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親として、どこまで関わるべき?春の“ちょうどいい距離”の話

親として、どこまで関わるべき?春の“ちょうどいい距離”の話

2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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不登校のお子さんが傷ついてしまうNGの問いかけ

不登校のお子さんが傷ついてしまうNGの問いかけ 会話のきっかけは問いからスタートしている

会話の中には多くの問いかけがあります。「お昼ごはんどうしようか?」、「は?」などの問いかけです。日常的な会話の中で何気なく問いかけたものの中に、子どもが「ウっ」となって心に思いもをの感じてしまうものがいくつかあります。特に、不登校しているお子さんは、すでに心にダメージを負っているので、問いかけたことで不機嫌になったり、黙り込んだりと「不快」な態度を示します。代表的なものとしては、「明日学校どうするの?」「今日は学校行くの?」というのがあります。生き渋っている段階ではこれを問うことは起こりえますし、問うことで、子どもの意識が登校に向くこともあります。しかし、ある程度休み続けているとこの問いは過酷な問いになります。これから逃れるために、本心では全く行く気はないのに「明日は行くよ」と応えることもあります。しかし、実際にはいきません。それは、その場しのぎの応答だからです。

他にも親にきかれたくないことが、あるようです。実際に中高生のカウンセリングをしていてその声をもとにした問いをいくつか紹介いたします。

「じゃあ、どうするの?」

「学校に行かない」「高校を退学する」「進学はしない」「働きたくない」などなど、不登校が長いお子さんは、親にとって心配になる言葉をどんどん発してきます。お子さんと同世代の子が普通にとっている選択をしない、そうすると親にしてみても、どういう未来があるか分からない、だからつい「じゃあ、どうするの?」と聴いてしまいます。

この答えがすぐに出てくるお子さんはまずいません。自分を苦しめている、現状や将来の選択肢をいったん遠ざけるための発言で、別にどうしたいというのはありません。

つらい状況にあるお子さんはまず「休みたい」というのがあります。不安や心配を処理することすら難しく、とにかく何も考えずに「ボーっとしたい」というのが本音です。先のことを考える余裕はない中、とりあえず、自分を保つため、自分を守るために、不安の種を遠ざけているのです。

しっかり休むことができれば、「じゃあ、どうするの?」と問わなくてもそのうち「こういうことを考えている」と言い始めます。親を不安にするようなことを言ってきたときは、「あなたはそう考えているのね」ということで、否定も肯定もせずにとりあえず、その考えをいったん受け止めます。ここで大事なのはそれを、その場で了承する必要はないということです。こっちも考えてみる、ということで結論のないグレーな状態を作ることが大事です。

「何かしてあげられることはない?」

子どもが苦しんでいる姿をみて、親として何もしないでいることはとてもつらいことです。何かしてあげられることがあれば、手を尽くしたいと思う気持ちもあります。

思春期の子どもとしては、親に甘えたい気持ちと、かまってほしくないきもちを行ったり来たりしています。それゆえに不安定になっているというのもあります。それならなぜ、構おうとすると、いやなのか?ということですが、「自分から」言いたいというのがあります。反抗期というのは、反抗することが目的で、合理的な発想よりも、親の言うことを聞かない態度が勝ちます。ですから、親の提案に乗るのではなく、自分から依頼したいという自立心です。ただ、その勇気はないです。だから、いつまでたっても何も言ってこないし、見ていて不安になるし、手助けしたくもなります。一つできることして、「何かしてあげられることがあれば、いつでも言ってね」とあらかじめ伝えておいて、子どもが言いやすい状況を作っておくことです。

不登校の親子のかかわりは我慢なのか?

