12月, 2022 | 不登校サポート | 家庭と子どもの再スタートを応援します

2022年12月

不登校生の誤った思い込みを崩していく手法

不登校する子どもが持っている誤った考え方? 不登校する子どもは視野が狭い?

「どうせ俺は頭が悪い」「だれも自分と友達にはなってくれない」「私はブスだから女子の仲間でもバカにされている」

不登校しているお子さんが不登校の理由を尋ねられた時にこういった自分を卑下する言葉が出てくることは少なくありません。

実際にそういう対応を学校でとられてしまったということはあると思います。しかし、それが全てではないのは周りが見れば明らかですが、本人にとってはそれが全てです。実際に言葉にしない人も自分のことを悪く思っているという確信があります。

この誤った確信を壊していくのがカウンセリングの役割でもあります。

誤った信念―イラショナルビリーフ

イラショナルビリーフとは論理療法(アルバート・エリスが提唱)の概念です。「非合理的な 信念」というのが訳語です。極端な思い込みや、一部の事例で全てを解釈するような過度な一般化などが当てはまります。自分を卑下する言葉もこのイラショナルビリーフからくるものです。

論理療法では「頭が悪いを証明する根拠」を問うたり、「あなたにとって友達とはどういう人か?」など言葉を使って本人の思い込みを緩めていきます。これが功を奏する場合もありますが、子どもにしてみれば揚げ足取りをされているように思われて、あんまりづけづけと質問されても気持ちが穏やかにはなりません。

イラショナルビリーフを崩していく方法

非合理であれ、誤ったものであれ、本人にとっては「信念」として確固たるものがあります。それを安易に間違っていると言われるとそこで心を閉ざしてしまいます。

そこで私が使うのは自己矛盾への気づきを促します。

そのためには本人に自分のことをいろいろと語ってもらいます。

たとえば「頭が悪い」という場合は、好きなことを語らせます。ゲームでも鉄道でもアイドルでも良いです。好きなことを延々と語っていくと非常に盛り上がります。そうして、「そんなの良く知っているね」とか「そんなところまで覚えているんだね」ということを伝えていきます。そこには情報を調べること、取捨選択すること、覚えている記憶力があります。

そういったことをちょっとずつ伝えていくと、頭が悪くないという話になります。

キャリア教育が有効になる

ここまで話しても頑固な場合は「これは学校のテストで点を取るのには役に立たない」という反論が来ます。

でも、ここまでくればほぼ大丈夫です。学校のテストだけが頭の良し悪しではないこと、好きなことを言葉にすることがどれだけ大事か、社会に出た時に情報を得たり、吟味する力がどれだけ必要とされるかを伝えます。ここでキャリア教育の視点を入れると効果的です。

こうやっていくうちに自分の信念が誤っていたというよりも広い視座に立って自分を見つめることができるようになるのです。

登校すること、学校での勉強、そこでの人間関係だけという狭い世界の中で考えれば不登校は落伍者のごとく思われますが、社会全体と本人の人生から見ればほんのワンシーズンでしかありません。出口のないトンネルがないように、必ず光明が見える日がやってきます。

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不登校のまま中学3年生の冬休みどうする?

不登校のまま中学3年の冬休み どうする? 長期休みはちょっと気持ちは楽になる

お正月が苦手だという話を前回書きました。ただ、長期休みというのは学校も休みなので「明日は学校行こう」とか「今頃学校では体育やってるな~」とか学校のことを考えないで休めることは気持ち的に楽な面もあります。ただしこれほんの束の間で、受験を控えた中学3年生は進路についてプレッシャーを感じています。

もうすぐ卒業、進路はどうする?

