2月, 2023 | 不登校サポート | 家庭と子どもの再スタートを応援します

2023年2月

不登校は甘えである

不登校は甘えである 不登校の初期は強い態度で対処しようとしてしまう

不登校を「甘え」と捉えて、学校に行くように強要される親御さんがおられます(特に父親に多い傾向)不登校の初期段階ではそういう解釈になって仕方ありません。身体も元気だし、学校生活にも気になることも見当たらない。なんでうちの子がと思ってしまうわけです。

病気じゃないから、やる気がない、根性がない、わがまま、などと甘えと捉えて、強い態度で臨んで、矯正しようとします。

この対応が間違いだと言い切ることはできませんが、あまり効果的な方法ではありません。

 

甘え=矯正するという考え方が誤り

「甘え」に対して、強い態度で出るのは良くないですが、

不登校は「甘え」なのです。それは、幼少期の子が駄々っ子をこねるような甘えとは違います。

中高生世代の甘えの奥にあるのは「存在の承認」です。

これは幼少期の甘えとは決定的に違います。幼少期の甘えは親にかわいがられることで信頼関係を築くため、その信頼がないと生きていけないところからきています。

中高生世代の甘えは、親の言うことを聞かない自分でも受け入れてくれるか?という自立を前提とした承認欲求からくる甘えです。

思春期の甘えとは?

ちょっと難しいので解説を入れます。中高生世代、思春期は反抗期です。親に反抗することで、自己を確立(自分をみつめる)ということをします。

不登校をしてもしなくても精神的には不安定ですし、身の丈に合わないでかいことを偉そうに語ったりもします。これはある意味、見栄を張っているという見方もできます。

自分自身という存在がこれから人生を歩んでいく上で、自己を確立していって良いか?と反旗を翻しているようなものです。

一方で、自信はありません。だから承認がほしい、その承認を素直にほしいとは親に言えない。

その結果、親に悪態をついて、親を困らせるような行動をします。その一形態が不登校という形をとっています。

不登校にはどんな対応が必要か?

「学校に行きたくない」ということをお子さんが意思表示したら、まずはその理由を尋ねることが大事です。

最初は表面的な理由を言います。対して困っていない人間関係のトラブル気に食わない先生の悪口クラスの雰囲気 などなど

これは本人がその理由をうまく言語化できないために、とりあえずその場しのぎで言っていることが多いです。しかし、その奥には言葉には言い表せないほどの親への承認欲求があります。それをダイレクトに言葉で認めても良いですが、見守りつつ、本人の口から親への感謝や日々の生活のありがたさを言葉にできると良いなと思います。

ただ、不登校している子どもを見守るのはとても忍耐がいる作業です。そういうこともあり、不登校している本人だけでなく、親御さん(特にお母さま)のカウンセリングを私はお勧めしております。

カウンセリングは随時受けつけております。初回は無料です。オンライン、電話、対面など方法も日時も選ぶことができます。ご要望の方このページの一番下の「お問合せ」からご連絡ください。

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不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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不登校している子どもが夢を語りだしたとき

不登校している子どもが目標を語りだしたとき 春は不登校生に辛い季節

学年が上がる、卒業や入学があるという、自分の意志とは無関係に一つ上のステージに押し出されるからです。周りは「順調」にステップを上がっていくのに対して、自分は一つ上にあがるのに、何も成長していないと感じます。

自分を責める気持ちが強くなります。しかし、中には一念発起して「来年こそは」という思いが湧いてくるお子さんもいます。

そして突然「学校行く」とか「勉強頑張る」とか「○○を目指す!」と宣言をし始めます。

これ自体は悪いことではないです。前向きに自分の人生をとらえ直そうと努力しているところです。

その目標設定は現実的だろうか?

