不登校生が抱える3学期のプレッシャーとは?
3学期は思った以上に早く過ぎ去ってしまう
3学期は授業日数が実は少ないです。祝日があるのと、入試関係で学校が休みになります。私立の中高一貫校であれば、中学入試と高校入試があり、そこに卒業式も入ってきて、「また休みか」と思っているうちに年度末の定期考査が迫ってきます。そして、学校でよく言われるのが「来年は●年生」「あと2か月したら学年が上がる」ということです。これがプレッシャーになります。学校に行っていても行っていなくても学年が挙げられてしまいます。そして、次の進路選択の準備が迫られるからです。
前倒しになる進路選択
20年前に比べて、進路選択はかなり早期から子どもたちに迫られます。理由は二つあり、一つはキャリア教育にどの学校も力を入れるようになり、単に「受験」を意識したものではなく、「生き方」を意識した教育が施されるからです。もう一つは大学入試です。総合型選抜や学校推薦型選抜は夏休みあけたら出願があり、年内に合否が出ます。3年生になった時点でもう残り出願まで4ヶ月となり、その時点では受験校をある程度絞り込んでおく必要があります。前倒しされればされるほどプレッシャーを感じてしまい、余計にふさぎ込んでしまう可能性もあります。
学校のペースについていけない場合
進路選択へのプレッシャーは不登校しているしていないにかかわらずかなりのプレッシャーです。その理由として挙げられるのは「自分で考えなさい」と丸投げしておきながら、自分のキャリアや進路を決めていく上で必要になる、情報収集と整理、自己理解、そして意思決定の方法については特に指導がないからです。丸投げされたまま進路希望調査の「提出日」がデッドゾーンになり、とりあえず適当に書いている、という中高生は珍しくありません。
学校のペースについていけない場合は、「保留」することも覚えておくと良いと思います。そして1度決めたらかと言って、無理にそこに固執する必要はありません。
子どもが進路について何も言わなくても
進路に関して何も考えていないということはありません。これまで出会った中高生たちは、自分たちなりに将来について思いを巡らせています。しかし、その思いを言葉にすることに抵抗を感じています。「学校に行っていないのにこんなことできるはずがない」とか「不登校しているんだからまずは遅れたところをやらないと」と自分自身でブレーキをかけている場合もあります。このブレーキを外させることも大事です。「不登校しているけど可能性はある」ということはいろんな形で伝えることができます。
一方で子どもの方は、親に話すべきかどうかはかなり慎重に子どもの方が見極めようとしています。「自分の考えを言ってよいものかどうか」思案している間は、何も言わなかったり、不機嫌だったりします。しかし、これは一つ「言いたいことが言えない」歯がゆさからきている怒りかもしれません。
無理に言葉を引き出すことをする必要はありません。もし子どもの考えを引き出した蹴れば、親御さん自身が中学生や高校生の時にどんな風に考えていたかを話すというのも一つの方法です。「なんだ、お母さんも悩んでいたんだ」とか「お父さんも決めるのに時間がかかったんだ」と思ってもらえれば、しめたもんです。
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沈黙もまた、親子の大切な対話のかたち──子どもが話さない時間にできること
沈黙もまた、親子の大切な対話のかたち──子どもが話さない時間にできること
子どもが学校から帰ってきて、「おかえり」と声をかける。でも返ってくるのは、目も合わせずにボソッと「あー…」。表情が暗くて気になり、「何かあったの?」と聞いても、「別に」。それでもやっぱり心配になって、「なんか、表情が険しいけど…」と重ねて聞くと、「うるさいな!」と強い口調で返されてしまう──。
こんなとき、親の胸の中には不安が広がります。「私、嫌われたのかな」「何か地雷を踏んじゃったのかな」と戸惑ってしまう方も多いでしょう。
でも実は、子ども自身も、自分の中にあるモヤモヤをまだうまく言葉にできていないことがあります。学校でのちょっとしたストレス、人間関係の複雑さ、なんとなくうまくいかなかった一日。それらを一から説明するのも面倒で、気づけば感情だけが先に溢れてしまう──その矛先が、いちばん近くて安心できる親に向いてしまうのです。
決して、親が嫌いになったわけではありません。むしろ、“話せない気持ちごと受けとめてくれる存在”だと信じているからこそ、不機嫌や反発という形で感情が出てくるのかもしれません。
今回は、そんな沈黙や反発の奥にある子どもの気持ちに、親としてどう寄り添えばいいのかを、一緒に考えてみたいと思います。
子どもとの沈黙が不安に感じるとき
言葉が返ってこない、目も合わせてくれない、なんとなく不機嫌。そんな子どもの態度に、親は「今、私どう接するのが正解なんだろう?」と迷ってしまうことがあります。
特に、学校で何を感じてきたかなんて、親には見えません。でも、子どもにとっては「いちいち全部説明するのも面倒」「細かいことを話す気力もない」そんな気持ちで口数が減っていることもあります。
親に悪気があるわけでも、子どもに敵意があるわけでもないのに、「話す気になれない空気」と「心配して深く聞く空気」がぶつかってしまうこともあるのです。
沈黙の中にも、関係はちゃんと育っている
思春期や心が揺れているとき、子どもは「話したいけど、うまく言えない」「伝えたいけど、まとまらない」――そんなもどかしさを抱えていることがあります。
親が無理に引き出そうとすると、かえって子どもは心を閉ざしてしまうことも。でも、沈黙は関係が壊れている証拠ではありません。むしろ、「今は話せないけど、ここにいてくれることが安心」という、信頼の表れでもあるのです。
話すことより、「話せる空気」をつくる
親子のコミュニケーションは、言葉のキャッチボールだけではありません。大切なのは、**「何を言うか」より「どんな空気でそこにいるか」**です。
話しかけても反応がなくても、そばで静かに一緒にいる。ごはんを並べて「おかえり」とだけ言う。そんなふうに、**沈黙に寄り添う“まなざし”**が、子どもにとって何よりも安心になることがあります。
沈黙を信じられる親でいるために
子どもの沈黙に耐えるには、親にも心の余裕が必要です。「今は話せないときなんだ」「言葉にならない気持ちがあるんだ」と思える安心感。それは、親自身が自分の不安にも優しくできているときに生まれます。
「話してくれない=うまくいっていない」と決めつけず、「きっと話してくれる時が来る」と信じて、日常を丁寧に過ごしていく。その姿勢こそが、子どもとの信頼をゆっくりと育んでいきます。
「沈黙もまた、親子の大切な対話のかたち。」― トマス・ゴードン(臨床心理学者、『親業』より)
文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。
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2025年5月24日
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