Googleの検索に「AI 仕事」と入れると「奪う」とか「なくなる」と出てくる一方で「増える」とか「活用」という言葉も出てきます。
AIの技術が発達することはとても喜ばしいことです。これまで手間のかかっていたことが、全部自動化できるようになるわけですから、とても楽になるはずなのです。
AIには「ディープラーニング」で、たくさんのデータを学ばせます。それこそ人間が記憶できないくらいの大量のデータを学ばせるわけです。しかも短時間で。それらの情報を用いて、必要な判断をするようにプログラムをしていく。そうすると、人間ではとても時間のかかることを一瞬のうちに成してくれるわけです。
発達は、喜ばしいことであるはずなのですが、どうも危機感をあおるような面もあります。
「AIに負けない」とか「AIに奪われない仕事」なんていう記事や広告をよく見かけます。
確かに、AIが発達することで、今の産業の構造は変化していくことはまちがいありません。なくなる仕事、職業がでてくることも間違いありません。
しかし、AI関連の仕事が増えていきます。それがどんな仕事なのかはわかりません。ただ、私が大学生になったころも、インターネットが世に広まり始めたころで、「インターネットが仕事を奪う」ということがさんざん言われていました。しかし、インターネット関係の仕事はかなり増えたのです。ホームページを作る、集客をする、サーバの管理やネットワーク回線の配置などです。今ではエンジニアやウェブデザイナー、ライターが取り合いになり、人がいなくて困っているくらいに求人があります。
さらに歴史をさかのぼってみれば、蒸気機関、電気が発明され、工場で機会がモノを作るようになりました。大量生産ができるようになりましたが、その分労働力も必要になりました。
つまり、AIの発達は仕事が奪われる(なくなる仕事がある)というのは一つの側面にすぎません。これは技術革新であり、現代における産業革命なのです。
AIは人間に扱われるものであって、私たちの生活を脅かすものではありません。
世の中が便利になることで、その便利さを支えるために必ず人の手が必要になります。さらには、AIがあることで今では想像できないような素晴らしいサービスやプロダクトが生まれてくるのです。
今の中学生、高校生が活きる時代は、AIをはじめとした新たな技術に飲み込まれるのではなく、発達し続ける新しいテクノロジーをいかに活用するかを考えて、用いていく必要があるのです。
AIが発達しても仕事がなくなるわけではありません。そんな心配をする時間があるなら、自分は何をしたいのか、将来を描くことにその力と時間を費やしてほしいのです。
「この仕事はAIが発達してもなくならないから」と、そんな消極的な思いで就いた仕事が人生を満足させるものになる可能性は極めて低いのです。
大切なのは自分軸で将来を考えることです。技術革新が起こっても、今ある仕事がすぐになくなるわけではないですし、あなたがその仕事をどうしてもやりたいのであれば、工夫次第でいくらでも生き残ることができます。そのための考え方、前向きな心の持ちようこそが、教育の中で身につけてほしいことなのです。