不登校の回復が「学校に行くことだ」と思われがちです。それも確かに一つの「治る」です。しかし、これまで見てきた不登校の回復は必ずしも学校に戻るということではありません。
3つの治る
治るということは大きく3つあります。
①症状がなくなる。
不登校の回復の場合は学校に戻ることになります。もともと通っていた学校に戻る場合や、転校して学校に復帰することもあります。
②環境を変える。
不登校の回復に置き換えると、学校には戻らないけど他に居場所を見つけることや、進路を見出して前に進むことなどです。学校には戻らないものの、自分の生きがいや夢を見つけてそこに向かって努力することです。実は不登校の治るで多いのはここなんです。高校進学や大学進学などをきっかけに不登校から脱する人も多いです。
③生きがいを見つける。
これも②と似ていますが、学校に行くことも進学することもなく、自分の人生を歩み始めます。気持ちはとても前向きで周りとしては「こんなに元気なら学校に行けばいいのに」と思ってしまいますが、本人のやりたいことはそれではないので学校に行かないで歩むことを決めるということです。
実際には③を通って、その結果必要なことを学ぶために学校に行くということで②に帰結することもあります。
不登校の治るを学校に戻ることだけではなく、内面の変化や行動の変化、さらには使う言葉(言動)の変化にまで目を向けてみると、わずかずつでも不登校しながらでも子どもが成長している姿を見ることができます。
不登校の対処で大切なことは?
不登校の対処で大切なことは引きこもらせないことです。初期の段階で、一時的に引きこもることは必要な場合があります。しかし、長期にわたって引きこもらせることは望ましくありません。
成人の引きこもりとなると、支援の手がとても弱くなります。学校の場合は不登校に対してかなり寛容な態度で復帰に関しても丁寧な支援を受けられます。しかし、成人の場合は、「引きこもりを辞める=働く」なのです。これは学校に行くよりハードルが高いわけです。しかも、引きこもりという経歴を考慮して雇ってくれる企業は少ないです。勇気を出して働き始めても、一気にその自信を砕かれ、再び引きこもるというケースが出てきます。
そうなる前に手を打つことが必要なのです。
VCAでは不登校のお子さんに対してキャリア教育を施します。それは引きこもりを予防するという意味合いもあります。