思春期のお子さんとの向き合い方 | 不登校サポート | 家庭と子どもの再スタートを応援します - Part 2

思春期のお子さんとの向き合い方

思春期の子どもの心の揺れに寄り添うヒントをお届けします。小学校の高学年、中学生のお子さんが陥りがちな、反抗期のお子さんの内面に関するものです。

子どもが不登校になった。勉強の遅れが心配だけど・・・

お子さんが不登校になっての心配事は実は「勉強」です。親としては、勉強が遅れる、ただでさえ勉強してなかったのにこのままではどうなるのか?高校であれば、単位がとれるのか?進級できるのか?受験に間に合うのか?などなどがグルグルと頭名の中を回って悩んでしまうわけです。

しかし、不登校している子どもを見ると、勉強のことなんか言えないくらいに弱り果てている。それどころか日常の会話さえ成り立たない場合もあります。そんななかで、勉強のことなんか到底聞けないという思いでいらっしゃると思います。

言いたいことを言うべき相手に言えないときにストレスはたまります

不登校している子どもに対して、

なんで学校に行かないのか?

勉強はしているのか?

進路については考えているのか?いつ頃復帰するのか?

いろいろとききたいことはあるでしょう。そして、実際に聴いてみて「うるせえな!」とか「分かっているよ」など逆ギレされてしまった経験がおありの方もいらっしゃると思います。

この逆ギレの背後にある気持ちは、「今はきいてくれるな」、「親には言いたくない」など話をしたくないという思いがあります。

とはいえ、逆ギレでは親が知りたいことは分からないし、問題の解決には向かいません。親の不安は募るばかりです。

ただ、この逆ギレの反応も大切なのです。それは、子ども本人も気にしているからそういう反応が来るわけです。少なくともその話題に触れるタイミングではいというところかもしれません。この反応は人によってさまざまで、「実は勉強について不安だ」と気持ちを吐露する場合もあります。

勉強を強制するのは不味い場合がありますが、そのことについて尋ねることは大切です。どんな反応が返ってくるかで子どもの勉強に対する考えを読み取ることができます。

確かにこれでは親の不安は払拭されません。反応が返ってきたところで、子どもが勉強するようになったり、学校に戻るわけではないからです。

大切なのは「うちの子は大丈夫!」という子どもに対する信頼です。

不登校が親の愛情不足から来ているという考え方もありますが、子育てをパーフェクトにできる親なんていません。不登校になったから失敗したという考えは捨ててください。むしろ、そんな考えのまま子どもに接していたら「あなたは失敗作なのよ」というメッセージが伝わり、余計に自信を無くしてしまいます。

子どもさんがカウンセリングなどの支援を受けることも大切ですが、親御さんもカウンセリングを受けて、心を育み、お子さんに対する「大丈夫」のまなざしを向けてみてください。

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中学生になると不登校が増える理由

中学生になると激増する不登校その背景には何があるのでしょうか? 平成 30 年度  文部科学省 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果についてより

不登校の人数は義務教育課程の小学1年生から中学3年生にかけて増えていく。特に、小学6年生から中学1年生にかけて倍以上に増えて、そこから中学2年にさらに1万人以上が増えていることが読み取れます。

不登校の定義は文部科学省によると下記のようになります。

年度間に連続または断続して30日以上欠席した児童生徒のうち不登校を理由とする者について調査。ここで「不登校」とは、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しない、あるいは、したくともできない状況にあること(ただし、病気や経済的理由によるものを除く)とされている。

不登校は30日というのが目安になっておりますが、実際には1週間や3日でも本人が「不登校」と認識していることがあります。

中学生が不登校になる3つの要因 文部科学省 平成 30 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について をもとに作成

上の表は文部科学省の調査をもとに作成したものです。中学生で不登校の生徒の「本人に係る要因」として調査された項目を集計したものです。人間関係、遊び・非行は分かりやすいのですが、無気力、不安、その他は具体的に何なのかは見えにくいところがあります。

表面的には、友達との関係、勉強についていけない、学校の雰囲気が合わないなどがあります。それぞれが単独で起こることもありますが、絡み合って複雑ななかで起こります。しかしながらそれぞれは、表層に現れた一つの現象でしかありません。心の中にはいろいろな問題があります。しかも不登校の原因が何か一つだけという明確に決まっていることは、むしろ珍しいくらいです。 特に小学校から中学校は、他校との合流もあり、それまで6年間慣れ親しんだか人間関係が変わること、また本人の体の成長、思春期からくる心の不安定さなどいろいろな要素が作用してきます。不登校していない生徒も、心の中には言葉にできない複雑な思いがあります。

