不登校の回復に自己肯定感はいらない!?

不登校の回復に自己肯定感はいらない!? 不登校するお子さんの自己肯定感

不登校するお子さんは基本的に自己肯定感が低いです。自分自身には能力がない、努力できない怠け者で、他の人より劣っているという認識が強いです。自信がないいことを隠すために、学校では虚勢を張って、それで疲れるというケースもあります。その解決策として、自分自身への認識(セルフイメージ)をネガティブなものからポジティブなものに変えようということで、自己肯定感を上げようとう働きかかけることが始まります。実はこれが子どもにとっては辛いのです。

自己肯定感は上げようと無理に働きかけると自己否定が強まる

「自分のことをダメだ」と思っている人に対して「そうじゃない。あなたは素晴らしい人だ」といっても通じません。これはまずい料理を我慢して「おいしいと思って食べなさい」と言われているようなものです。どれだけ暗示をかけても料理はおいしくなりません。それを無理矢理おいしいと思って食べるときに「まずいと思っている自分」を否定することになります。さらにはまずいと思っている自分の考え方や感覚がおかしいと、自分自身を否定することにもつながっていきます。

自己肯定感を上げようとすると、否定感が強まるという逆説的なことが起きてしまいます。

大事なことは今の自分をそのまま認めること

自己肯定感よりも不登校の回復に効果的なのは自己受容です。今の自分をそのまま認めることです。自己肯定と違って自己受容には否定の要素がありません。

学校に行けないことを悪いととらえず、私は学校に行けていない。ただそれだけだ。だから自分の存在が悪いとか社会不適合だとか思わなくてよいのです。不味い料理を不味いと思いながら食べ続けるだけなのです。さらに言えば、不味いと思ったらその気持ちに素直になって食べないということを良しとすることでもあります。無理においしいと思わないことで無理も否定感もないのです。

自信がない自分で良いのです。自信をつけようとするから辛い思いになるのです。

自己受容するために必要なことは

自己受容のために必要なことは、自分を知ることです。自分自身が今何を考えていて、どういう思いでいるのかを知ることで何を認めればよいかが見えてきます。その時に大事なことは「評価しない」ことです。これが良いとか悪いとか評価すると、それを変えようとする思考が働きます。良い悪いをいったん脇に置いて、自分の考えや思いと素直に向き合うのです。

そのためには、頭や心にあることを言葉にすることが必要です。そこでカウンセリングが必要になると私は考えます。

カウンセリングの聴き手がうまければ、相手の良い悪いを評価せずにそのままを認めていくように働きかけることができます。症状ではなく人格への承認がもたらされることで、自己受容は進んでいきます。そのためには、途中でアドバイスしたり、忠告したりすることよりも、子ども自身も親自身もありのままのいまの現状を言葉にすることが必要です。

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子どもが学校から帰ってきて、「おかえり」と声をかける。でも返ってくるのは、目も合わせずにボソッと「あー…」。表情が暗くて気になり、「何かあったの?」と聞いても、「別に」。それでもやっぱり心配になって、「なんか、表情が険しいけど…」と重ねて聞くと、「うるさいな!」と強い口調で返されてしまう──。

こんなとき、親の胸の中には不安が広がります。「私、嫌われたのかな」「何か地雷を踏んじゃったのかな」と戸惑ってしまう方も多いでしょう。

でも実は、子ども自身も、自分の中にあるモヤモヤをまだうまく言葉にできていないことがあります。学校でのちょっとしたストレス、人間関係の複雑さ、なんとなくうまくいかなかった一日。それらを一から説明するのも面倒で、気づけば感情だけが先に溢れてしまう──その矛先が、いちばん近くて安心できる親に向いてしまうのです。

決して、親が嫌いになったわけではありません。むしろ、“話せない気持ちごと受けとめてくれる存在”だと信じているからこそ、不機嫌や反発という形で感情が出てくるのかもしれません。

今回は、そんな沈黙や反発の奥にある子どもの気持ちに、親としてどう寄り添えばいいのかを、一緒に考えてみたいと思います。

子どもとの沈黙が不安に感じるとき

言葉が返ってこない、目も合わせてくれない、なんとなく不機嫌。そんな子どもの態度に、親は「今、私どう接するのが正解なんだろう?」と迷ってしまうことがあります。

特に、学校で何を感じてきたかなんて、親には見えません。でも、子どもにとっては「いちいち全部説明するのも面倒」「細かいことを話す気力もない」そんな気持ちで口数が減っていることもあります。

親に悪気があるわけでも、子どもに敵意があるわけでもないのに、「話す気になれない空気」と「心配して深く聞く空気」がぶつかってしまうこともあるのです。

沈黙の中にも、関係はちゃんと育っている

思春期や心が揺れているとき、子どもは「話したいけど、うまく言えない」「伝えたいけど、まとまらない」――そんなもどかしさを抱えていることがあります。

親が無理に引き出そうとすると、かえって子どもは心を閉ざしてしまうことも。でも、沈黙は関係が壊れている証拠ではありません。むしろ、「今は話せないけど、ここにいてくれることが安心」という、信頼の表れでもあるのです。

話すことより、「話せる空気」をつくる

親子のコミュニケーションは、言葉のキャッチボールだけではありません。大切なのは、**「何を言うか」より「どんな空気でそこにいるか」**です。

話しかけても反応がなくても、そばで静かに一緒にいる。ごはんを並べて「おかえり」とだけ言う。そんなふうに、**沈黙に寄り添う“まなざし”**が、子どもにとって何よりも安心になることがあります。

沈黙を信じられる親でいるために

子どもの沈黙に耐えるには、親にも心の余裕が必要です。「今は話せないときなんだ」「言葉にならない気持ちがあるんだ」と思える安心感。それは、親自身が自分の不安にも優しくできているときに生まれます。

「話してくれない=うまくいっていない」と決めつけず、「きっと話してくれる時が来る」と信じて、日常を丁寧に過ごしていく。その姿勢こそが、子どもとの信頼をゆっくりと育んでいきます。

「沈黙もまた、親子の大切な対話のかたち。」― トマス・ゴードン(臨床心理学者、『親業』より)

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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2025年5月24日 コメントはまだありません .elementor-widget-heading .elementor-heading-title{font-family:var( –e-global-typography-primary-font-family ), Sans-serif;font-weight:var( –e-global-typography-primary-font-weight );color:var( –e-global-color-primary );}.elementor-4074 .elementor-element.elementor-element-4b76310f{text-align:center;}.elementor-widget-text-editor{font-family:var( –e-global-typography-text-font-family ), Sans-serif;font-weight:var( –e-global-typography-text-font-weight );color:var( –e-global-color-text );}.elementor-widget-text-editor.elementor-drop-cap-view-stacked .elementor-drop-cap{background-color:var( –e-global-color-primary );}.elementor-widget-text-editor.elementor-drop-cap-view-framed .elementor-drop-cap, .elementor-widget-text-editor.elementor-drop-cap-view-default .elementor-drop-cap{color:var( –e-global-color-primary );border-color:var( –e-global-color-primary );}.elementor-widget-image .widget-image-caption{color:var( –e-global-color-text );font-family:var( –e-global-typography-text-font-family ), Sans-serif;font-weight:var( –e-global-typography-text-font-weight );}.elementor-4074 .elementor-element.elementor-element-598e254 .elementor-heading-title{font-family:”Roboto”, Sans-serif;font-weight:600;-webkit-text-stroke-color:#000;stroke:#000;color:var( –e-global-color-primary );}.elementor-4074…

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