不登校対応で一番やってはいけないこと
「あなたの育て方が悪い」とカウンセラーに言われた
お嬢様が小学校の高学年から学校に行かなくなったというお母さまからの相談。
これまで、スクールカウンセラーや医者に行っても改善せず、不登校の親の会で紹介されたカウンセラーのところに行きました。有名な先生で数か月待ってのカウンセリングだったそうです。
そこで言われたのが「あなたの育て方が悪い」ということでした。お母さまはこの言葉にショックを受けてしばらく落ち込んでいらっしゃいました。私と出会ったのはそのきついことを言われたカウンセリングから半年後でした。
その時に、このカウンセリングで話されたことを同じように話してくださいました。比較的裕福な家庭で、都心にしまれている方です。お子さんも優秀で、塾に通い、中学受験目前というところでの不登校だったそうです。その経緯を伺いながら私は「なるほど。そのカウンセラー先生がおっしゃられることも一理あるな」と思いました。
やってはいけないことは「比較」
それはお子さんを、比べていたことです。学校のクラスメイト、塾での点数、受験する学校、あらゆるところに比較の視点がありました。しかも、お嬢さんがどれだけ良い成績をとっても「さらに上の人がいる」というような言葉がけでした。お母さまとしては鼓舞するつもりだったそうです。
さて、もうお分かりだと思いますが、やってはいけないことは「比較」なのです。他人と比べる成績や学校での役割、受賞や資格、運動能力、音楽や美術の能力、コミュニケーション能力、身長、体重・・・
比べる視点は子育ての段階でかなりたくさんあります。親は鼓舞するつもりでも子どもには「ダメだしされている」ようにしか聞こえません。
比較が生み出す自責
さらに、不登校しているお子さんはどうでしょうか?
学校に行っていない自分、勉強していない自分、友達付き合いのない自分、
親に迷惑をかけている自分、親に言われる前に自分と他人(同世代のこどもたち)を比べているのです。そしてそれは自分を責めることにつながります。比較することが行けない理由は「自分を責める」という状況に陥ってしまうからです。その状況を作らないためにも、他人との比較はやめていただきたいところです。
とはいえ、「あなたの育て方が悪い」と断言するカウンセラーもちょっと考えものですね。