ここでは、友達関係、勉強面、学校の3つの面とその背後にある心の問題を見ていきます。

1友達関係の変化

友達との関係は、いじめに発展しているケースもありますし、あまり気の合わない友達とグループになってしまい、つらい思いをしていることもあります。不登校になり始めるときは、友達関係のつまづきはよくある理由の一つです。小学生の時は男女入り混じっていた人間関係が中学になると男女別になります。異性を意識するあまり、それまで仲良く話をしたりしていた幼馴染ともぎくしゃくしてしまいます。冷やかしの対象になったり、自分の気持ちとは無関係に「○○は△△のことが好きなんだって~」とあらぬ噂を立てられたりします。同姓で仲の良い友達ができればよいですが、そこがうまくいかないと、「友達がいない」という状況が発生します。周りの目を意識することが多い中学生にとって「友達がいない」という状況を受け止めることは大変心苦しく、結果として学校に行くことが辛くなります。

また、「友達がいない」状況を無理に打開しようとして、たいして気の合わない友達とつるむこともあります。これは学校ではなかなか見抜くとができません。実は、これがいじめにつながることもあります。表面的には仲良くしていても、そのグループの中で上下関係ができて「次の数学の時間に、先生にハゲって言え」とか「むかつく女子にちょっと嫌がらせしてこい」とかなんとか命令されていることがあります。教師もクラスメイトも「態度の悪いグループ」として扱いますが、実はその中には、友達がいなくて背伸びして悪い奴らを演じている人もいます。

本来の自分ではない自分を演じ続けることが学校で生きのびる方法になってしまいます。中学生になると親も友達関係をそれほど気にしません。ただ、言葉遣いや私服、聴く音楽や見ている番組、動画などに、「これまでのこの子と違うな?」と思ったら背伸びして友人と付き合っている可能性があります。これは不登校において黄色信号です。どんな友達がいるのか尋ねてみるのも良いと思います。

人間関係の心苦しさを訴える術もないし、訴えたところで一人ぼっちになる。自分でもよく分からないまま学校に行きたくなくなる、いや体の調子が悪くなって行けなくなってしまうのです。

2 勉強についていけない

勉強についていけないというのもよく聞く理由です。小学6年から中学1年で激増している理由の一つは、これがあると思います。授業の進むスピード、出される宿題の量に圧倒されてしまったり、または必死についていこうとして疲れ果ててしまうケースもあります。また、小学校は学習について先生が手厚くフォローされますし、進むスピードも緩やかであります。それが中学になると「自分でやっておきなさい」というスタンスに変わります。

また中学受験を頑張った生徒もいろいろなショックを受けやすいところです。受験を経て、学力がついたと思っていても、進学した学校のレベルが高く置いてきぼりを食らう。そして「ついていけない」ということで休みつつも、負けを認めたくないので「勉強が理由だ」とは決して言わないのです。親も、せっかく入試を経て合格した学校を、いきなり休まれては困りものなので、頑張らせようとします。しかし生徒自身も不登校の理由を言葉にせず、親自身も頑張らせることは、不登校を長期化させる可能性をはらんでいます。

勉強についていけないことはプライドを傷つけることに繋がります。そして、そのプライドのために背伸びをして、頑張り続けようとします。友達に負けたくない、親からの期待、先生への忠誠心のようなもの、いろいろなことが勉強に駆り立てますが、本来の力以上のものを出し続けると当然ながらばててしまいます。この背後にあるのは焦りの気持ちです。勉強についていけない、成績が落ちる、そういうことが周囲に知れたら自分はどんな風にみられるんだろう。そんな思いがあって、頑張り続けようとして、あるとき限界を超えて、プチンと電源が落ちるかのように学校に行けなくなってしまいます。そして、その後は勉強の遅れを取り戻すために、さらに頑張ろうという「気持ち」だけがあり、学校を休んでいながらも、「勉強しなきゃ」と追い立てられます。この焦りを外すためには、それまで関係性のある人(子どもと同じ世界の人)ではなく、まったく異なる第三者(子どもとは違う世界の人)の介入が必要になります。

3 学校になじまない

学校の雰囲気というのはあります。今はテンションの高い学校が多くなった印象があります。元気で積極的な人はその雰囲気は心地よいですが、静かでマイペースな人にはとてもしんどいところがあります。学校の先生も、元気が〇でおとなしいが×というレッテルでクラス経営をされることもあります。おとなしい子に無理矢理、みんなの前で話をさせたり歌を歌わせたり。そして、それができたことが「成長」とされる。しかし、実際は、誰もが明るく元気で積極的、行動的である必要はありません。おとなしい、マイペース、読書や思索にふけるのが好きな人がいてもおかしくありません。

