不登校のカウンセリングは大きく4つのステップから成り立っております
不登校の生徒さんの課題は自分を責めていることと、問題の核心である「生きる意味」への向き合い方です。しかし、最初からその問題を取り除けるわけではありません。カウンセラーとの信頼関係が必要です。その信頼関係を築くために、最初のステップでは不登校の原因やこれまでの人間関係や特筆すべきエピソードについて聞き取りを行います。2つ目のステップが自分への責めを取り除くことです。ここで前向きになる考え方や気持ちの持って生き方を一緒に考えます。そのうえで3つ目のステップで生きる意味について向き合います。そして最後に、将来の希望について語り合います。自分への責めが取り除かれた時点で、一気にこのプロセスまで行ける可能性が大きいです。将来の希望を考え付いた結果、学校に戻る選択をする、または進学を希望するなど、最終的な行動変容が見えます。
Step1 不登校の原因をさぐる
不登校の原因は本人も分かりません。いじめや先生から嫌がらせをされたなど明確な場合もありますが、その背後には別な理由が隠れている場合もあります。そのために最初のステップでは、これまでの生い立ちや、親子関係、学校に対する思いを聴き取ります。とにかく最初は話してもらう必要があります。このステップでどれだけ、生徒さん自身の気持ちを言葉にできるかでそのあとのステップの質が変わってきます。不登校とは直接的に関係ない話をたくさん紡いでいく中で、何が引っかかりなのかが見えてきます。原因が見えることは確かに目的ですが、このステップでは話すことが何よりも大切です。
Step2 自分を責める気持ちを取り除く
不登校の生徒の課題でもっとも大きいのが自分を責めることです。不登校をしている自分はダメだというレッテルをはってしまうのです。実はこの状態が続くと、心に大きな傷が残ったままなので、仮に学校に復帰したり、進学しても不全感がずっと残ります。自分の持っている才能や将来に対する希望を閉ざしてしまいます。VCAのカウンセリングはこのプロセスに最も力を入れています。それはここをクリアすれば不登校は8割方解決したようなものだからです。そのためには、前向きに考えるために自己肯定感をたかめるためのワークをたくさん実施していきます。また、問題とそうでないことを切り分けていきながら、自分を責める気持ちを軽くしていきます。
Step3 問題の核心に触れる―生きる意味と死にたい気持ち
不登校している生徒さんで、特に長期にわたって不登校している場合は、生きる意味を考えたり、死にたい気持ちを抱えていたりします。ここに寄り添ってくれる大人というのは実はなかなかいないと、これまで出会った生徒さんは言います。そもそも、そんなことを言葉にすること自体が怖い、またはバカげていると考えます。しかし、この問いをクリアしていくことが何よりも大事なのです。当然ながら、その意味を見いだすの自分自身です。カウンセリングの期間中に明確な答えは出ないかもしれません。というよりほとんど出ません。しかし、その問いと向き合っていける心の強さを共に育みます。ここをしっかり向き合うことで、再び不登校になったり、引きこもったりすることを予防できます。