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再開したけど、学校に行きたくない3つの理由

3月ごろから学校が休校になり、この6月、ようやく再開したところも多いと思います。親にしてみれば、ようやく、学校に行ってくれるという思いもあるかと思います。子ども自身も4月ごろは早く学校が再開してほしいと思っていたかもしれませんが、ここまで長く学校に行かないと、今更いくの面倒だなという気持ちにもなっているのではないでしょうか。

休校になったばかりのころは早く学校に行きたいという思いもあったかもしれませんが、長い休校期間があったことで行きたくない気持ちが出てくる人が増えているようです。

そして学校に行きたくない理由が意外と自分でも分かっていなかったりします。「面倒くさい」というところで思考が止まってしまってその先に進まないところがあります。コロナで学校に行きたくなったのには大きく3つの理由が考えられます。

コロナの休校が明けても、学校に行きたくない理由その1 生活リズムがうまくできていない

一つ目は、生活のリズムがうまくできていないというのが挙げられます。コロナによる休校期間中に昼夜逆転したり、朝寝坊したりと、生活のリズムが崩れている人が結構いるようです。そして、どうもそのリズムが自分にとって心地よく、あまり崩したくないというのが本音のようです。要は、だらだらした生活でもなんとかなるという思いがあります。もちろん、学校に行かないといけないという気持ちがあるにはあるのですが、2,3か月かけてつくった体のリズムはなかなか元には戻せません。

コロナの休校が明けても、学校に行きたくない理由その2 目標がなくなってしまった

二つ目の理由として考えられるのは、目標がなくなってしまったことです。たとえば、クラブを頑張っていた生徒に多いのですが、今年は試合や大会がことごとく中止です。特に高校3年生は3年間の集大成としてクラブ活動の最後の大会に向けて準備をしていたと思います。それが、勝つのでも負けるのでもなく、何の成果も出せないまま、終わっていくという喪失感。もしかしたら、大学受験にスパッと切り替えているように見えても、実は結構心のなかではこの思いはくすぶっていたりします。その思いを意識しないで、生活をすると、「なんとなく無気力」な感じで暮らしてしまいます。一生に一度のチャンスを、不可抗力で無しにされたわけです。学校に行くということ自体に意味を見出せない状態ではなかなか学校に気持ちが向かないのではないかと思います。

大学受験に関しても似たようなことが起きているのではないかと思います。地方に住む生徒さんで、東京など首都圏の大学への進学を希望していたとします。しかし、首都圏は密の状態を避けるのが難しいところが多いです。すると、今まで目指していた大学を諦めて、地元の大学に志望を切り替えないといけない事態も起こりうるわけです。

クラブにしろ、受験にしろ、目標を見失ってしまうと、無気力になります。そう簡単に人の気持ちは切り替わりません。しばらくだらだらする(ように見えて悩んでいる)時間を過ごす必要があります。

コロナの休校が明けても、学校に行きたくない理由その3 学校に行く意味を考え始めた

自分で勉強ができてしまった。というのが実は結構あるようです。与えられた課題やオンラインの授業で、自分でやらないといけない勉強量が増えた。その結果、自分で調べて先に進める力を得たというのがあります。理由その2とも関連しますが、これは「そもそも学校行く意味あるの?」なんていう問いを持ってしまいます。自分で勉強できる、通学の時間も不要、煩わしい人間関係もない。別にいいんじゃないかという思いが出てくるわけです。

この「そもそも学校行く意味あるの?という問いはコロナの休校がある以前から、不登校する生徒さんが自問している問いの一つです。みんなで同じことをやる、与えられた勉強をひたすらこなす、テストで友達と競う、そんなことがことごとく無意味だと感じて、いつの間にか学校から足が遠のいている場合があります。

生活のリズムは、徐々に取り戻していくことができますし、気持ちさえ向けば登校するようになります。しかし、目標を喪失したり、何のために学校に行くのかを考えだすと、不登校が長引く可能性も否めないです。そこには、しっかり自分と向き合って気持ちを立て直す時間が必要です。学校に行く意味を見失ったまま登校し続けることは、それはそれで危険なことです。うつになる可能性があります。

学校に行きたくない理由が明確でない場合は特に要注意です。…

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中学生になると不登校が増える理由

中学生になると激増する不登校その背景には何があるのでしょうか? 平成 30 年度  文部科学省 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果についてより

不登校の人数は義務教育課程の小学1年生から中学3年生にかけて増えていく。特に、小学6年生から中学1年生にかけて倍以上に増えて、そこから中学2年にさらに1万人以上が増えていることが読み取れます。

不登校の定義は文部科学省によると下記のようになります。

年度間に連続または断続して30日以上欠席した児童生徒のうち不登校を理由とする者について調査。ここで「不登校」とは、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しない、あるいは、したくともできない状況にあること(ただし、病気や経済的理由によるものを除く)とされている。

不登校は30日というのが目安になっておりますが、実際には1週間や3日でも本人が「不登校」と認識していることがあります。

中学生が不登校になる3つの要因 文部科学省 平成 30 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について をもとに作成

