10月, 2022 | 不登校サポート | 家庭と子どもの再スタートを応援します

2022年10月

スクールカウンセラーには何をしてもらうと良いか?

スクールカウンセラーには何をしてもらうと良いか? 不登校の対策にはカウンセリングは有効です 

不登校のことを学校に相談すると、ほとんどの場合、スクールカウンセラーとの面談を提案されます。間違った対応ではありません。まずはスクールカウンセラーに相談して、保護者の方が抱える不安や、悩みを言葉にすることは有効です。お子さんの状況を共有したうえで、専門性のもと、病院や専門の期間の紹介を受けるといいうことも良いことです。

はじめは保護者の方がカウンセリングを受けることになります。あとでも触れますが、まず本人がカウンセリングに出向くというのは稀です。

ただ、カウンセリングも良し悪しで、ただ聴くだけのカウンセリングは最初は良いですが、結果として解決に結びつきません。他にもいくつか効果の薄いものや逆効果の対応がありますので、それを紹介いたします。

1 「様子を見ましょう」と言われたとき

カウンセラーに相談して「しばらく様子を見ましょう」と言われることがあります。これに効果があるとしたら、様子を見るべきポイントがある時です。これまでと違った行動をとり始めた(たとえば、勉強しだした、家の手伝いを始めた、学校に登校するようになったなど)時には、様子を見つつ、言動や表情、行動などを観察する意味はあります。そこで、無理をしていないか、何か心変わりするきっかけがあったのかを見定めていきます。しかし、目的もなく様子を見ることは、あまり意味を成しません。もし、スクールカウンセラーにこのように言われたら、具体的に何の様子を見たらよいか尋ねてください。

2 具体的なアクションがないとき

不登校の面談でスクールカウンセラーにつながって一安心ではあります。しかし、具体的な方策がないカウンセリングに意味はありません。カウンセリングの基本は傾聴です。傾聴のないカウンセリングというのはあり得ませんが、傾聴の目的は相手のことを理解し、信頼関係を築くためのものです。そして、その信頼関係の上に、解決策を一緒に考えていくプロセスがあります。信頼関係があるから、言われっぱなしにならない、対話ができるのです。

具体的な解決の方策は人に寄ってい違います。カウンセラーが考えた方策が必ずしも当たるわけではないですし、すぐに効果は表れなくても、あとあと「あのときに○○してくれたのがよかった」なんていうこともあります。「聴くだけカウンセラー」遭遇したら、方策をたずねてみてください。それが「様子を見ましょう」であったら、具体的に何を見るか尋ねることです。

3 無理に子どもを連れて行かない

スクールカウンセラーに最初から会いに行く不登校の生徒はなかなかいません。特に中学生はほぼ無理だと思っていたほうが良いです。まずは保護者があって様子を伝えることです。その繰り返しの上に子どもがカウンセリングあらわれたりします。促しは必要ですが、首根っこつかんでカウンセラーに合わせることは逆効果です。

カウンセラーはスクールカウンセラー以外にもいます。最初に連れて行かれたカウンセラーで苦い思いをすると二度とそういうところに行きたくないと思います。

子どもがカウンセリングに行かなくても、不登校は解決することもあります。

学校のカウンセラーと合わない、ちょっとそのやり方に疑問があるという方はぜひこちらに音言わせください。 お問合せはこちらから…

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不登校のお子さんが最も親にかけてほしい言葉

不登校のお子さんが最も親にかけてほしい言葉 1 「なんと言葉をかけていいのか・・・」

「中学2年の息子がいます。学校に行かなくなって、3か月。今では昼夜逆転で、動画を見てあとはゲームばかりしている。自分の部屋からほとんど出てこないし、話しかけてもほとんど応答がありません。なんと言葉をかけていいのか・・・」

男子のお母さまから頂く相談の冒頭はこのようなことが多いです。

学校に戻ってほしいという思いもありますが、不登校が長引いてくると過程でコミュニケーションをとることすら難しくなります。解決の糸口として、親子で話しあう必要があることは分かっていつつも、話しあうどころか、あいさつもろくにできないという状況が生まれたりしています。

さて、このような場合にどういう言葉がけが有効なのでしょうか?まずは、不登校している子どもの心理を見ていきます。

2 中学生男子の心理

中学生の男の子は不登校していようがしていまいが、親と話をするのを「うっとうしい」と思っています。小学生のときとは別人だと考えてもらったほうが良いです。

一つの理由は反抗期です。自我が芽生え、人からあれこれ指示されることに対してはいら立ちを覚えます。特に不登校している場合、学校に行っていない負い目があります。あいさつの次に何を言われるかということをびくびくしています。

子どもは子どもなりに、不安を抱えていますし、不登校してゲームばかりしている環境が良いものとは思っていません。ただ、親と話をするなんてことは照れくさくてやっていられないのです。

それをはねのける術として、無愛想にふるまったり、無視したりしています。これは親が嫌いだからではなく、それ以上自分に関わってほしくないという思いから来ています。(言葉では嫌いと言うかもしれませんが、多くはそれは本心ではありません)

3 有効な言葉がけとは?

