不登校の対処になぜカウンセリングが効果的なのか?

不登校の対応にカウンセリングが効果的である3つの理由 不登校の対応を学校にお願いするとまずはスクールカウンセラーが紹介されることがほとんどです。医者に行ってもカウンセリングをすすめられます。風邪をひいたら風邪薬と睡眠をすすめられるように、不登校と言うと何の疑いもなくカウンセリングを受けるように勧められます。実際どんな効果があるのか?実はあまりそのことが伝わらないままカウンセリングに来られる方がいらっしゃいます。このコラムでは、カウンセリングがどういう役割を果たすのかそして、その効果が何かをお伝えいたします。 カウンセリングの役割

カウンセリングの役割は、第三者の考えを入れることにあります。客観的な情報を伝えることで、これまでと違った視点を得ることができます。

家庭にいると親と子だけで話をします。お互いに価値観も似通っており、同じような考え方のもとに会話が続きます。そうすると良いものと悪いものが常に同じなのです。

たとえば「学校の勉強が大事だ」という価値観が親にも子にもあったとします。そうなった場合、学校に行かないことはこの価値観に反することになり、「学校に戻ること」を軸に解決策を考えようとします。ところがここに違う視点が入ったらどうでしょうか?「学校じゃなくても勉強はできる」という視点を入れた場合、学校には行かないけど、それ以外のところで学ぶ方法を考えることになります。すると可能性が広がります。もちろん学校に戻るという選択肢も残すことができます。

これはほんの一例ですが、話をしていくことでこういう視点がどんどん増えていき、考え方が変容していきます。

1人で考えていると・・・

同じ価値観、同じ考えのもと考えることになり、いつも同じ結論に達します。これは親子で話をしても同じようなところに行くのは他の視点が入らないからです。

結論に納得しないなかで考えを続けると、気持ちがネガティブになります。不登校のお子さんが何も話さなくなるのはこの思考が何度も繰り返された結果とも言えます。

対話をすると・・・

対話によってカウンセラーという第三者の視点が入ります。すると、自分とは違った考えに出会うことができます。それを元にまた考えを入れます。

また、言葉にすることで自分自身の考えを客観的に見ることができ気づきがあります。話をするだけで効果があるのはここに由来します。

しかも、カウンセラーは聴くプロであり、また同じようなケースをいくつも知っている場合もあります。専門的な視点からのコメントは、時にたった一言で気持ちを前向きにさすることもあります。

話をするだけで何か解決するの?

カウンセリングにおけるカウンセラーの役割が傾聴、つまり話を聴くということです。これにどんな効果があるのか?です。よく質問されるのが、「話をするだけでなんか解決するんですか?」というものです。この問いには「はい、意味があります」と明確に回答しています。

カウンセリングと普通の会話は全然違います。カウンセラーは自分の話をしません。あくまでも不登校しているお子さんやその保護者の方の話が続きます。一方、通常の会話は、お互いが話したいことを話します。あまり聴くことが重視されていません。実は、自分の話をひたすら聴いてもらう経験ってほとんどの人がしたことないんです。

そして、自分の話をひたすら聴いてもらっていると三つのことが起きてきます。それは

1自分の心を言語化することで、心が軽くなります。

2自分のことを分かってもらったという受容体験

3カウンセラーに対する信頼からくる安心感 ちょっと詳しく紹介しますね。

カウンセリングがもたらす3つの効果 1 言語化が心を軽くする

自分の内面にとどまっているものを言葉にしてそとに出すだけで心が軽くなります。この軽くなったゆとりが、今の悩みに立ち向かうためのパワーとなります。問題が解決に向かわないのは、解決方法が分からないのではなく、その解決方法を実施する力がないからです。カウンセリングはその力を蓄えてもらう場でもあります。

2 分かってもらった受容体験

1人で悩んでいる時間も大切ですが、自分1人だと同じ考えがグルグルと回って辛くなります。そこにカウンセラーという聴き手のプロが入ることによって、今までと違う、視点や考え、物の見方ができるようになります。

3他者に対する信頼と安心感

カウンセラーと関係ができると、心の安全基地ができます。常に対話ができなくても「困ったら相談に乗ってくれる人がいる」という安心感が日々の生活の心理的安全性の維持につながります。

なぜVCAのカウンセリングは選ばれるのか? 不登校の解決はお子さんの自立とキャリア形成 ★ カウンセリングのトレーニングを十分に受けた公認心理師がカウンセリング★学校教育、進路指導、受験について精通している。★ キャリアコンサルタント保持者がメンタルだけでなく将来の進路も一緒に考えることができる。

VCAのカウンセリングがが選ばれるのは、単なるメンタルケアにとどまらないからです。

VCAでは不登校の解決を、子どもの自立とキャリア形成に置いています。

そのための関わり方ができます。これまで3000件を超える中高生の相談を受けてきて見えてきたことは、結局は進路の問題が解決すれば子どもは前を向いてくれるということです。

しかし、不登校しているお子さんにいきなり「将来何がしたい?」と尋ねても何も答えられません。不登校のお子さんが自身のキャリアについて考えれるまでには十分なケアと信頼関係の構築があります。

メンタルヘルスだけでなく、学校教育、進路指導、受験、キャリア形成全てに対してケアができるのがVCA最大の強みです。

カウンセリングをご希望される方はこちらからお気軽にお問合せください お問合せはこちらから 不登校やキャリア教育に関するコラム 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス 📘 勉強嫌いの不登校の子が「勉強したい」と思うまでのプロセス

こんにちは。ビジョナリーキャリアアカデミーのカウンセラー、大久保です。このコラムでは、不登校になり勉強に関心を失っていた中学生が、どうやって再び「勉強したい」と思えるようになったのか。その変化の背景を、カウンセラーの立場からわかりやすくお伝えします。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

不登校になると、なぜ勉強が嫌いになるのか?