上の表は文部科学省の調査をもとに作成したものです。中学生で不登校の生徒の「本人に係る要因」として調査された項目を集計したものです。人間関係、遊び・非行は分かりやすいのですが、無気力、不安、その他は具体的に何なのかは見えにくいところがあります。

表面的には、友達との関係、勉強についていけない、学校の雰囲気が合わないなどがあります。それぞれが単独で起こることもありますが、絡み合って複雑ななかで起こります。しかしながらそれぞれは、表層に現れた一つの現象でしかありません。心の中にはいろいろな問題があります。しかも不登校の原因が何か一つだけという明確に決まっていることは、むしろ珍しいくらいです。 特に小学校から中学校は、他校との合流もあり、それまで6年間慣れ親しんだか人間関係が変わること、また本人の体の成長、思春期からくる心の不安定さなどいろいろな要素が作用してきます。不登校していない生徒も、心の中には言葉にできない複雑な思いがあります。

ここでは、友達関係、勉強面、学校の3つの面とその背後にある心の問題を見ていきます。

1友達関係の変化

友達との関係は、いじめに発展しているケースもありますし、あまり気の合わない友達とグループになってしまい、つらい思いをしていることもあります。不登校になり始めるときは、友達関係のつまづきはよくある理由の一つです。小学生の時は男女入り混じっていた人間関係が中学になると男女別になります。異性を意識するあまり、それまで仲良く話をしたりしていた幼馴染ともぎくしゃくしてしまいます。冷やかしの対象になったり、自分の気持ちとは無関係に「○○は△△のことが好きなんだって~」とあらぬ噂を立てられたりします。同姓で仲の良い友達ができればよいですが、そこがうまくいかないと、「友達がいない」という状況が発生します。周りの目を意識することが多い中学生にとって「友達がいない」という状況を受け止めることは大変心苦しく、結果として学校に行くことが辛くなります。

また、「友達がいない」状況を無理に打開しようとして、たいして気の合わない友達とつるむこともあります。これは学校ではなかなか見抜くとができません。実は、これがいじめにつながることもあります。表面的には仲良くしていても、そのグループの中で上下関係ができて「次の数学の時間に、先生にハゲって言え」とか「むかつく女子にちょっと嫌がらせしてこい」とかなんとか命令されていることがあります。教師もクラスメイトも「態度の悪いグループ」として扱いますが、実はその中には、友達がいなくて背伸びして悪い奴らを演じている人もいます。

本来の自分ではない自分を演じ続けることが学校で生きのびる方法になってしまいます。中学生になると親も友達関係をそれほど気にしません。ただ、言葉遣いや私服、聴く音楽や見ている番組、動画などに、「これまでのこの子と違うな?」と思ったら背伸びして友人と付き合っている可能性があります。これは不登校において黄色信号です。どんな友達がいるのか尋ねてみるのも良いと思います。

人間関係の心苦しさを訴える術もないし、訴えたところで一人ぼっちになる。自分でもよく分からないまま学校に行きたくなくなる、いや体の調子が悪くなって行けなくなってしまうのです。

2 勉強についていけない

勉強についていけないというのもよく聞く理由です。小学6年から中学1年で激増している理由の一つは、これがあると思います。授業の進むスピード、出される宿題の量に圧倒されてしまったり、または必死についていこうとして疲れ果ててしまうケースもあります。また、小学校は学習について先生が手厚くフォローされますし、進むスピードも緩やかであります。それが中学になると「自分でやっておきなさい」というスタンスに変わります。

また中学受験を頑張った生徒もいろいろなショックを受けやすいところです。受験を経て、学力がついたと思っていても、進学した学校のレベルが高く置いてきぼりを食らう。そして「ついていけない」ということで休みつつも、負けを認めたくないので「勉強が理由だ」とは決して言わないのです。親も、せっかく入試を経て合格した学校を、いきなり休まれては困りものなので、頑張らせようとします。しかし生徒自身も不登校の理由を言葉にせず、親自身も頑張らせることは、不登校を長期化させる可能性をはらんでいます。

勉強についていけないことはプライドを傷つけることに繋がります。そして、そのプライドのために背伸びをして、頑張り続けようとします。友達に負けたくない、親からの期待、先生への忠誠心のようなもの、いろいろなことが勉強に駆り立てますが、本来の力以上のものを出し続けると当然ながらばててしまいます。この背後にあるのは焦りの気持ちです。勉強についていけない、成績が落ちる、そういうことが周囲に知れたら自分はどんな風にみられるんだろう。そんな思いがあって、頑張り続けようとして、あるとき限界を超えて、プチンと電源が落ちるかのように学校に行けなくなってしまいます。そして、その後は勉強の遅れを取り戻すために、さらに頑張ろうという「気持ち」だけがあり、学校を休んでいながらも、「勉強しなきゃ」と追い立てられます。この焦りを外すためには、それまで関係性のある人(子どもと同じ世界の人)ではなく、まったく異なる第三者(子どもとは違う世界の人)の介入が必要になります。