親のことを何でもかんでも良くないと思っていながら、全く親から言葉を掛けられないのも嫌なのです。その理由は「反抗したい」という無意識の欲求があるからです。

あいさつをする、食事を促す、洗濯ものを出すように伝える、など日々の生活するうえで当然の言葉がけが実は子どもには有効なのです。

不登校をしている場合、自分はいてはいけない存在と自分のことを責めています。しかし、母親から、学校に行っているときと同じように「ご飯食べなさい」「部屋の掃除をしなさい」「髪を切りに行ったら?」なんてお節介に関われることは、表面的にはうっとうしいと言いながらも、内面では喜んでいることなのです。

変にほめたり、おだてたりせず、ごくごく普通の言葉がけが、学校に行っていない負い目を軽くしてくれます。もちろん、それにたいしてはぶっきらぼうな態度をとります。しかし、それはそれで順調なのです。

自分の存在が認められ、もっともやりたい反抗もさせてもらえているからです。

4 お母さんのメンタルのケアが重要

いくら、日常的に接するようにと言われても、学校には行かない、態度は悪い、ぶっきらぼう、その上、勉強せずにゲームばかりしているわけです。親の言うことを、まったく聞き入れてくれない状況協には、親の方が参ってしまいます。

ある意味根競べ的なところもあります。そこに根負けしないだけのメンタルが必要です。そこに、仕事のこと、家庭のこと、夫婦のこと、他の兄弟のことや自分の親の介護などが入ってくるととてもじゃないですけど背負いきれません。

不登校のお子さんを抱えた、お母さんのほうが参ってしまうケースもあります。この大事な時期に、お母さんが倒れてしまうと、子どもはますます自分を責めます。「自分が不登校になったせいで、お母さんに無理をさせてしまった・・・」と。

そうなる前に、お母さん自身のしっかりした心の芯をケアしておく必要があります。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

 

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中学不登校の高校生が大学進学を目指したわけ

中学不登校の通信高校生が大学受験をしようと思ったワケ 中学に通ったのは1年生の1学期だけ

小学校時代、学校でも習い事でもトップで、周りからも慕われる小学生でした。クラスでもリーダー的な存在となりました。中学になり、さらに頑張ろうと、小学生時代から続けていた体操に加えて、卓球部にも入りました。成績も優秀な彼女は、そういう自分を保つために必死でした。そして迎えた中学最初の定期テスト・・・そこで彼女は力尽きてしまい不登校になりました。

現実逃避のためのアイドルの追っかけ

私のところにやってきたときは、不登校をはじめて一年以上が経っていました。そのころ彼女は、アイドルオタクとして、学校に行く代わりに「現場」に良く出かけていました。コンサートや舞台があるとなると、北海道、仙台、大阪、名古屋と奔走しました。テレビ出演の予定も入手して、出待ちするために、何時間も寒空のもとにいるということもありました。

学校に戻ること、勉強すること、将来の自分を考えることを一切せず、時間と労力とお金を使いまくって遊んでいた。

とりあえず高校には行く

中学には通わず、卒業することだけは決まる。しかし彼女の進路は決まっていない。学校には相談することはなかった。とりあえず高校は行くとは言いながらも全日制には行くことはできないということ。彼女の母親が集めてきた通信制の高校の資料から説明会に出向いてある高校に行くことを決めた。とにかく楽に、とにかく手を抜いて卒業できる・・・彼女が高校を選ぶ時の基準はそんなものだった。

高校生の自覚はない

通信制の高校に進学するが、「高校生」という実感はない。コロナのまん延もあり、自粛で社会全体が家にいることになった。彼女が好きなアイドルの活動もほとんどなくなり家にいる。これが功を奏した。アイドルオタク(ある種の中毒)から抜け出すきっかけになった。

しかし、高校卒業後にどうしたいという思いもなく、ただ課題をこなす日々。それも適当に。

親御さんも、カウンセラーの私も進学をきっかけに何か変わるかと思ていたが、それは期待外れだった。この先どうするのかという問いを彼女がなかなか受け付けない。アルバイトを始めても続かない。彼女の中で「ダメな自分」が再構築されていく日々にただ寄り添っていくしかなかった。

