2つ、親御さんが受けたほうがよい理由が2つあります。

子どもを無理にカウンセリングを受けさせないほうがよいのは? 1 見ず知らずの人と話すのはこわい

まず、子ども自身はカウンセリングを受けたいとは自ら思いません。見ず知らずの人に自分の内面を根ほり葉ほりきかれるということはこわいことという印象も与えかねません。さらに、心が弱っているときに、知らない人と会って話をすることは、普段以上にエネルギーが必要なことですので、受けたくない、仮に受けても話したくないという状況になります。そもそも、カウンセリングというものがどんなものかというイメージもないので、余計にストレスを感じて縮こまってしまう恐れがあります。

ある高校生はカウンセリングはこっぴどく叱られるという思いを持っていました。それは、クラスでもかなりのトラブルメーカーがカウンセリング受けたあと、すっかりおとなしくなってしまったというのです。「あの○○ですら黙らせるんだからよっぽどひどいことをされるに違いない」と思ったそうです。これは極端な例ですが、カウンセリングに対してあまり良いイメージがないというが実情かと思います。

2 無理矢理子どもにカウンセリングを受けさせることは自尊心を傷つける

カウンセリングの目的は、その人自身が自分を大切な存在と思えるようになり、自発的に行動の変容をもたらすことです。入り口は、親や養育者や先生などからの紹介もあるかと思いますが、そのときにどのような思いでカウンセリングを受けに来ているかが大切です。ちょっとでも受けようかなという気持ちがあればよいのですが、本人が「受けたくない」と言うのに無理やりつれていくと、逆効果になります。それは「自分の気持ちは分かってもらえない」とか「親は自分のことをダメな存在だと思っている」とか「大人は信頼できない」ということさえ起りえます。

かつて、親御さんに無理矢理つれてこられた中学生がいましたが、カウンセリングの時間中、まったく車から降りてきませんでした。他のケースでもカウンセリングルームまで来たものの「別に話すことないっす」ということで15分もせずに帰っていったりしました。当然、どちらのケースも2回目はありませんでした。無理矢理連れて行かれるのは、それがカウンセリングであれ学校であれ「あなたには自分で決める権利はない」というメッセージを暗に送っていることになります。親御さんにそういう意図がなかったとしても、子どもがそう受け取ってしまいます。

カウンセリングに良いイメージを持たないまま連れて行かれると二度目のカウンセリングというのは、カウンセラーを変えたとしても難しいことです。

カウンセリングを受けるのは親御さんがいい理由 1 行動の変容をもたらすのは困っている人の不安を取り除くことから

一方で親御さんが受けるメリットは大きいです。不登校のお子さん最も多くかかわるのが、一緒に生活している親です。どれだけ有能なカウンセラーが子ども関わっても、親御さんの不安があるままで、子どもの不登校が改善するということは考えにくいです。ですから、親御さんがまずカウンセリングをうけて、親としての自信を取り戻す必要があります。不登校になったのは育て方が悪かったわけでは決してありません。これは子どもさん本人が自分の人生と真剣に向き合った結果によるものです。とはいえ、学校に行かない、勉強がおくれる、受験にひびく、進路が決まらないということなど不安は数多くあるはずです。その親御さんの不安を解消していくことが、実は不登校の状況を改善することに非常に役に立つのです。

不登校が長期化すると、子どもがわがままになったり、場合によっては暴れたりすることがあります。それは親御さんが抱える「負い目」とか「不安」があることを察して、そこをついてやってきます。そうならないためにも、親御さん自身が子どもにスキを見せないことが大事です。そのためには「私の子は学校に行っていないけど大丈夫」「私の子育ては完ぺきではないけど、そのときそのとき精いっぱいやってきたんだ」と自信を持つことです。この親御さんの自信が、子どもさんの心を落ち着かせ、結果として何らかの行動変容をもたらします。