不登校の子どもたちの多くは、「勉強が嫌い」「やる意味がわからない」と口にします。でも実は、「やらなければいけないと思っているのに、できない自分がつらい」という葛藤を抱えていることが少なくありません。

中学校に上がると、授業の難しさ、スピード、周囲との比較などで「分からない」が積み重なっていきます。その結果、「できない自分」に対して自己肯定感を失い、勉強への苦手意識が強まっていくのです。

変化のきっかけは、「勉強を押しつけない」こと

ある中学生の男の子も、当初は勉強を完全に拒否していました。小学校ではリーダータイプだった彼ですが、頑張り続けて疲れたのか、中学に入って不登校に。勉強の話になると表情が曇り、話題にするのも避ける状態でした。

でも、家庭ではあえて勉強のことを問い詰めず、「まずは本人の安心感を回復すること」を大切にしました。結果として、徐々に生活リズムが整い、自分の興味を話すようになってきたのです。

雑談の中に見つけた「やってみたい」の芽

きっかけは、ふとした雑談でした。テレビで英語が流れたとき、「なんて言ってるか分かる人ってかっこいいよな…」とポツリ。そのとき、「じゃあ、ちょっとだけ勉強してみる?」とは言わず、「ほんとそうだね〜」と受け止めただけでした。

でも数日後、自分から英語のアプリを開いていたのです。無理に勉強をさせようとしなかったからこそ、「やってみようかな」という芽が出てきた瞬間でした。

勉強への意欲は、安心の土台の上に育つ

「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなる──これは思春期のあるあるです。けれど、自分の気持ちを受け入れてもらい、自分のペースで過ごせる安心感があると、子どもは自然と前を向こうとします。

「やらされる勉強」から「やってみたい勉強」へ。その変化の出発点は、親やまわりの大人の「関わり方」だったのです。

まとめとひとこと

勉強嫌いの不登校の子どもも、自分なりのペースで、再び「やってみようかな」と思えるようになります。無理に引っ張るのではなく、「いまここで安心できる関係性」を築いていくことが、次の一歩を支える力になります。

💬 今日のひとこと(格言)

「子どもは、“安心”の中でしか前を向けない。」

― 精神科医・毛利子来(もうりたねき)

文・大久保智弘 公認心理師/キャリアコンサルタント・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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新学期が始まり、生活のリズムが少しずつ整ってきた頃。でも、なんとなく不安定な子どもの様子に、つい心がざわついてしまう。そんな今だからこそ、あらためて“親子の距離感”について考えてみませんか?

春の始まり、親の心は揺れやすい

新学期が始まり、少しずつ日常のペースが戻ってくる頃。その一方で、子どもの様子に一喜一憂し、

「ちゃんと学校に行けるのかな」「このままで大丈夫かな」と、心がざわつく日もあるかもしれません。

距離を詰めてしまうのは、”心配”の裏返し

そんなとき、親はつい距離を詰めてしまいがちです。

「今日はどうだった?」「勉強はしてる?」と声をかけるのも、

本当は心配だからこそ。「見守りたい」ではなく「見逃したくない」という想いがあるのだと思います。

でも、その距離の詰め方が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。

子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。

だから、何も言われなくても「ちゃんとしなきゃ」と無言の期待を背負ってしまうことがあるのです。

まずは自分の「心配」をやさしく見つめる

カウンセラーとして多くのご家庭と関わってきましたが、

“距離の取り方”に悩まない親はいないのではないかと感じています。

私も2人の娘の父親であり、わが子たちとの距離の取り方は日々悩まされます。

特に上の娘が思春期に差し掛かる時期なので、いろいろと考えさせられます。

近づきすぎれば干渉になり、離れすぎれば無関心に見えてしまう。

そのちょうどいい距離は、いつも手探りです。

今、親として何かしてあげたい気持ちがあったら、

まずはご自身の気持ちをノートに書いてみたり、信頼できる人に話してみたりするのも一つの方法です。

不安が少し軽くなると、子どもに向けるまなざしにも、ふっと余白が生まれます。

ちょうどいい距離は、自分の中にある

近づきすぎず、離れすぎず。

親子の距離は「正解」があるわけではありません。

でも、自分自身の心の状態に気づいてあげることで、自然とその距離感が見えてくるものです。

そして、こんな言葉もあります。

“子どもは、放っておいても育つ。でも、見ていないと育たない。” ― 小児科医・毛利子来

文・大久保智弘 公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。 不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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