9月, 2020 | 不登校サポート | 家庭と子どもの再スタートを応援します

2020年9月

昼夜逆転生活の中3の娘が口をきいてくれません。どうしたら話ができるでしょうか?

Q中学3年の娘がいます。不登校になってから昼夜逆転の生活が続いています。夜は動画を見たり、友達と電話をしているようです。食事も不規則になっており、部屋も全然片付けず、ごみ屋敷みたいで不潔です。私(母)が掃除をすると「勝手に入るな」とめちゃくちゃ怒鳴ってきます。進路のことも考えないといけないのですが、家族からの声がけにはほぼ反応しません。仕方なくLINEでメッセージをしますが、なかなか既読になりません。返事もありません。何を考えているかもわからないし、本当にどうしていいか分かりません。

間に入ってくれる人が必要です

A不登校というよりも引きこもっているというほうが正しいかもしれないですね。家族との会話もなく、自分の世界だけにとじこもっている。しかも昼夜逆転していて不規則な食事、散らかった部屋となると健康面も心配になりますね。すぐに話ができるようになるかというとそれは難しいところがあります。コミュニケーションが取れない原因は誤解にあります。同居する家族に対しては「学校に行かない自分を責めている」という思い込みがあるかもしれません。それは、学校に行かないで食事をし、学校に行かないのにお風呂やトイレを使い、学校に行かないのに部屋を占拠している。そんな自分が認められるはずがないという思いがあります。同居家族に対しては強い抵抗がありますので、第三者の介入をおすすめします。そこで互いに伝えたいことを伝えていくことが必要かと思います。第三者は娘さんが仲の良い人ならだれでも良いのですが、親御さんとも信頼関係がある人が良いです。まずは、祖父母や叔父叔母、いとこなどを頼って間に入ってもらうということがよいかと思います。そうしていきながら、徐々に誤解を解いていく、さらには間に入ってもらった人に対話の場をセットしてもらうことが必要かと思います。

娘さんの中の矛盾を認める

本人も中学3年であることは知っているし、高校受験が控えていることも自覚しているはずです。ですから進路のことを考えることは本人なりにやっていると思います。しかしながら、その話題に触れたいような触れたくないような思いがあります。それは、不登校している自分が将来のことを語るなんておこがましいという気持ちがあります。今やるべきことをできてない自分が将来何かをやりたいなんていうことを認めてもらえるなんていうことを思っていないのです。反応はないかもしれませんが、あいさつや食事をすすめるなどの言葉がけは続けることは大切です。それがなくなるとつながりがなくなってしまいます。自分の部屋に引きこもっていて昼夜逆転ということは、夜中の自分の部屋だけが唯一の安心の場になっています。こちらはそのつもりはなくても、家族という存在が娘さんにとっては緊張する要因になってしまっています。とはいえ、つながりが消えるのもさみしい状況にあります。矛盾していますが、その矛盾で苦しんでいるのが娘さんの内面世界です。

親の方が見捨てたり放置したりしない 忍耐と根気が必要

親御さんにできることはその矛盾があることを知っているということです。そのことを言葉にして伝える必要はありません。言葉がけもLINEのメッセージも、「あなたのことは大切な存在でかけがえのない私の娘なの」という思いを伝えているんだと思って発してあげてください。(鍵かっこのことばをそのまま伝える必要はありません)

今すぐ何かをしようとするよりも、雪解けをまつ必要があります。中学3年生であり、いつまでも悠長に構えるわけにはいけないという思いもあるかもしれませんが、こういう時こそ「うちの子は大丈夫」という信頼をもって接してあげることが大切です。

特に何かをするというわけではなくて、親御さんが不安を持たずに大丈夫だと思って接していくことが決め手です。無視されても反応がなくても、親御さんは子どもを見捨てていないということを忍耐強く発信していくことです。