学校に通っている中学3年生は高校受験を控えて冬期講習に通っています。学校や塾での進路相談があり、志望校も決まり、どういう対策をして受験に臨むのか、具体的な対策が決まっています。

しかし、不登校しているとそういう情報が入ってきません。自分で調べに行かないといけないのです。高校は義務教育ではないとはいえ、高校卒業していないことが将来的にプラスに転じるということはありません。

就職にしろ、進学にしろ高卒資格があることは大事です。留学についても、ある程度の学歴がないとビザがおりません。

とにかく高校進学を考える

まず選択肢として浮かんでくるのが、通信制高校です。これはクラスの輪に入ることが難しい、人間関係がいや、学校行事にも消極的な場合は有効です。

「自分には全日は無理だ」という決めつけもあるかもしれませんが、通信高校という選択肢は不登校した人が選択肢としてとるものです。

通信高校からも就職も進学も可能です。

全日制に行きたい場合も、通信制を併設しているところをお勧めします。切り替えができるので、仮に全日に通うのが難しければ通信に帰ることができます。

冬休みに考え始めるのは遅い?

進路の決定基準はどこに行きたいかよりも3年間続くのかです。卒業してナンボのところがあります。まずは学校の情報とカリキュラムを見て、続けられそうかをお子さんとよく話し合うことです。そして、どこの高校にするかをお子さん自身が決めることが辞めないための原動力になります。

今お子さんが、中学3年生で不登校、高校どうしようという状態で冬休みを迎えているのは、実は失策です。通信高校の情報は遅くとも夏休みくらいには出回り始めて、秋口には願書が配布されます。ただ、この失策は親御さんの責任と言うよりも、学校の責任でもあります。進路指導をしていないとも取れます。ただ、安心してほしいことは、通信高校は4月くらいまで募集しているところが多いです。授業開始が5月の連休明けというところもあります。遅いからと言ってすべてが閉ざされたわけではありません。

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不登校とお正月

不登校とお正月 冬休みは不登校しているお子さんにとってどんな季節なのか?

冬休みは、クリスマス、大晦日、お正月と何かとにぎやかな時期です。不登校しているお子さんが苦手な時期でもあります。不登校は学校に行っていない「普通とは違う」状態です。その状態を、親せきなんかに知られることや、そのことで気を遣われることはかなりの負担になります。とくにお正月の親戚のあつまりは辛いものになります。

親せきには会いたくない

お正月に親せきと会いたがらない不登校のお子さんは多いです。事情を知らない親せきから「学校はどうだ?」とか「高校どうするんだ?」なんて聞かれるのが辛いです。

また、同世代のいとこなんかがいると、「同い年の○○ちゃんは、クラブで全国大会に出た」とか「○○大学に合格した」とか、聴いているだけで自分がみじめになるような話題が飛び交います。その場に居たくないというのが正直なところですし、そもそもそういう集まりの場には顔を出さないです。

お年玉もうれしくない?

実際に親せきに会わなかったとしてもお年玉をもらうことはかなり微妙な気持ちになります。お金をもらえること自体はうれしいものの、自分と言う存在を忘れておいてほしいという思い、この1年学校をさぼっていたのにお年玉をもらうような存在ではないという自己否定感もあります。

真面目であればあるほどこういう気持ちが強いです。

不登校生の心の中でおきていること

世間の盛り上がりの外にいる自分を感じます。年末年始の、「この一年も良い一年だった」と言う雰囲気と「新たな一年への希望」もないのです。この一年を振り返ってもとくに何もしていない、そして次の一年についても特にこういうことがしたいという希望を持つことが難しいです。そういう雰囲気とは無関係な状態でいたいというのが本音です。

できれば放っておいてほしい。ただし、ちょっとだけ気にかけてほしいので、「たぶん、親せきの集まりにはいかないだろうな」と思っていても、声をかける。そして「いかない」という応答をもらうというところが肝要です。

普段家で一人で暮らすことが平安な状態なのです。心理的にはその状態がベストです。本人の意思を尊重したうえで、親せきの集まりや家族での旅行や外出に無理に連れて行かないことが大切になります。

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