かつて高校でスクールカウンセラーをしているときに受けた相談で、
「私、自分のことが嫌いなんで、性格を変えたいんですけど」
と相談されたことがありました。似たような相談は何件か受けました。
性格リフォームなんていう言葉もあります。
性格というのは行動のクセについたレッテルのことです。
ですから、相談してきた人に「行動を変えれば性格は変えられます。」と、答えていました。
たとえば、
頑固ものと言われるのであれば、周りの意見を受け入れて、自分の考えをわきに置く。人に従うようにすればいいのです。
細かいことを気にしがちな人は、おおざっぱに、物事を雑に処理するというように行動を変える。
ネガティブを変えたいのであれば、物事の良い面をみるようにする
などです。
行動を変えれば性格は変えられます。
でも、行動を変えることを邪魔するものがあります。
それは、感情です。
頑固な人が周りの意見を受け入れると、自分にとっては何とも気持ちが悪いのです。
細かいことが気になる人は、おおざっぱに物事を終わらせても、やっぱり後から細かいところを、きちんとしようとします。
ネガティブな人が良い面を見るように心がけても、なかなかそれを本当に良いものととらえることが難しいのです。
では、行動を変える前に感情を変えなければいけないのではないか?
ということです。
しかし、感情の力はとても強いのです。
考えて出てくるというよりも、反応として出てきます。
感情がでてきて、行動を変えようとする動きを止めてしまうのです。
そして厄介なことに感情は変えようとすればするほど、その力を増してしまうのです。
では、どうすればいいのか?
感情を変化させるコツはその感情をコントロールするのではなく、認めることなのです。そうすると感情は変わっていきます。
ですから、性格を変える第一歩は
「感情を認めること」となります。
このことを難しく考えないでほしいのです。
認めるというのは単に、「あ~今不快な感情があるな」と気づくだけで充分です。
感情を認知するんです。
それさえやっておけば、自然と性格は変わります。
それは気が付いたら変わっているという感じです。
性格は変えられます。
変えられるというよりも、感情を受け入れることで変わっていくもの、成長していくものというとらえ方が正しいかもしれません。