不登校の子どもと迎えるゴールデンウィーク 〜親子で「がんばらない時間」を大切に〜 | 不登校サポート | 家庭と子どもの再スタートを応援します

不登校の子どもと迎えるゴールデンウィーク

〜親子で「がんばらない時間」を大切に〜 ​

新年度が始まり、あっという間に1か月。
4月は子どもたちにとっても、親御さんにとっても、大きな変化と緊張が続く時期です。

特に不登校のお子さんを持つご家庭では、世間のにぎやかさに心がざわついたり、
連休明けを思うと不安な気持ちになったりすることもあるかもしれません。

 

このゴールデンウィークは、親子にとって「安心して力を抜く」時間として過ごしていきましょう。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

ゴールデンウィークは「安心できる時間」に

4月のがんばりをそっとほどく

子どもたちは、新しい学年やクラス、先生、友だちとの関係の中で、知らず知らずのうちに多くのエネルギーを使っています。
見た目には落ち着いているように見えても、心の中では小さな背伸びや緊張を重ねてきた子どもたちがほとんどです。

親御さん自身も、子どもを支えるなかで、気づかぬうちに力が入っていたかもしれません。

この連休は、無理に特別な予定を立てたり、何か成果を出そうとする必要はありません。
「家でのんびり過ごす」「好きなことをして過ごす」──それだけで十分です。

子どもから少し離れる時間も意識して

また、可能であれば、お子さんのことから少しだけ距離をとり、自分自身のための時間を持ってみてください。
一杯のお茶をゆっくり飲む、本を手に取る、外の景色を眺める──。
そんな何気ないひとときが、親自身の心を整える大切な時間になります。

親御さんが自分をいたわることは、子どもにとっても大きな安心感につながっていきます。

「揺り戻し」は自然なこと

子どもも大人も、がんばった証

4月にがんばった分、ゴールデンウィーク前後には、心や体に「揺り戻し」が出やすくなります。
子どもたちも、大人たちも、疲れがどっと出てきたり、気持ちが沈んだりすることがあります。

そんなとき、
「これではいけない」と思わずに、
「これも今の自分なんだ」と、そっと受け止めてみてください。

親が自分自身にやさしくなれると、自然と子どもにもやさしくなれるものです。

連休明けに向けた心構え

焦らず、比べず、ゆっくりと

ゴールデンウィークが終わると、また学校や日常生活のリズムに戻る時期になります。
不登校のお子さんを持つご家庭では、「また学校に行けるかな」という期待や不安が入り混じることもあるでしょう。

でも、焦る必要はありません。
まずは「朝起きる」「ご飯を食べる」といった基本的な生活リズムを、親子で少しずつ整えていくことを目標にしましょう。

小さな一歩を重ねることが、やがて子どもたち自身の「また動き出してみようかな」という気持ちにつながっていきます。

連休は「休む」ことから始めよう

この連休は、親子で「がんばらない時間」を意識して過ごしてみましょう。

休むことは、止まることではありません。
次に進むために必要な、心と体を整える大切な時間です。

今日ここにいること。
それだけで、十分意味があります。

焦らず、比べず、親子それぞれのペースを大切にしていきましょう。

「急ぐな。休むことを学べ。」
― ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

文・大久保智弘
公認心理師・スクールカウンセラー/2児の父。
不登校や思春期の親子支援を専門に活動中。

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