こういうことを講演やセミナーで話すと必ずと言っていいほど「じゃあ、親が我慢しないといけないんですか?」という質問や感想をいただきます。そこで尋ねるのですが、親は何を我慢しているのでしょうか?ということです。不登校のお子さんにたいするかかわりは、不安からきています。もちろん、不安を感じて当然なのですが、その不安を子どもに立ち直って解消しようという焦りが、子どもに伝わります。この焦りこそが子どもの不快の原因です。この焦りの我慢を子どもにぶつけていては、子どもは不安なままです。

親の不安は親自身が引き受けて解消していく必要があります。世間には不登校の親の会や、行政や学校などの相談窓口もあります。スクールカウンセラーも利用できます。そういうところで話をして不安を解消してみてください。それでも難しい場合は、私のような民間のカウンセリングも利用してみてください。学校でも行政でもない、そして第三者の専門家としてお話を伺い、何らかのアドバイスをすることができます。

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不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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思春期世代との親子のコミュニケーションが難しくなるのはなぜ?

思春期世代との親子のコミュニケーションが難しくなるのはなぜ? 「息子が何を考えているかわかりません・・・」

不登校のお子さんとのコミュニケーションに悩むご相談をよく受けます。あるご家庭の話です。

家の中にいるけど家族と一緒にいるのを拒むようで、家族が寝静まってから、台所で何かを食べていたり、一方で家族がリビングにいると絶対に部屋から出てこない、ということもあります。「ごはんできたよ」とか「ちょっと出かけてくるね」という言葉がけでも、返事が返ってくれば良いほうで無反応です。しかし、自分が欲しいゲームを買ってほしいとか、見たいテレビを録画しておけなど、要求だけはしてきます。食べたいお菓子やジュースがないと「なんでないんだ!」と大声で文句を言われたこともある、ということです。息子が何を考えているかわかりません。学校の話をすると、特に不機嫌になります。「うるさい」とか「学校なんかどうでもいい」というのです。

放っておいたらおいたで不機嫌になるし、言葉をかけても反応が今一つ。そして自分の要求だけは求めてくるという状況に、どうコミュニケーションをとってよいかを悩まれているというのです。今回のご相談にはないですが、うそをついたり、隠し事をしたり、することもあります。思春期世代のコミュニケーションはこれまでのコミュニが通じなくなる時期でもあります。そこでは親子の関係性を再構築する必要があります。

思春期世代のコミュニケーションが難しい理由

思春期世代の頭の中は混乱しているという前提にしておくのがよいと思います。これまで直感的にとらえていたもの、うのみにしてきたものが「正しいのか?」という疑いを持つようになります。これが幼少期との違いです。しかも、深い内省ができるようになるので、自分自身を知ることと同時に、自分はこういう人間であるという枠組みもできてきます。自己認識(セルフイメージ)の変容が起きているのです。単純化すると、幼い自分と大人になろうとする自分の対立が起きており混乱をします。さらには心身の急激な変化がおこり、自分のアイデンティティをいやでも意識するようになります。レフ・ヴィゴツキーは思春期の思考の変化について「思考形式の変化を前提とする必要がある」と述べています。つまり今まで同じように接していても相手(子ども)の思考が変わってきているので、親の言い分が通じなくなる、またはこれまでと同じように受け止めてもらえなくなる、ということが起きてくるのです。

これは子ども自身が意識するしないにかかわらず起きてきていることです。「自分でもよくわからない」というのが実際の子どもの声としてもあります。自分が何を考えているか、物事をどうとらえているのかは子ども自身もわかっていないところがあるのです。子どもと大人を行ったり来たりしながら、混乱しているのが思春期です。

接し方の心構えを変えていく

子どもの思考形式が変容している以上、接し方を変えていくことが大切になります。接し方を接するといっても、日々、かける言葉を一言一句変える必要はありません。子どもさんに接する態度を「子ども」として接する場面と、一人の「大人」として接する場面を作ることです。

「子ども」として接する場面は子どもが「甘え」を示してきた時です。何か要求してきたり、わがままを言ってきたときは「子ども」として接する。特に不登校しているお子さんに関してはできるだけその甘えを許容してあげることが大切です。ただし、条件を付けてはいけません。「新しいゲームを買ったら学校に行くのよね」というのでは子どもは「甘えさせてもらった」とは感じません。「甘えられた」という実感を得るには条件があってはいけないのです。