不登校対応の最初の一手は親御さんの不安を取り除き、自信を取り戻してもらうところから始まります。

2 子どもに関わる保護者が「大丈夫」という感覚をもって接することが重要

親御さんが大丈夫という感覚をもって子どもに接していくと、子どもにもその感覚は伝わります。不登校するお子さんの多くは感受性が豊かで、気遣いができる人です。ですので、親御さんが抱える内面の変化にはとても敏感です。言葉の上では「学校行かなくてもいいよ」と言っても、内面には「早く行ってほしいなー」という思いがあると、そっちのほうが伝わって「親は嘘をついている」「私のことを信用していない」という思いになります。心の底から「学校行っても行かなくても、あなたは大切な私の子である」という思いがあって初めて、子どもは安心して過ごせます。その安心感があると、カウンセリングを受けてみようとか、勉強してみようとか、学校にちょっと行ってみようとか変容が見られます。

行動変容をもたらすには、子どもだけを変えようとするよりも、親御さんも一緒に変わっていく姿勢が大切です。心の不調は関係性の病と言われています。であれば、関係性を改善することで、状況を変えることも可能なのです。

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不登校のなかで「自分には生きている意味がない」と思う

不登校を始めてある程度の時間が経つと、学校に行かない自分を責める気持ちが強くなります。

学校に行かない自分には価値がないと思いこんで時にカウンセラーに対して

「私は生きている意味がないんです」

とはっきりと言葉にする人もいます。

これまでも、不登校している生徒だけでなく、普通に学校に通っている生徒さんでも、自分自身の生きている意味を見出すことができず、死のうとした人の話を何人も聴いてきました。

橋の上に行って飛び降りようとした

何も持たずに冬の山の中に一人で行った

首を吊ろうと思って、ロープの代わりになるものを探した。

包丁を取り出して自分の胸に突き立てようとした

踏切から線路に侵入して横になった

あと一歩のところで命を落とすような行為をしている生徒さんは実は結構いました。しかし、なぜだか分からないけどやっぱりやめようと思ったといいます。

死ぬのが怖い、家族の顔がよぎった、人に見つかってしまった、死体がぐちゃぐちゃになったら迷惑だろうなと思ったとか、なにがしかの思いとどまらせる気持ちがはたらき、死ぬのを辞めています。

自分にたいして「生きている意味」を問うとき、その答えは必ず「意味がある」なのです。しかし、不登校をしていると特に、学校に行かない、社会に適応できない自分はダメな存在と決めつけてしまっているので、自分には生きている意味がないと決めつけて、自殺を図る。でも死ぬことができなかった・・・

一度自殺を試みて、うまくいかなかった場合に、再び自殺を図ろうと思いがあっても、実行に移すまでには結構な時間がかかります。

そして辛いのことはそこから始まります。それは

死ぬことすらできない自分に何の価値があるのか?

とさらに責める気持ちが強くなるのです。不登校が長く続く場合、この自分を責める気持ちと戦っているため、一日中家で、布団のなかにいたとしても、疲れてしまうのです。自分を責める声が、何をしていても聞こえてくるのです。これほど辛いことはありません。こんな時に、人は前向きに考えたり、何か別のことをしようという思いにはなりません。

では、どうするのがよいのか???

それは、自分を責めている気持ちを認めることです。責めたくなる気持ちに対して自分で共感をしていくことです。そんなことできるわけないと思われるかもしれませんが、生きる意味、生きている意味を問うているときに、下手なプラス思考はかえって危険です。問題の本質から目をそらすだけで、返って辛くなってしまうのです。

だから自分の気持ちをそのまま認める。言葉で書くのは簡単ですが、実はこれが結構難しい。「そんなの無理」と思った方はまず、他人からしてもらうことです。

この生きている意味をとうこと、自分の価値のなさを責めることから解放されることが、実は学校に行くいかない以上に大切なことなのです。ここをクリアすることができれば、学校に行かなくても人生を切り開いていく力を得ることができます。

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社会で役立つ力って何だろう?

何を提供しているのか?

