黒板に1から10までメモリを振って
「あなたは自分の限界がこの1~10のどのレベルの人間だと思いますか?」
と、かつて学校に勤めているときに中学2年生の男の子たちに尋ねました。
一番高い子で6。ほとんどの子が3~4でした。
漠然とした問いかけでしたが、少なくとも多くの生徒が自分のことを低く見積もっていました。
とてももったいないと思いました。
そこは私立の中学です。受験を経て入ってきた生徒たちですから、レベルは全体的に高いはずなのです。
それにもかかわらず、3とか4くらいだと思っているわけです。
つまり、「どうせ頑張っても・・・」とか「自分なんてたいしたことない人間だ」
という思いが心の中にあるわけです。
彼らはクラブ活動も頑張ります。塾にも行きます。学校からもたんまり宿題が出ます。
私立なので、授業のスピードも速い。
でも、心の中に自分を低く見る思いが根強くあると、子どもたちが伸びる環境にあっても、その成長を阻むことになります。
自己否定感の強さは足かせとなってしまうのです。
伸び悩む子どもの多くの原因がこの自己否定感なのです。
いくらほめて伸ばしても「どうせ」という思いがあると、自分の良いところに目が行きません。
だから、自己紹介とか自己PRをしても面白くないんです。原稿読んでるだけみたいになってしまって。
自分を成長させるためには、どこかでこの自己否定感とは向き合わないといけません。
さて、この自己否定感ですが、実はなかなか厄介なんです。
プラス思考で太刀打ちすると、実は強まってしまうのです。
「自己否定感のある自分はダメだ」ともう一つ否定感が強まってしまうからです。
これも先日書いた性格を変えるときの感情への処し方と同じです。
自己否定感を取り除く第一歩は「認めること」から始まるのです。
自己否定感のない人はいません。誰にでもあります。偉そうに書いている私にもあります。
大切なのは自分を否定する自分がいていいんだということです。
そこを認められるかどうかです。そうすると、「どうせ自分なんて」という思いが成長を妨害することはありません。
逆に「この程度の人間なのによく頑張ってるじゃないか」と思えるようになるのです。