不登校している中学生の進路選択
通信制高校で大丈夫か?
不登校する子どもの奥には進路の悩みが
不登校をすると、学校に行くのがやっとで、将来のことを考えるということが難しいと思われます。その話題に触れることすらなかなか難しく、子どもが何を考えているか分からないという声を保護者の方から伺います。ただ、多くの保護者の方が察している通り何を考えているかは分からないのですが、まったく何も考えていないというわけではありません。むしろ、そこを深く考えているから気分が沈んでいるということも珍しくないのです。
不登校している中学3年生はどうしたらよい?
中学3年生になると進路のことを考え始めます。公立中の場合は高校受験があります。また、公立・私立問わず、一貫校であっても、進学の規定に引っかかったり、在籍していても高校生になって通いだせるような状態でなければ進路選択に迫られます。
不登校の原因が人間関係であれば、全日制の高校に進学することも可能かもしれませんが、原因はよくわからない、または自己肯定感の低下や集団が苦手などの理由であればすぐに全日制に入って、勉強もクラブ活動もというのは難しいと思います。そうなってくると進学先が通信制になることが多いですし、実際にその選択をする人はけっこういらっしゃいます。
通信制高校の特徴
通信制高校の特徴は日常的に通学する必要がない点です。家に居て、与えられた授業(多くの場合は動画)を受けて、決められた期日までに課題を提出する。そして学期の区切りに、期末のレポート、考査を受けて単位認定をされるということになります。
通学する必要がないとはいえ、年に数日(学校によってさまざま)はスクーリングといって学校に通わなければなりません。場合によっては合宿のような形で実施している学校もあります。これは文部科学省の規定で決まっているので、スクーリングが全くない高校というのはありません。
担任の先生は必ず付きます。勉強の進め方、進路相談、その他学校生活における悩み事や相談事は話しあうことができます。課題が出てない場合は催促してくれます。不登校をしているお子さんを多く預かる通信制高校の先生は基本的に優しく受容的です。
通信制高校のその先は?
通信制高校は学校に通学しないというだけで、普通の高校です。卒業後は就職も進学も可能です。ただ、通信制高校は高校卒業認定のための単位取得を目指しています。大学進学となると、必要な単位を自分で多めに取得したり、大学受験対策の講座を追加で取る必要があります。
今年も通信制高校に通いながら大学に合格した生徒を何人か知っています。文学部や経営学部、中には薬学部に合格した生徒もいます。今の時点(11月上旬)では総合型選抜(旧AO)入試の結果しか出ていませんが、一般入試でも合格している生徒も例年おります。
また、就職に関しても、通信高校にも求人はあるのでそこで調べて就職試験を受けることができます。最近は通信制高校も増えてきており、学校ごとに特色を出しています。お子さんの特徴にあった学校を見つけるためには結構な下調べが必要になりますが、選択肢が多い分、選ぶことができるとも考えられます。