これは中学受験をする際でも一つのポイントになります。我が子がその学校の雰囲気になじむかどうかは見極める必要があります。有名校だからとか、○○大学の付属だからという理由だけで進学しても、子ども自身にとってその学校の生活が酷であってはいけません。学校の雰囲気になじまない中で私学のハイペースの授業についていくことは、慣れない環境の中で今まで以上の力を出さないといけない状況になります。例えるならば魚が陸で水中よりも速く泳がないといけない状況とでも言えます。

学校になじまない場合の子どもの中にある気持ちは、「違和感」です。なんか違うという感覚です。これに関してはプラスに作用することもあり、今までの環境でつくってきた自分の「キャラ」が嫌な場合はこの違和感のおかげで、本来自分が出したかった「キャラ」を出していくことができます。また、このなじまないという違和感については、違和感を感じているもの同士が集まって、そのまま学校生活を送れる場合もあります。

一方で、学校になじまないという中で起きてくるのは先生との相性です。担任との相性はもちろん、教科担当の先生との相性もあります。例えば、美術の先生と相性が悪ければ、その曜日だけ休むということを繰り返します。そのうち、勉強についていけない、休んだ分の課題に追われる、または特定の授業だけ避けていることをクラスメイトなどから「ずるい」と言われるなど、プラスになることはありません。休んだその日は安心しますが、安心はわずかな時間で過ぎ去り、再び「来週はどうしよう」とか「みんなになんか言われるかも」なんていうことが気になり始めます。

学校全体、クラスの雰囲気、先生のクラス経営の方向性、授業担当者との相性、友達の言動など、いろいろなモヤモヤしたことが積み重なった結果、学校に行きたくなくなります。

共通する心の問題は「自分を責める心の声」

不登校になる原因は心の問題です。それが一体どんな心の状態なのかは人やケースによって異なります。大切なのは学校での「キャラ」が本来の自分の持っている性格と離れないことです。学校で背伸びをした生活を続けていくことは、子どもにとってかなり心苦しいです。ちょっとくらいの背伸びならそれは成長の伸びしろともとらえられますが、とんでもなく別人のようにふるまうことは、心を苦しめていきます。

それは自分を責めるという形で現れます。この自分の責めは厄介です。それは自分の心の中で回る独り言です。ですから、周囲の言葉がけや環境の変化があっても、本人の内面が変わらない限りなくなりません。不登校の初期は休むこと自体が重要になりますが、この自分を責める心の声がなくならない限り、子どもの苦しみは続きます。仮に不登校から脱して学校に行き始めても、実は辛かったりします。または不登校にならないけど、自分を責め続けながら頑張っている人もいます。

そういった自分を責める声に耳を傾け、その声を取り去るのが、カウンセラーの仕事であります。

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教育界が注目している自己肯定感。成績だけじゃない、自己肯定感がが高い人が得していることは??

自己肯定感とは?高い人と低い人の違い

自己肯定感とは、自分で自分のことを「良い」と存在や価値を認められる力です。この能力は近年、教育の分野で注目されている力の一つです。

それは、日本だけでなく世界で活躍する、実業家、スポーツ選手、芸術家の多くが自己肯定感が高いということも一つの証拠です。

例えば、野球選手で二刀流といえば大谷翔平選手。彼が日本だけではなく、メジャーでも二刀流を貫き、活躍できているのは彼の自己肯定感の高さだと言われています。今まで誰もなしえなかったことをなしているわけです。当然、先輩や著名な野球OBからの批判もありました。しかし、そういう批判があるのを知りながらも自分の道を貫く強さの秘訣は、やはり「自分はこれでいい」と認めている自己肯定感に他ならないのです。

では、自己肯定感と成績の関係はどうでしょうか?実は、自己肯定感が高いから必ず成績がよいというわけではいです。ただ、成績が上位の人には自己肯定感が高い人が多いということが「全国学力テスト」の分析からも証明されているようです。

教育現場にいた私の実感として、成績が高くても自己肯定感が低い生徒はいました。成績トップのクラスで高得点を取る、宿題もきちんと出す、でも自己肯定感が低いのです。その理由は、成績が悪いと親に叱られるから、いつもおびえているのです。その生徒が期末試験で95点を取りました。学年の最高点でした。しかし、彼は喜びませんでした。「あ~、あと5点」とボヤいていました。私が「学年最高点だよ。今回はちょっと難しかったから平均点も63点だから、かなり良いよ」と言っても「いや、ミスですね」というのです。