皆さんこんにちは。VCA代表の大久保です。

VCAはどんなことを皆さんに提供しているのかということをよく問われます。

ここは、学習塾ではありません。つまり、問題をたくさん解いて、テストの点数を上げる勉強をするわけではありません。

テストの点を上げる最終的なゴールは、入試に受かることです。高校入試や、大学の入学のための選抜試験をできるだけ良い点を取って、パスするために点数を上げていくといくのが学習塾です。

では、VCAは何をするところなのか?

ここは社会で役立つ力を育んでいくところなんです。

入試の勉強で学んだことが社会に役立つこともありますが、全部が全部皆さんにとって絶対に必要かと言われると、そうではありません。社会人になって、学生時代にもっと勉強しとけばよかったという人は多くいます。

でも、「社会で役に立つ力っていうのは、どんなことなんですか?」と問うたとき、

「受験勉強」と答える人は私の周りにはいなかった。

社会に出て役立つ力、必要となる能力

社会で役に立つ、そして必要なのはコミュニケーション能力だと答えた人が多かった。

どんな職場にも人間関係はあります。私もかつてカウンセラーをしているときに、社会人のカウンセリングで多い悩みは人間関係でした。

上司とうまくいかない後輩が言うことを聞かないです。

実は同僚が仲の良い同僚とケンカしてしまった・・・などなど

やっぱり人間関係での問題が多いわけです。

だから、コミュニケーション能力を身につけるということが大事だと言う人が多かった。

もう一つは、発想する力とかアイディアを思いつく力など「考える力」が重要だという人もいました。

テストのための勉強は「正解が一つ」です。それは○×をつけて、点数化して、合格不合格を判定しないといけないからです。その答えは誰が見ても正解か不正解かが明確にわかるものでないといけません。この勉強で身に付く考える力と、VCAで皆さんに身に付けてほしい考える力は異なります。

社会に出て必要となる「考える力」は、正解が決まっていない問いを解く力のことです。どうやったら売り上げが伸びるか、どうやったら良い商品を開発できるか、どうやったらもっと人に喜んでもらえるサービスができるか・・・こういったものは、正解が分かりません。ですから、たくさんアイディアを出して、実験してみてフィードバックを得て、改善していく必要があります。当然、失敗することもあるし、予想ではあまりうまくかないと思われていた方法が、良い結果をだしたりすることもあります。

社会に出て必要とされる能力の多くは数値化することがとても難しいのです。

コミュニケーション能力一つとっても、分かりません。おしゃべりが上手な人も、相手によっては「うるさい」と不快な印象を与えるかもしれないし、逆に普段は口数が少ない人が、大胆な発言をして周りを驚かせたり。測ることができない力なのです。考える力も同様です。

ましてやAIが発達しているこの時代。

正解が決まっているもの、数値化できるものは、技術が発達すればどんどん、AIに置き換わっていきます。一つの正解をだすスピードは人間よりもはるかに速いし、正確です。だからそこと戦っても仕方がないわけです。

もちろん、知っていることがないと、考えることもできません。覚えたり、記録したりすることは、考える力の土台となる大切な力です。ですから、知識を蓄えることが無駄だとは思いません。むしろ、それはそれで必要なことです。

正解が決まっていない問いに答えることができるのか?ということです。ネットで検索することで分かることもたくさんあります。しかし、知りたい情報を得るために、どんな検索ワードで調べればよいのか?を考えないといけないのです。そしていろいろと言葉を当てはめたりして、やっとたどりつく。または、その情報に詳しい人のサイトに出会う。

さて、そこからどうするか。メールアドレスが公開されていればメールをする。書籍を出版されていたら本を手に取ってみる。ここも考えないといけません。それに加えて判断しないといけません。その人が信頼できるのかどうか。その情報が本当に正しいのか?この人と連絡をとってよいのか。などなど。

この判断も考える力の延長線上にあるものです。考えた結果どうするか?という判断です。

VCAの授業

さて、元の問いに立ち返りますね。

VCAは何をするところなのか?

