不登校の日常に希望を見いだす

不登校の日常に希望を見いだす 毎日一緒にいると、悪いところばかりに目が行ってしまう

朝は起きてこない、昼間は部屋にこもって何をしているか分からない。

でも、たぶん勉強はしていないだろう・・・話しかけてもそっけない。

普段一緒に生活していると悪いところばかり目につきます。そして、たいして変わり映えしない日々に「いつまでこの状態が続くのか?」と不安になることと思います。

そのような状況において前向きに動くことは難しく、手を尽くしているけど、成果が上がらないことに絶望感を覚えることさえあるかと思います。

お子さんの変化を見つけていく

確かに、日々の生活のなかでのお子さんの成長は見つけにくいです。

しかし、遡って考えてみてください。不登校になり始めたころと、今を比べるとどうでしょうか?

感情の起伏がへり落ち着いたたわいもない会話を交わすようになった外出するようになった進路のことを口に出すようになった

何かしらの変化を見ることができないでしょうか?もし、全く変化がないというのであればそれは、評価する視点が厳しすぎると思われます。

部屋に引きこもっていた息子が網戸の修理を!

高校生の息子さんが不登校となり部屋から全く出てきませんでした。家族との会話も少なく、食事も部屋で食べていました。しかし、徐々にリビングで過ごす時間が増え、母親だけでなく、父親とも兄妹とも話をするようになりました。

昼間に一人で散歩に行くこともあり、表情も明るくなってきました。そんなある日、網戸の網戸が外れてきていることに息子さんが気づきました。彼は「直すための材料を買ってくるからお金がほしい」と親に求めてきたので、お金を渡して様子を見ました。彼は近くのホームセンターに行って変えるための網と接着剤を買ってきて、網戸の網を変えました。外れていたところだけでなく、外れかけそうな網戸も修理しました。

彼は家に居て外を眺めることが多く、網戸のことが気になっていたこと、一人での散歩ルートにホームセンターが入っており、どうやって網戸を修理したらいいかを店員に尋ねて材料を買ってきたことなどを自らやってのけました。

希望の種をさがす

この家庭が特別何かをしたわけではありません。このお母さまもカウンセリングで「全然だめだ」ということばかりを話す方でした。しかし、少しずつ子どもの変化に目が行くようになり、そのことを嬉しく思っておられたようです。

時間の経過とともに子どもは確実に変容していきます。その違いを日常に中で見つけていくことで、親自身前向きな気持ちを保つことができます。

また、その変化を子どもにフィードバックできれば、なお自身がつきます。もちろん、思春期世代ですから、素直に受け止めずに「別に」とか「そんなことない」としか返ってこないと思いますが、伝えることは大事です。

何気ない日常かもしれませんが、その中にこそ、不登校から脱していくための解決の種がたくさん落ちています。お子さんの小さな変化からも、成長を見いだしていくことができると、親自身もお子さん本人も希望をもって歩むことができるようになります。

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不登校の解決に向けたメルマガを読む 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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2025年4月21日配信

新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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