これ以上無理と思ったら・・・

忍耐と根気が必要と書いておきながら、これまでもすでに、いろいろなアプローチを試されてきていると思います。親御さんも人間ですから、いつまでも同じ状況が続くと当然滅入ってきてしまいます。疲れたら疲れたことや、しばらく声をかけませんという情報をそのまま娘さんに伝えてみてください。何も言わずに突然、言葉がけやメッセージが途絶えると、見捨てられたと思って余計心をとざしてしまいます。そうならないためにも、親御さん側の情報を伝えておくことが必要です。そして元気になったら「今日からまた声かけていくからね」と仕切り直すことを伝えてください。何も言わないで突然はじめてしまうと変に勘ぐったりします。堂々と、声をかける、疲れた、しばらく休むなど、こちらの状況を伝えてみてください。親御さんが無理しすぎると、娘さん以上に深刻なうつ的な状況に陥る可能性もあります。そこを未然に防ぐためにも、無理は禁物です。…

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不登校した上に、ゲーム依存。どうやったらゲームを辞めさせられますか?

Q小学6年生の息子が不登校になり、ゲーム依存になってしまいました。起きている時間はほとんど画面と向き合ってゲームをしています。辞めるように注意しても全然聞きません。取り上げると暴れて手を付けられません。放っておくわけにもいかないし、かと言って暴れられてもこまります。どうしたらよいでしょうか?

対話の糸口を見つける

お母さまが依存と感じるくらいのめりこんでいるのであれば、注意程度はきかないと思います。目に見えているのはゲームに依存している息子さんですが、息子さんはそのゲームで何を得ているのでしょうか?もし、会話がないのであればゲームの内容について尋ねてみてください。面白いと思ってハマっているわけですから、話してくれるはずです。そしてそこから対話の糸口を見つけてみてはいかがでしょうか。その時の注意点としては、ゲームはくだらないとか、辞めてほしいというこちらの言い分を控えて、ひたすらゲームについて語らせます。そこをしっかり傾聴してあげてください。これまで関わった事例の中であったことですが、ゲームを100%楽しんでいるわけではなく、そのゲームの世界の不満や義務感でやっている思いなどを吐露してくれます。通常そこで「そんなにストレスがあるならやめなさい」と言いたくなるところですが、そうは言わずに「ゲームもいろいろ大変なのね」くらいで、ゲームの世界の不満に寄り添ってあげてください。対話をすることで、ゲームをしている息子さんを徐々に認めていくことができます。

息子さんの心の中で起きていること

息子さんの心の内をのぞいてみましょう。ゲームに依存しているというその姿や態度からどんなメッセージを読み取ることができるでしょうか?その行為を通して親御さんに何を分かってもらいたいと思っていると読み取りますか?

ゲームをして、その世界に没頭している息子さんの心のうちから発せられているメッセージは、「不登校している上に勉強もしないダメな自分でもお前は、親としておれを受け入れるのか?」という親を試しているところがあります。ここでゲームを辞めるようにだけ働きかけると、子どもさんは「ゲームをしている自分を否定された」と感じますし、放っておくと「見捨てられた」と思います。一方で息子さんがすきなゲームの話題をすることで、息子さんとしては自分の一部(ゲーム)を認められたと感じます。

依存先は自分の一部

子どもさんが何かに依存している場合はその依存しているものごとを自分の一部としてとらえている可能性が大きいです。もちろん意識的ではなく無意識的な世界ですが。その一部か徐々に認めていくことができれば、息子さんも自分が受け容れられた、分かってもらえたと安心します。ゲームに依存するということは現実世界からの逃避でもあります。それは緊張状態から逃れる手段です。学校に行かないというだけで自分を責めているし、親御さんが心の内で学校に行ってほしいという思いがあることを感じ取ってそこにも自責を感じています。その緊張状態がある以上ゲーム依存からはなれることはありません。だからこそ、彼の一部であるゲームを対話の材料とすることで、現実世界が安心の場であることがわかると、ゲームに頼らなくても安全で居られますから依存は解消されていきます。

解決に向けて

・依存しているもの ゲームを否定しない

・ゲームについて話を聴く 否定せずに話をして、分からない言葉や面白さについて話してもらう。100%肯定して話す。

・ゲームの世界の不満を語っても、辞めるように促さないで「大変なのね」と共感する。

・ゲームをしている姿からメッセージを読み取る。そしてそのメッセージへの応答をする…

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