社会に出て役立つ力 コミュニケーション能力、考える力を例に挙げましたが、ほかにもたくさんあります。

そういった力を育んでいくわけです。

そのために、毎回の授業で2つのことを行います。

1回の授業が80分。その授業の中でディスカッションと自己の振り返りを行います。

前半がディスカッションです。

毎回異なるテーマでディスカッションをします。その目的は自分の考えを言葉にすることです。頭によい考えが浮かんでも否定されたり、おかしいと思われたらいやだという思いに邪魔されて発言できないことがありませんか?それはとてももったいないことなのです。

VCAのディスカッションでは、発言を否定されることはありません。ですから、ここでは安心して自分の考えを表現してほしいのです。将来を考えるうえで、考え付いたことを言葉にすることはとても重要です。なぜなら、進学や就職するときに問われるのは「あなたはどんな考えがあって、この進路を選択されたのですか?」ということだからです。ありきたりな答えや、誰かがの考えをかりた言葉で表現しても、相手に思いは伝わりません。

自分の思いを自分の言葉で表現できる力は自己アピールにも、プレゼンテーションにも、進路選択の先にある「仕事」をしていく際に欠かせない能力の一つです。

このディスカッションがコミュニケーション能力を育んでいくのです。それは、単に話せると聞けるというだけにとどまらないのです。全体の流れをつかむ、空気を読む。人の反応を予想しつつも、恐れずに発言できる力です。聴く力も同様に、相手の話途中で口をはさんだり、反論したりしないで、最後まで落ち着いて聴く。そして相手の言いたいことの趣旨が分かるようになります。そうすると、互いに「分かり合える」ことができます。

コミュニケーション能力を高める真の目的は信頼関係を築く力です。ディスカッションを通して、考え、発言し、他人の発言を受け止め、建設的な議論ができる力が身に付いていきます。

後半が自己の振り返りです。

自己の振り返りをする目的は二つあります。一つは自分で決めたことができたという達成感覚をたくさん味わうためです。達成感覚の積み重ねが「自信」になるからです。二つ目は、自分の現状をよく認識するためです。

毎回、その週をどう過ごすか、ミニ目標を設定します。その目標達成に必要な行動を3つ決めます。その行動ができたかどうかを振り返るのです。すべてできるに越したことはありませんが、できなかった場合にも、実はそこには貴重な情報があるのです。

行動ができなかったのには、必ず理由があります。その理由が実は、達成したい目標を妨げている原因だからです。それは、面倒くささだったり、時間がないということだったり、難しすぎたりするなど、いろいろ考えられます。普通なら言い訳だと否定されることかもしれませんが、単に否定しただけでは、次なるやる気になりません。行動できなかった理由をきちんとケアすることで、自分にあった目標達成までの行動計画が立てられようになるのです。そして、行動できた場合にも、次の目標をいきなり決めるのではなく「なぜうまくできたのか?」を振り返ります。そうすることで、自分自身の成長を感じ、そして強みを知ることができます。この振り返りが毎回積み重なって行くことで、自己肯定感が高まっていきます。これは、ちょっとやそっとではおれない強い心を育てることになります。また、目標毎回たてるなかで、時間の使い方がうまくなる、初めは3つだけだった行動を5、6つと増やすことができるようになります。無駄な時間の使い方をしなくなります。そして何よりも、目標設定を繰り返していくことで、徐々に「何のために」という目的意識も強まり、考える力が強化されます。

目的にかなった目標設定をする力は、将来の自己実現をグッと引き寄せることにもなるのです。

VCAの授業の中に社会に出て役立つ力が育まれる仕掛けがたくさんあります。身に付けてほしい能力は、難しいかもしれませんが、実際に生徒さんに取り組んでいただくことはとても簡単です。簡単なことを繰り返していくうちに身に付くことがたくさんあります。

VCAのカリキュラムは1年で1周りするように設計しております。

1年間、毎週80分を自分の未来のために充てることで、将来の充実はもちろん、今の学校生活にもやりがいを感じていただくことができるようになります。…

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