一方で、大人として接するというのは、これからのことを話したり、勉強のことを話したりするときです。特に高校生で不登校になると、出席している時数や、定期考査の成績などが、留年等にもかかわってくるので、話す機会は増えると思います。中学生でも進路は考えないといけません。そういう時は、「あなたは子どもで考えが足りない」ということで接しているとお子さん自身は「自分が認められていない」と感じてしまいます。こういう場合は一人の大人として子どもさん本人の意見を尊重すると同時に、本人に意見をするときも、親としてではなく一人の大人として意見を述べることが求められます。言葉を変える必要はありません。親御さん自身の内面、心構えが変われば適切な言葉と態度が出てきます。

不登校のお子さんのことは心配ですが・・・

確かに不登校のお子さんのことは心配で、これからどうなるんだろうという不安が親の中には常にあります。そういう心配を全く感じていないような傍若無人な振る舞いに、時折腹が立つこともあります。怒りをぶつけたご経験がある方も少なからずいらっしゃいます。現状を見ていれば心配はたくさんありますが、その心配を信頼に変えることができたらどうでしょうか。「うちの子はきっとこの状況を乗り越えることができる」と思っているほうが「この子大丈夫かな」と心配して見ているより、日々のコミュニケーションや態度で伝わるものが全然違ってきます。お子さんへの「信頼」があれば、相手に対する経緯が生まれ、お子さん自身の考えを尊重できるようになります。「信頼してほしい」とおもいつつも、学校にかない現状、勉強していない現状があってなかなか言い出せません。しかし、どんな状況になっても、無条件で子どもを信頼できるのは親だけです。

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こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

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“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

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近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

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今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

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不登校のお子さんが最も親にかけてほしい言葉

不登校のお子さんが最も親にかけてほしい言葉 1 「なんと言葉をかけていいのか・・・」

「中学2年の息子がいます。学校に行かなくなって、3か月。今では昼夜逆転で、動画を見てあとはゲームばかりしている。自分の部屋からほとんど出てこないし、話しかけてもほとんど応答がありません。なんと言葉をかけていいのか・・・」

男子のお母さまから頂く相談の冒頭はこのようなことが多いです。

学校に戻ってほしいという思いもありますが、不登校が長引いてくると過程でコミュニケーションをとることすら難しくなります。解決の糸口として、親子で話しあう必要があることは分かっていつつも、話しあうどころか、あいさつもろくにできないという状況が生まれたりしています。

さて、このような場合にどういう言葉がけが有効なのでしょうか?まずは、不登校している子どもの心理を見ていきます。

2 中学生男子の心理

中学生の男の子は不登校していようがしていまいが、親と話をするのを「うっとうしい」と思っています。小学生のときとは別人だと考えてもらったほうが良いです。

一つの理由は反抗期です。自我が芽生え、人からあれこれ指示されることに対してはいら立ちを覚えます。特に不登校している場合、学校に行っていない負い目があります。あいさつの次に何を言われるかということをびくびくしています。

子どもは子どもなりに、不安を抱えていますし、不登校してゲームばかりしている環境が良いものとは思っていません。ただ、親と話をするなんてことは照れくさくてやっていられないのです。

それをはねのける術として、無愛想にふるまったり、無視したりしています。これは親が嫌いだからではなく、それ以上自分に関わってほしくないという思いから来ています。(言葉では嫌いと言うかもしれませんが、多くはそれは本心ではありません)

3 有効な言葉がけとは?