きっかけは適当に聴いていた動画の授業

ある日、いつものようにけだるい感じで高校の授業を視聴していた。「よく生きるには?」という倫理の授業だった。彼女はこの授業を聴きながら自分が肯定された思いになった。

生きる意味を問い、自分の存在価値を問い、苦しみ、そこから逃れるためにアイドルを追いかけていた日々が肯定されたような感じがした。

自分も生きていていいんだということを初めて実感した。そしてもっと人と話をしたい、自分が味わったこの肯定される感じを他の人にも味わってほしい。そうして彼女の大学への挑戦が始まった。

自分を肯定したくても、肯定できない。肯定する材料がない彼女にとっては、カウンセラーの言葉は遠く、その時そのときはなんとなく前向きになれても、うまく自信を持つことができなかった。それが授業を通じて前を向き、大学進学を志すようになる。

周りの促しがなかったかと言われると、まったくないわけではないと思う。家では大学に行くことが話題になっていたこともあるようだ。ただ大事なのは、周りの顔色を窺ったり、親を喜ばせるためだったりではなく、自分が学びたいと思うまで彼女の変容を辛抱したことにあると思う。家族を含めて、どんなに道を外れても見守ってくれる大人がいたことが功を奏したのである。

カウンセリングが何か役に立ったというよりも、家族以外の大人との関係性が薄い彼女にとって、第三者的な大人に考えたこと、気持ち、今の自分の状況を話せる環境が必要だったのかもしれない。学校に行っている子は学校の先生、塾の先生、習い事なんかの指導者などいろんな大人がいるが、不登校している子どもにはそういった働きかけは少ない。特に自分自身の存在を問うているような状態の子に、何かを身に着けたり上達するように指導するような場は酷である。カウンセラーの必要性を感じつつ、大学受験する彼女の背中を軽く支えているのが今の私の仕事である。

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不登校は数日休むと回復する?

不登校する中高生がカウンセリングを受ける最適なタイミング 1 不登校の多くはメンタル不調

不登校の多くはメンタル不調が原因です。学校の人間関係トラブル、成績不振や宿題・テストの忌避、自己肯定感の低さなどです。もちろん、体力的疲れているから休むというのもあると思います。

不登校の初期は原因が何か分かりません。数日休んで、気持ちを切り替えて学校に行けるお子さんもいます。休むことも効果的です。しかし、これがいつまでも続くとなると、対処が必要です。初期の対応としては学校に行くように促すのはやっても良いと思います。その時にどう反応するのかで、その後の対応が分かれます。

不登校の対応としてカウンセリングをすすめられることは多いと思いますが、実は最適なタイミングがあります。

2 「学校に行きたくないと」言葉で言えるか?

不登校しているお子さんの表情はさえない表情をしています。中学生や高校生のハツラツとした印象とは程遠く、どんよりしていて、目にも力がない感じです。それでも学校に行こうと準備をするお子さんはいます。遅刻してでも、教室に入れなくても登校しようという意志を持って行動するのです。本人がそうしたいのであれば、親としてはそれをサポートしてあげたほうが良いでしょう。

ただ、注意点としては、「学校に行きたくない」と言葉で伝えてきた場合は、登校の促しは控えた方が良いです。それは、言いにくいことを伝えること自体に勇気がいるのに、それを否定されてしまっては、心の中にエネルギーがまったくなくなってしまうからです。

3 学校に行きたくないと言ってからの対応が分かれ目

「学校に行きたくない」という言葉は意思表示です。その意思を尊重することは、お子さんの人格を肯定することにつながります。

初期の対応の分かれ目はここにあります。学校に行きたくないという意思表示をしたあとにも学校に行くように促すのか、その意思を尊重して登校にはふれず休ませるのか。後者をとってもらうと、登校するしないは別として、表情が明るくなるのは早いです。

行きたくないと言ったのに行くように促すと、反発を生み、結果として家族とも話さず引きこもる可能性が高まります。

4 意思表示があってからの対応でも遅くはない

不登校の初期対応としては、休ませること、そして登校の意思確認が重要です。行きたいのに行けないのか、行きたくないのか、よくわからないのか。いずれにしても、学校に行かない現実はおなじですが、本人が何か意思表示をしてからでも対応を考えてよいと思います。

特に私のような外部のカウンセラーに引き合わせるのは、本人にも相当な覚悟が必要です。「カウンセラーに会わせる」という言い方で親御さんや学校の先生から依頼を受けますが、そういう場合はなかなか心を開いてくれません。本人が意思表示をしたら、「じゃあ対応を考えようか」ということが可能になります。

本人の登校への意思表示があった場合はカウンセリングを受けることで有効にメンタル不調を回復することができます。

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