3 学校になじまない

学校の雰囲気というのはあります。今はテンションの高い学校が多くなった印象があります。元気で積極的な人はその雰囲気は心地よいですが、静かでマイペースな人にはとてもしんどいところがあります。学校の先生も、元気が〇でおとなしいが×というレッテルでクラス経営をされることもあります。おとなしい子に無理矢理、みんなの前で話をさせたり歌を歌わせたり。そして、それができたことが「成長」とされる。しかし、実際は、誰もが明るく元気で積極的、行動的である必要はありません。おとなしい、マイペース、読書や思索にふけるのが好きな人がいてもおかしくありません。

これは中学受験をする際でも一つのポイントになります。我が子がその学校の雰囲気になじむかどうかは見極める必要があります。有名校だからとか、○○大学の付属だからという理由だけで進学しても、子ども自身にとってその学校の生活が酷であってはいけません。学校の雰囲気になじまない中で私学のハイペースの授業についていくことは、慣れない環境の中で今まで以上の力を出さないといけない状況になります。例えるならば魚が陸で水中よりも速く泳がないといけない状況とでも言えます。

学校になじまない場合の子どもの中にある気持ちは、「違和感」です。なんか違うという感覚です。これに関してはプラスに作用することもあり、今までの環境でつくってきた自分の「キャラ」が嫌な場合はこの違和感のおかげで、本来自分が出したかった「キャラ」を出していくことができます。また、このなじまないという違和感については、違和感を感じているもの同士が集まって、そのまま学校生活を送れる場合もあります。

一方で、学校になじまないという中で起きてくるのは先生との相性です。担任との相性はもちろん、教科担当の先生との相性もあります。例えば、美術の先生と相性が悪ければ、その曜日だけ休むということを繰り返します。そのうち、勉強についていけない、休んだ分の課題に追われる、または特定の授業だけ避けていることをクラスメイトなどから「ずるい」と言われるなど、プラスになることはありません。休んだその日は安心しますが、安心はわずかな時間で過ぎ去り、再び「来週はどうしよう」とか「みんなになんか言われるかも」なんていうことが気になり始めます。

学校全体、クラスの雰囲気、先生のクラス経営の方向性、授業担当者との相性、友達の言動など、いろいろなモヤモヤしたことが積み重なった結果、学校に行きたくなくなります。

共通する心の問題は「自分を責める心の声」

不登校になる原因は心の問題です。それが一体どんな心の状態なのかは人やケースによって異なります。大切なのは学校での「キャラ」が本来の自分の持っている性格と離れないことです。学校で背伸びをした生活を続けていくことは、子どもにとってかなり心苦しいです。ちょっとくらいの背伸びならそれは成長の伸びしろともとらえられますが、とんでもなく別人のようにふるまうことは、心を苦しめていきます。

それは自分を責めるという形で現れます。この自分の責めは厄介です。それは自分の心の中で回る独り言です。ですから、周囲の言葉がけや環境の変化があっても、本人の内面が変わらない限りなくなりません。不登校の初期は休むこと自体が重要になりますが、この自分を責める心の声がなくならない限り、子どもの苦しみは続きます。仮に不登校から脱して学校に行き始めても、実は辛かったりします。または不登校にならないけど、自分を責め続けながら頑張っている人もいます。

そういった自分を責める声に耳を傾け、その声を取り去るのが、カウンセラーの仕事であります。

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不登校になり始めると罪悪感でいっぱいになる

不登校の原因は、不登校になった本人にもよくわからないことがあります。なぜだか分からないけど、朝起きられない、学校の準備をして家を出るけど、途中でおなかが痛くなる、夜は「明日は行こう」と思うが、朝になると気分が重い。身体症状がたくさんでて、本当は行きたい、行かないといけないと思っているけど休まざるを得ない。

そんな中、家にいて時計を眺めながら、「今は体育だな」とか「今日英語の単語テストだったんだよな」とか学校での授業をイメージする。そういう中で、

何で自分は学校に行けないんだろう

学校に行かない自分はだめだ

このまま引きこもってしまうかもしれない

親に迷惑をかける

友達に心配される、もしかしたら嫌われるかもしれない

勉強の遅れをどうやって取り戻そう

こんな不安とが学校に行かない間ぐるぐると、頭をめぐります。そして、こんな自分はダメだという責めが始まります。この自分を責める言葉が、不登校の生徒のエネルギーをどんどん奪っていきます。不登校になり始めてだんだん元気がなくなるのはこの自分を責める気持ちです。

この責める気持ちから解放されていくことが、不登校の解決にとって重要なポイントです。とはいえ、これを取り去る方法はまだ明確には分かっていません。そんな中で最も効果的なのが「認知」を変えることです。自分一人で考えていると同じものの見方しかできません。しかし、他人と話をすることで、自分にはないものの見方が見えてきます。

人と話したり、話を聴いたりして認知の枠組みを変えていくことで、気持ちが楽になります。自分の責めから解放されると、不登校という状態に何らかの変化が現れます。これは必ずしも学校に戻るということではありません。何かの役に立ちたい、自分にもできることがある、という気づきが起きてくるのです。そこを考えていくことができれば、一つの解決となります。

不登校の初めにある罪悪感はあるいみ、幻でしかありません。その幻に支配されている状態が続くと心が苦しくなり、不登校が長引く恐れがあります。

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