しかし、現状を知っている親御さんからすると「到底無理だろう・・・」というような突拍子もない宣言であることも少なくありません。

明らかに背伸びをして宣言しているというのが見えてしまいます。だから、応援しようにもどうサポートして良いか分からないという状況になります。「それはちょっと難しいんじゃないの?」と宣言した目標を否定したくもなります。それはその目標に向かって動いても、続かないのが目に見えているからです。

目標よりも大切なもの

ここで大事なのは『理由を明確にする』ことです。

親から見ると突拍子もない、現実的でない目標であっても、本人は大真面目なので否定は良くないです。

お子さんが目標を立てたら「なぜそれをやりたいのか?」を話してもらうと良いです。その理由の中にあるのが、本音である可能性があります。

「このままじゃ将来仕事につけない」「親の世話になり続ける自分ではだめだと思った」「同じ年齢のやつに置いて行かれたくない」「親を安心させたい」

いろいろな思いがあります。その思いを受けとめたうえで、応援していくことができれば、お子さんが立てた目標に向かっていってうまくいかなくて心がおれたとしてもその理由をもとに立ち直らせることができます。

前向きな気持ちが見えてきたら

何かを宣言したり、目標を立てるというのはお子さんの前向きな気持ちの表れです。ネガティブ状態のなかから相当考え抜いて立てた目標です。稚拙で、実現不可能かもしれません。そして実際にその目標の達成は難しいです。しかし、その中にある思い(理由)を共有しておくことで、目標達成はならなくても前に進む力を後押しすることはできます。対話の機会が増えることで、より具体的に自分にとって最適な目標を見つけることもできます。

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不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

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まとめとひとこと

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近づきすぎず、離れすぎず。

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不登校している中学生が本当に悩んでいること

不登校している中学生が本当に悩んでいること? 思春期がはじまった中学生の悩み

中学生というのは本当に悩み多き年齢です。体のこと、心のこと、人間関係のこと、これらが成長してきて、「生まれて初めて」をたくさん経験します。恋愛とそれにまつわる人間関係の問題は学校生活を複雑にします。また学習についても、小学生の時にはそれほど勉強しなくてもできていたのに中学生になった途端に難しくなり、自尊心が傷つけられることもあります。

いろんな悩みを経験するなかで抱く嫌悪・・・

第二次性徴で自身の身体の変化と、性に対する考え方の深化が起きます。自分が生まれてきたのは両親の性交渉の結果という衝撃的な事実を目の当たりにするわけです。すると、それまでに見えていた親の像が違って見えてきます。頼りになる親ではなく、そういう側面を持った一人の人間、生き物として見えてきます。自分でも否定したくなる親への嫌悪感との戦いが始まります。同時に、そういう行為の結果生まれた自分に対する嫌悪も生まれてきます。

自分自身の存在を問う

そういう嫌悪感の中で生まれてくるのが、「自分は何のために生まれてきたのか?」「自分は生きていて良いのか?」

といった自分自身の存在への問いです。特に不登校していると「学校に行かない=みんなができている当たり前のことができない自分」という否定的な思いからスタートしているので自分自身には生きている価値がないという判断をしていることが多いです。何もしていない自分、何もできていない自分がいます。そこへの否定感から自殺企図が生まれることもあります。自分の存在への問いはなかなか結論が出ません。正確には、「存在して良い」と認めてほしいけど、それを認めるに足る理由が見当たらないので、「やっぱりだめかも」とグルグルと考えることになります。また、この問いがうまく意識できていない場合もあり、なんとなくのモヤモヤ感を抱えている場合もあります。この状態は苦しいので、逃避として、ゲームや動画に没頭したり、自分が生きていることを確認するためにリストカットをして血を見るということをします。

大切なことは存在への寄り添い

子どもたちが抱える表層の悩み(勉強、人間関係、自分の容姿など)に寄り添いつつ、その奥にある「どんな悩みや欠点を抱えていても大切な存在である」という子どもの存在そのものに寄り添う心構えを持つことです。

もちろん、不登校しているお子さんの将来は心配です。しかし、まずはお子さんの「今、ここ」に寄り添っていくことが肝要です。ここへの寄り添いが自信の存在のエネルギーになり、先のことを考えることができるようになります。

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近づきすぎず、離れすぎず。

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