親のことを何でもかんでも良くないと思っていながら、全く親から言葉を掛けられないのも嫌なのです。その理由は「反抗したい」という無意識の欲求があるからです。

あいさつをする、食事を促す、洗濯ものを出すように伝える、など日々の生活するうえで当然の言葉がけが実は子どもには有効なのです。

不登校をしている場合、自分はいてはいけない存在と自分のことを責めています。しかし、母親から、学校に行っているときと同じように「ご飯食べなさい」「部屋の掃除をしなさい」「髪を切りに行ったら?」なんてお節介に関われることは、表面的にはうっとうしいと言いながらも、内面では喜んでいることなのです。

変にほめたり、おだてたりせず、ごくごく普通の言葉がけが、学校に行っていない負い目を軽くしてくれます。もちろん、それにたいしてはぶっきらぼうな態度をとります。しかし、それはそれで順調なのです。

自分の存在が認められ、もっともやりたい反抗もさせてもらえているからです。

4 お母さんのメンタルのケアが重要

いくら、日常的に接するようにと言われても、学校には行かない、態度は悪い、ぶっきらぼう、その上、勉強せずにゲームばかりしているわけです。親の言うことを、まったく聞き入れてくれない状況協には、親の方が参ってしまいます。

ある意味根競べ的なところもあります。そこに根負けしないだけのメンタルが必要です。そこに、仕事のこと、家庭のこと、夫婦のこと、他の兄弟のことや自分の親の介護などが入ってくるととてもじゃないですけど背負いきれません。

不登校のお子さんを抱えた、お母さんのほうが参ってしまうケースもあります。この大事な時期に、お母さんが倒れてしまうと、子どもはますます自分を責めます。「自分が不登校になったせいで、お母さんに無理をさせてしまった・・・」と。

そうなる前に、お母さん自身のしっかりした心の芯をケアしておく必要があります。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

 

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子どもが不登校になった。勉強の遅れが心配だけど・・・

お子さんが不登校になっての心配事は実は「勉強」です。親としては、勉強が遅れる、ただでさえ勉強してなかったのにこのままではどうなるのか?高校であれば、単位がとれるのか?進級できるのか?受験に間に合うのか?などなどがグルグルと頭名の中を回って悩んでしまうわけです。

しかし、不登校している子どもを見ると、勉強のことなんか言えないくらいに弱り果てている。それどころか日常の会話さえ成り立たない場合もあります。そんななかで、勉強のことなんか到底聞けないという思いでいらっしゃると思います。

言いたいことを言うべき相手に言えないときにストレスはたまります

不登校している子どもに対して、

なんで学校に行かないのか?

勉強はしているのか?

進路については考えているのか?いつ頃復帰するのか?

いろいろとききたいことはあるでしょう。そして、実際に聴いてみて「うるせえな!」とか「分かっているよ」など逆ギレされてしまった経験がおありの方もいらっしゃると思います。

この逆ギレの背後にある気持ちは、「今はきいてくれるな」、「親には言いたくない」など話をしたくないという思いがあります。

とはいえ、逆ギレでは親が知りたいことは分からないし、問題の解決には向かいません。親の不安は募るばかりです。

ただ、この逆ギレの反応も大切なのです。それは、子ども本人も気にしているからそういう反応が来るわけです。少なくともその話題に触れるタイミングではいというところかもしれません。この反応は人によってさまざまで、「実は勉強について不安だ」と気持ちを吐露する場合もあります。

勉強を強制するのは不味い場合がありますが、そのことについて尋ねることは大切です。どんな反応が返ってくるかで子どもの勉強に対する考えを読み取ることができます。

確かにこれでは親の不安は払拭されません。反応が返ってきたところで、子どもが勉強するようになったり、学校に戻るわけではないからです。

大切なのは「うちの子は大丈夫!」という子どもに対する信頼です。

不登校が親の愛情不足から来ているという考え方もありますが、子育てをパーフェクトにできる親なんていません。不登校になったから失敗したという考えは捨ててください。むしろ、そんな考えのまま子どもに接していたら「あなたは失敗作なのよ」というメッセージが伝わり、余計に自信を無くしてしまいます。

子どもさんがカウンセリングなどの支援を受けることも大切ですが、親御さんもカウンセリングを受けて、心を育み、お子さんに対する「大丈夫」のまなざしを向けてみてください。…

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