自己肯定感が低いとほめ言葉が入らない。そして、失敗をずっと引きずるのです。ですから彼の成績は安定しませんでした。

一方で、授業中、いつも楽しそうにしていて、成績の良い生徒というのが何人かいました。彼らのことを思いながら、自己肯定感高いと成績が良い理由を考えてみました。

それは、好奇心、友達関係、レジリエンス(気持ちが落ち込んだ時の回復力)にあります。

自己肯定感が高い人が得していること その1

子どもは好奇心が旺盛です。自己肯定感が高いとその好奇心が勉強に向かいます。その結果自ら学ぼうとします。授業中も気になることがあったら質問してきます。「もっと知りたい」という思いが強いのです。そして、恐れがないので、どんどん前に進みます。だから、先生の指示を待たずに次々と勉強していきます。そして、学校では教えないような内容まで頭に入れていることもあります。今ではすぐにネットで調べたりしています。

そして、自己肯定感が高い彼らが得なのは、知っていることを話しても、イヤミったらしい自慢に聞こえないのです。それは、自分の優越感のためにやっているのではなく、人に教えることを楽しんでいるからでてくるものなので、聴いているほうも嫌な気がしないのです。

自己肯定感が高い人が得していること その2

自己肯定感が高い子どもは自己肯定感が高い子どもと仲良くなる傾向にあります。そして、互いに刺激しあいます。自己肯定感が高い人同士が仲良くなると、非常によい信頼関係を築けます。たんにまじめな話だけでなく、フランクな話ができます。意見の対立があっても、基本的に仲がよいので、「なんでも言える仲が良い友達」ができます。嫌なことがあっても、不満があっても何でも話せるわけですから、立ち直りが早い。結果、余計な心配はないわけです。すると、授業への集中、自宅で勉強しているときの集中が全然違うわけです。

中学生、高校生が勉強できない理由の一つは「心配事」です。目の前に問題集を開いていても、頭の中では違うことを考えてしまっているのです。その違うことというのは、友達に言われた一言だったり、好きな人から視線を外されたことだったり、友達どうしがけんかして、その仲裁に入っているけど、どうふるまって良いかわからなかったり・・・結構、人間関係が問題の種になっていることがあります。

自己肯定感が高ければ、こんな煩わしい人間関係から全く解放されてしまいます。というのは言いすぎですが、自己否定感が強い人よりは、余計な心配事で時間と気を遣って疲れることはありません。

勉強するときは勉強するという集中が生まれる背景には、普段の人間関係がごちゃごちゃしていないというのが大切です。そして人間関係をよくするうえで大事なのが自己肯定感なのです。

ちなみにテンションが高いのと自己肯定感が高いは別物です。

自己肯定感が高い人が得していること  その3

自己肯定感が高い人は落ち込んでも立ち直りが早いです。 嫌なことが起きた時に気持ちを回復する力をレジリエンスと言ったりします。

自己肯定感が高いからと言って運が良くて、なんでも思い通りに物事がうまくいくわけではありません。嫌なこと、落ち込むこと、まさかと思うような事態に合うことだってあります。

テストで悪い点をとることだってあるのです。さて、その時にどうとらえるかが、違うのです。

自己肯定感が高い人は、できたところを見る、できていなかったところは次への糧にする。今回の勉強のどこが良くなかったのかをきちんと反省して、次に生かそうとうする。

自己否定感が強い人は、できていないところを見る、問題が悪いと文句を言う、自分より点数の低い人を見て安心する。逆に良い点を取った人にひがむ気持ちを持つ。

自己否定感が高いと頭の中で自然と「ピンチをチャンスととらえる」思考が働きます。ですから、自分にとって思わしくない状況を受け入れて、次にどう活かすかを考えるのです。つまり、次につながる行動がそこから始まっていきます。実は、この行動が、回復のために必要なことなのです。

現状が大変でも何をやればよいのかが分かれば、そこから気持ちが回復していくのです。

まとめ

自己肯定感が高い人は自分の内面も、人との関係も、自然と健全な状態を保とうとします。嫌なことがあれば立ち直る、人とトラブルになれば、解決に向かう。そこで、話しあったり、謝ったりできるわけです。余計な心配がないから、目の前のやるべき勉強に集中できるし、難しい問題も「どうせ無理」と投げ出そうとせず、「どうやったらできるか?」を考えて学び続けられるのです。

そして、自己肯定感には自分の可能性を肯定する側面もあります。ですから、新しいこと、やりたいことにどんどんチャレンジして自分の将来を拓いていく力の源にもなります。自己肯定感を高めて損をすることは一つもないのです。…

教育界が注目している自己肯定感。成績だけじゃない、自己肯定感がが高い人が得していることは?? Read More »